吉田たかおのよしだッシュブログ

京都市会議員 (公明党)・吉田孝雄が日々感じたことを綴ります。

予算委員会局別質疑(都市計画局)

2021.03.19 (Fri)
令和3年度予算を審議する京都市会予算特別委員会において、私は第2分科会に所属して3月5日からの局別市議に臨み、コロナ禍を克服する京都市政の発展のための議論を展開しました。

210305都計局質疑

初日は、都市計画局に対して「空き家対策」を質しました。500億円の財源不足に直面する財政危機に際して、「持続可能な財源確保」のために意欲的に検討している『新税』の在り方にもかかわるとの問題意識で議論したので、常任委員会の質疑と同じく、“文字起こし”して採録します。長文ですが是非お読みください。

なお、京都市会HPのインターネット録画中継にアップされていますので、ご関心ある方はぜひご視聴ください。

京都市会予算特別委員会第2分科会動画をクリックしてください。私の出番は、42分38秒から約15分間です。

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【吉田】 おはようございます。先ほどから質疑されている市内周辺部の生活交通の維持確保のための「民間バス事業者へ支援」につきましては、私も伏見区の議員として山科区の地域の皆さんに寄り添った取り組みを注目しています。伏見を始め多くの周辺地域からもニーズが出されてくると思いますので、ぜひ継続的なコーディネートで民間事業者との協議を続けて頂きたいとお願いして、質疑に入らせて頂きます。

 「空き家対策事業」についてお聞きします。令和3年度1億650万で、2年度の1億6500万から、約6千万の縮減ということになりました。この理由をご説明頂きたいと思います。

≪室長≫ 「空き家対策事業」が今年度と比べ約5,900万円の減額となっております。減額の大きな要素となっていますのは、固定資産税の住宅用地特例の解除に伴うものでございます。令和3年度から行財政局に、より効率的な調査を実施するために移管するものでございます。

【吉田】 わかりました。この長帳(予算概要冊子)に載っております「地域連携型空き家流通促進事業」ですが、私がここ数年、多くのセミナーに参加する中で注目を集めているジャンルが「空き家対策」でして、たくさんの地方議員が参加されています。そこで、先進的な成功事例として京都市が評価され、識者の先生からも紹介されています。その意味で、本市の担当者の方々が時代を切り開いているご苦労に敬意を表します。この「地域連携型空き家流通促進事業」の現状と新年度に向けての課題は何と考えておられますか。

≪室長≫ 「地域連携型空き家流通促進事業」でございますが、京都ならではの取り組みでございまして、空き家を所有者個人だけではなく、地域が主体となって「まちづくり活動」の中で、空き家発生の予防や活用などの支援に取り組む事業でございます。今の実績でございますが、59学区で取り組まれております。

【吉田】 具体的に予算を活用されて、補助の方もされていると思いますが、補助の中身と申請状況、新年度の見通しはどのようにお考えでしょうか。

≪室長≫ 「地域連携型空き家流通促進事業」の助成でございますが、地域の活動費の補助として年間50万円を最大4年間でございます。中身は、学区全体の空き家の正確な情報を把握した情報を地域住民への発信を行なって頂くとか、NPO法人を開設されています。引き続き、地域にこういった事業を紹介して、様々に取り組んで頂けるよう努めてまいります。

【吉田】 私が以前居住していた地域で、空き家が長年放置されておられることを近隣の市民が心配される声を紹介し、都市計画局や区役所が連携して、地道に所有者とやり取りを重ねた結果、除却などの前進が図られたことで、地域の環境や衛生面、防災や安心安全が拡がったということがありました。私自身も、この10数年で3回ほど本会議代表質問で「空き家問題」を取り上げた経緯がございます。

 そうした中で、長年放置すると相続人がどんどん増えていって、手も足も出せなくなって、地元からも連絡もつかず大変になるという状況に対する取り組みも、国と自治体が連携しておられるとのことでした。

 同時に、更地にしてしまうと資産価値が上がって固定資産税が増えるので、そのままの老朽した危険な状況な方の税負担が少ない、そういう「イビツ」な状況が空き家の放置が増加する一因になっていたという問題がありましたが、これに関する法整備が様々に行われたことで着実に進んで、固定資産税減免の在り方の見直しがあったわけです。

 そういったことを踏まえて、現状ではどういう風に京都市内の空き家の問題、相続や危険家屋の減免の問題などを、国や他局とも連携しながら、都市計画局として進んでいるのか、今後どのように前進させようと思っていらっしゃいますか。

≪室長≫ ご指摘の通り、相続登記が行われない状態で、法定相続人が死亡して更に相続が発生する所謂「数次相続」が発生しますと、関係権利者が多数にのぼります。場合によっては相続人が誰なのかわからなくなる恐れがございます。

 不動産の売買や相続に当たって所有権の移転登記をしておかないと、様々な不都合が起こると。自己の財産である空き家の権利の保全をする上では、登記は非常に重要な制度でございますので、こうした登記については、市民の皆さんに「相続登記」の重要性をご理解頂けるため司法書士と連携しまして、地域の行事に伺って事業の説明をしています。

 また、国レベルになりますが「相続登記」の義務化を京都市として要望をしてまいりました。今般、関連法案を国会に提出し、成立を今国会で目指す方針だと承知しています。不動産登記の名義変更の義務化については、「空き家対策」にも資すると考えておりますので、注視してまいりたいと考えております。

【吉田】 財政当局との連携においては、個人情報の尊重の問題がありますが、結局は地域住民の方々のお困りごとに接していくのが区役所であり、その橋渡しとして都市計画局の皆さんもご苦労されているのですから、今後の一層の取り組みをよろしくお願いします。

 最後に、財政危機を克服するための施策として、「空き家対策」が大きな意義を持つとの視点で質疑をいたします。

 いま、財政危機に直面し、「持続可能な財源確保」が喫緊の課題だと思います。様々な事業が縮減されたり、イベント等々が中止になったりとか、公共事業も多くが削減されるという状況の中で、「増収」であるとか、若い世代の方の市内への転入をどう実現していくのかという取り組みも、極めて重要な問題でないかと思います。

 昨年の市長選挙において、門川市長が「持続可能なまちづくり」のため、新たな財源の創出を公約に掲げられました。私は、それは他の候補者との大きな違いであり、その勇気に感銘を受けた1人であります。

 具体的には、行財政改革の柱として、「新税の検討」に踏み込んだことは高く評価され、心ある方々からの期待が集まっていると認識しています。私は、昨年12月と本年2月の2度、持続可能な財源確保のための親税検討委員会を傍聴し、多方面の識者や市民の代表の方が活発な議論を展開しておられる姿を目の当たりにしました。そして、現在パブリックコメントが実施されているところでもあります。

 そこで明らかになった課題は、セカンドハウスや別荘、空き家の所有者に課税する新税の導入は何のためにあるのか、税負担に見合うだけの市民生活の前進はあるのか、という点において幅広い市民のコンセンサスを得ることではないか、という点がクローズアップされて議論されていたのです。

 私はその議論をお聞きして、若い子育て世代の流出を食い止め、逆に京都に転入して頂くためにも、魅力あるまちづくりの先行投資の面で、この新税が可能性を秘めていると思いました。まちの活力停止を余儀なくされる「空き家問題」の解決のため、非居住の方々の所有される土地や建物に新たな税が課せられることになりますが、これを財源にして空き家流通の促進や発生の抑止など、問題解決への大きな切っ掛けになり、持続可能な京都への道を開くのではないか、こう考えているところでございます。

 検討委員会でも、空き家所有者への負担の求め方等の議論があったわけですが、市内中心部の資産価値のあるところであればあるほど、老朽化して改修に莫大な費用が掛かるなど、「売るに売れない」ような物件が数多くあると思います。そういう方々に、固定資産税に加えて新たな税を追加されますと、かなりの反発が予想されるのではないかと心配しています。

 だからこそ、「売りたくても売れない」ような物件を抱えた市民に対する賃貸や売却に向けたリフォーム代であるとか、登記変更手続きにかかる手数料の費用負担など、これらに対する助成などを考えて頂く必要があるのではないでしょうか。そうしないと、結局は相続する対象が倍々に増えてしまう問題がより深刻化してしまうと思いますし、税負担に対する感情的な反発が増幅されることにつながってしまうのです。ぜひ、この新税をはじめとする財源確保の試みをされる中で、大きな意味を持つ「空き家問題」を重視して頂くことが大事になると思います。

 空き家所有者への「インセンティブ」をどうするか、施策の融合という観点で取り組んで頂く必要があると申し上げます。京都市の全体観に立った「財政危機克服」への重要なステップを踏む段階において、「空き家対策」事業が大きな意味を持つ。このことを強く期待をしております。ご決意をお伺いして質問を終わります。

≪室長≫ ご紹介のありました非居住住宅の適正な負担の在り方については、持続戒能なまちづくりを支える税財源の在り方検討委員会で議論されて、現在答申を受けてパブリックコメント中でございます。負担の求め方や税の使途については、今後、市会でも議論がなされていくものと承知しております。

 なお、空き家そのものは不動産として個人の財産でございます。その権利を行使して保全を行なうのが原則でございます。ただ、こういった空き家が流通し活用され、適正に維持管理されるという「市場環境」を作っていくのが我々行政の役目だと考えております。そのためにも、民間の事業者や専門家と市民の方々と連携して、しっかりと取り組んで参りたいと考えております。  

京都市基本計画特別委員会質疑

2021.03.01 (Mon)
2月26日の京都市基本計画特別委員会で、人間中心のデジタル化を促進するべく「Society5.0」について質疑しました。

20210226基本計画委員会
 
今後5年の京都市を決定する基本計画を議論する重要な特別委員会ですので、“文字起こし”して採録します。長文ですが是非お読みください。

京都市会公式YouTubeチャンネルに、録画中継がアップされています。1時間4分40秒くらいから約15分間の質疑です。ご関心ある方はぜひご視聴ください。


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【吉田】 宜しくお願いいたします。前回の2010年に策定された第2期基本計画以降、“共に汗する”共汗(きょうかん)型の「市民参加」が前進しました。また、縦割りの限界を超える「政策の融合」が、市民の皆さんも市役所も共有されていった。そういう10年だったと評価できると思います。

 今回の基本計画に向けての審議会においても、3分の1の委員が女性でありまして、若者世代の方、子育て中のお母さん、文化芸術のトップの方などが貴重なご意見をされていました。私も傍聴させて頂いたのですけども、有益な意見が積み重ねられていたとの印象を持ちました。その上で、パブリックコメントを踏まえた様々な議論が展開され答申されたのが今回の計画である。その認識で質疑させて頂きたいと思います。

 この基本計画に「Society5.0」が記述されています。先ほどのご説明にも「分野横断的な4つの時代潮流」を基底にしているとのご説明でありまして、その4つの中に「Society5.0」が入っているということです。昨日の本会議代表質疑で質問させて頂きましたが、この「Society5.0」は私ども公明党議員団が今年度の政策提言のために1年間勉強したテーマでして、このズッシリと重い冊子として提出した提言を通して「Society5.0」の政策を提案させて頂き、市長からも前向きなご答弁がありました。

 まず、基本計画の基底として、「分野横断的な4つの時代潮流」に「Society5.0」を組み込んだ意義を、ご答弁願いたいと思います。

≪部長≫ 「Society5.0」を「分野横断的な4つの時代潮流」に入れた理由でございます。もともと「分野横断的な4つの時代潮流」につきましては、単独の行政分野にとどまらず、幅広い分野に及ぶものを時代潮流と掲げております。その中でも、デジタル化の動きとして「Society5.0」を特に留意したものでございます。これは平成28年に閣議決定された「第5期科学技術基本計画」に初めて提唱された概念であると認識しております。

 様々な先端技術をあらゆる産業や社会生活に取り入れ、経済発展と共に人口減少などの社会課題の解決を図ることを実現するための手段でございますが、この重要性は特に「コロナウイルス感染症対策」におきまして一段と極まったと認識しております。こうしたことを踏まえて「分野横断的な時代潮流」に加えたものでございます・

【吉田】 少子高齢化、人口減少の時代でもありますし、産業構造の転換が余儀なくされている時でもある。また京都市財政が危機的状況に直面している。さきほどの質疑でも「墜落しないために、この1,2年が大事な正念場である」との認識を示されました。そうした中で市民の皆さんが、情報化社会の激流、奔流に取り残されてしまうような事があってはならない。こういう観点で政策提言をさせて頂きました。

 その意味で、本日は絞り込んで、「市民のいのちと暮らしを守る市役所の未来像」と言う視点で質疑いたします。この5年,10年を見すえると、福祉部門の事務の比重が物凄く重くなるというか、過度に高まる傾向にあるのではないかと思います。

 高齢化が進行し、高齢者が爆発的に増えていくし、その方々を支えるための行政サービスも飛躍的に増えていく。事務量も増えるのでスタッフの増員も今以上に必要となってきます。今でも市のスタッフの半分くらいが福祉分野で占めているような現状がある。このままではパンクしてしまうと懸念を抱かざるを得ない。だからこそ、オープンデータを駆使したデジタル化が喫緊の課題ではないでしょうか。

 同時に、「申請主義」から脱却する行政の在り方も、デジタル化の中でしっかり進めないといけないという事が言える訳であります。昨日のわが会派の曽我議員の代表質疑でも「マイナンバー」が不可欠であるという問題意識で議論したところです。デジタル化が進む中で、情報弱者の方が取り残されることの無いようにしていくという共通認識が大事になると。ネガティブな反対意見もあるかもわかりませんが、しかし、これからの市民のための未来像の中で、弱者に寄り添ったデジタル化を進めていかなければなりません。

 昨年の特別定額給付金の時、マイナンバーを使ってオンライン申請しても、受けた行政側は人海戦術でチェックとか書き込みとか入力をしなければならなかったという実態がありました。その点の反省もしっかりとしながら、今後のデジタル化を「e-区役所」への方向性へ進めて頂きたいと思いますが、いかがでしょうか。

≪部長≫ ご指摘頂きましたように、様々な視点、様々な面からも「行政のデジタル化」を進めていく事が非常に重要であると認識いたしております。本市におきましては、これまで「京都市高度情報化推進のための基本方針」を定めまして、これに基づき様々な業務に取り組んでまいりました。昨年11月にデジタル化戦略監のもと、分野横断的なプロジェクトチームを設置いたしまして、積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

【吉田】 昨年にデジタル化戦略監が就任されて、デジタル化プロジェクトチームも進んでいるという事ですけれども、現時点の状況と今後の課題はどのようにご認識されていますか。

≪部長≫ 現時点におきましては、行政手続きの更なるオンライン化に向けた現状がどうなっているかの把握でありますとか、書類への押印の見直しなどの作業を進めているところでございます。今後、国全体の「自治体トランスメーション」推進の取り組みと連携しながら、本格的な行政手続きのオンライン化に取り組んでまいりたいと考えてございます。

【吉田】 他都市のデジタル化や「Society5.0」の研究状況を調べますと、「産業構造の転換」に対応するとか、新しい経済の変化に対応するとか、産業や経済部門に特化して、その部署が専門的に対応されているケースが見受けられる中にあって、京都市は総合企画局が10年以上前から組織されて、司令塔として様々な政策を分野横断的に推進されている、いわばエンジンの役割を果たしている訳なんですよね。

 2月17日に、市長に政策提言を手渡して意見交換しました。局長も同席されていましたけれども、その時に私が市長に申し上げたのは、「京都市は他の都市よりも早くから、総合企画局が分野横断的な政策を推進している。デジタル化もそうでなければならない」との問題意識をお伝えしたのです。

 したがって、本日の資料に「産業転換」のページで「Society5.0」が言及されていますが、これに限定されて偏ることの無いようにしていかなければなりません。私が本日論じた「市役所の未来像」、すなわち市民サービスの向上であるとか、福祉・子育て支援あるいは防災や観光の推進のために、最新のイノベーションを活用する「Society5.0」の在り方に関して、総合企画局が局を超えてしっかりやって頂きたい。こう思うのですが、いかがですか。

≪部長≫ 「Society5.0」あるいはデジタル化についてでございます。ご指摘頂きましたとおり、本市におきましては、産業商業分野におけるICTの活用にとどまらず、その他もろもろの市民生活にかかわる部分まで、たとえばコミュニティでありますとか、農林業や観光といった分野におきましても、積極的にICTを導入する事を今回の計画で掲げています。各局とも連携しながら、そう言った取り組みを進めてまいりたいと考えてございます。

【吉田】 これから、デジタル化プロジェクトチームで、優秀な人材が活躍されることになると思います。この政策提言において言及させて頂きましたけれども、「産官学の連携」が大事であると。中でも特に若い世代の交流も必要になってくるのではないかと思います。従来の既成概念にとらわれずに、民間の良さと行政の責任の重さと、お互い活かしつつ補い合って、イノベーションを使いこなしていく方向性が、私は必要になってくるのではないかと思います。

 今、40代50代の「おっさん」と言われる世代の方々は、自分のスマホの設定でも四苦八苦して、子どもさんに頼ったりしている訳です。その人たちが職場においては、民間であっても市役所であっても、リーダー的な立場であったとしても、頭でわかっていても現実に、AIとかIOTとかは、なかなか自信も無いし、使いこなすという部分に関しては、理解した瞬間に次の時代に変化してしまっているかもわかりません。

 それぞれの部署に若手の方やICTに長けている方、また広い視野を持っている方はたくさんいらっしゃると思います。そういう方々の活躍する舞台を大事にして頂きたいですし、そういう方々が、学生や民間の人材との連携を進めていく上でのデジタル化の潮流への原動力となって頂けるような、そんな発想で進めて頂きたい。メモしたりコピーしたり連絡したり、こういう庶務も大事な仕事ではあるけれども、新しい時代のイノベーションは、生まれたときからデジタルに慣れている方々が活躍できるような、行政の未来像を志向しながら、デジタル化プロジェクトチームが核になって頂きたい。そういう方向性で進めて頂きたいと思いますが、最後にその点のご決意をお聞きして終わりたいと思います。

≪局長≫ 先日のご提言も、しっかりと政策に活かしてまいりたいと思います。ご指摘ありましたように、例えば産業部門のデジタル化も重要なんですけれども、市民生活の部門など市役所全体に係わるという事で、分野横断的な「時代潮流」として計画の中に位置付けておりますし、行政改革の大綱として、計画をどう進めていくかという中ですべての分野に係るものとして位置付けております。そして、その取りまとめを総合企画局でやっていくという事で、この基本計画をしっかりと進める中で、具体化をしてまいりたいと考えております。 

2021年2月市会本会議代表質疑

2021.02.25 (Thu)
令和3年2月25日、私・吉田たかおは京都市会本会議で公明党議員団を代表し、門川市長への質疑に立ちました。

20210225代表質疑

新型コロナとの未曽有に長期戦にあって、追及や糾弾に終始しない建設的な質疑を展開し、前向きな答弁を勝ち取ることが出来ました。下記に質問原稿と答弁(主旨)を掲載させて頂きます。

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伏見区選出の吉田孝雄です。公明党京都市会議員団を代表し、大道義知・曽我修両先輩議員に続いて質疑をいたします。市長並びに理事者におかれましては、誠意あるご答弁をお願いいたします。

まず、新型コロナに感染した方やご家族に心よりお見舞い申し上げます。また、医療従事者や介護従事者の方をはじめ、総てのエッセンシャルワーカーの皆さんに敬意を表し、感謝申し上げます。

【人間中心の新しい社会「Society5.0」について】
最初に、人間中心の新しい社会「Society5.0」について提案いたします。これは、公明党京都市会議員団が毎年発表している政策提言の本年度のテーマでございまして、「新型コロナウイルス感染症を乗り越え、京都市の更なる発展を目指して」とのサブタイトルを付して、今月17日に門川市長に提出いたしました。

「Society 5.0」とは、平成28年1月に閣議決定された「第5期科学技術基本計画」で我が国が目指すべき未来社会の姿として提唱されたコンセプトであり、現実の空間とクラウドなどのサイバー空間を高度に融合させたシステムによって、経済の発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会を実現するというものです。

アメリカの未来学者アルビン・トフラーは、『第三の波』で人類の歴史は3つの技術革新の波によって発展したと解説しました。約1万5千年前の農業革命によって、第1の狩猟社会から第2の農耕社会へ、19世紀の産業革命によって第3の工業社会へ、そして戦後の脱産業化の第3の波による情報革命が高度情報化社会に発展させたというものです。

そして、21世紀。我が国が直面する様々な課題を克服する「新たな価値の創造」が時代の閉塞感を打ち破るキーワードであると位置づけ、人間中心の社会「Society5.0」のグランドデザインが打ち出されました。

コロナ禍で新しい生活様式への転換が模索される中、誰ひとり取り残さないSDGsの理念を基調とした経済や社会活動が重要となっています。人工知能やIoT、ビックデータなどをあらゆる産業や社会に取り入れることによって実現する未来社会では、AIの活用により必要な情報が必要な時に提供されるようになり、ロボットや自動運転など最先端の技術で、少子高齢化、地方の過疎化などの課題を解決することにつながると考えられており、1人1人が希望を持って活躍し、世代を超えて互いに尊重し合あえる共生社会が展望されるのです。

私たち公明党議員団は、総ての市民が豊かな暮らしを実現する人間中心の新しい社会「Society5.0」の実現に向けた政策を提言するべく、国の基本計画や成長戦略、世界の先進事例を学んだほか、大学教授とのオンライン会議や若い研究者たちとのディスカッションを重ねてまいりました。
 
また、9月市会と11月市会で川嶋議員と平山議員がデジタル化推進を求める質疑を展開。デジタル化戦略監をトップとした全庁横断のプロジェクトチームの発足と職員採用などの体制整備など、着実な前進を後押ししてきました。

今回の提言は大きく4点あります。提言1では、誰ひとり取り残さない「Society5.0」のため情報弱者やデジタル弱者と言われる方への視点を忘れない意識改革と人材育成を、提言2では市民の暮らしに資するため、情報インフラの整備や申請主義から脱却するデジタル化の拡充、最新技術を駆使した高齢者支援や医療サービス、災害対策向上などを提案しました。

提言3は京都市の歴史的・文化的価値を未来に引き継ぐためのデータベース化とオープンデータ化の推進を提起し、提言4は京都の強みを活かした産官学の人材と技術のシェアリング、業種の垣根を超えた中小企業間のマッチングなどの具体策を提案しました。

財政危機と新型コロナという2つの極めて重大な危機に直面している今こそ、未来に希望の持てるビジョンに裏付けられた政策を力強く進め、市民の皆様との協働を加速していかなければなりません。今回のSociety5.0の実現に向けた提言で提案した政策を取り入れて、新たな価値を創造する持続可能なまちづくりに邁進して頂きたい。市長のご決意をお聞かせください。

≪門川市長答弁≫(主旨)
頂いた政策提言をすべて読み、大いに賛同した。今後10年を決する基本計画にも「Society5.0」を盛り込んでいる。具体的提言を1つ1つ政策に活かしてまいりたい。
  
【新型コロナウイルス感染症に関する法整備】
次に、新型コロナウイルス感染症に関する法整備についてお聞きします。2月3日、いわゆる改正特措法などコロナ関連法が可決成立しました。新型コロナ対策の実効性を高めるため、緊急事態宣言の前段階として「まん延防止等重点措置」を新設すると共に、営業時間短縮の命令や入院措置に応じない場合に過料を科す内容です。

公明党は、時短を求められる事業者に財政上の支援を義務付けた点と、国と自治体間での情報連携の義務化や宿泊・自宅療養の法的根拠を明確にしたことを評価し賛成しました。

苦渋の決断を余儀なくされる飲食店や周辺の事業者から深刻な声が寄せられ、市民の反応も賛否両論に分れています。私は、コロナとの戦いの正念場を迎えた今、責任の追及や糾弾に終始するのではなく、心を合わせて励まし合い、知恵を出し合っていく姿勢が大事だと思います。

この1年間、多くの自治体で、行政と市民、事業者がお互いの責務を果たし、感染拡大防止に協力する条例が制定されています。一般財団法人地方自治研究機構によると、新型コロナウイルス感染症に関する条例は本年2月9日時点で 東京都や千葉県、愛知県など都県が12条例、名古屋市と千葉市、2つの政令市を含む40の市町村条例、合わせて52条例が制定されました。

海水浴場のマナー向上を呼び掛ける神奈川県逗子市、観光客に協力を求める京丹後市や沖縄県石垣市など、地域の実情を反映した条例もありますが、ほとんどが市民ぐるみで協力する感染拡大防止を規定すると共に、感染症患者や医療従事者の人権を擁護し、誹謗中傷など不当な差別を禁止しています。

また、千葉県流山市や愛知県半田市など9自治体の条例が議員提案であり、そのうち7条例が「議会の責務」を規定しています。愛知県豊橋市の「コロナ禍からみんなで豊橋のまちを守る条例」のようにネーミングに工夫を凝らしている自治体もあります。

昨年の早い時期に大学生や医療機関のクラスターを経験した京都市は、国や府と連携した様々な施策を推進し、7度にわたる補正予算を組んで、感染した方やご家族、医療機関や介護・児童施設、中小企業や文化芸術従事者、学生などへの支援を重ねてきました。しかしながら、戸惑いや不安を払拭できているとは言えません。

だからこそ、特措法が施行された今のこの段階で、市民ぐるみで困難を乗り越えるとの思いを目に見える形で示す、京都ならではの新型コロナ条例を検討してはいかがでしょうか。

市の施策推進と情報発信の充実を明記するほか、市民や事業者に感染防止の努力と人権擁護の促進に努めて頂くことを規定する条例となるよう、パブリックコメント等で広く意見を募集し、市民の声を結集することは大きな意義があると思います。

新型コロナ感染症対策に市民協働で取り組み、実効力を発揮する条例の制定に向け、幅広い世代の市民に協力を呼びかけていくべきと考えますがいかがでしょうか。ご答弁を求めます。 

≪門川市長答弁≫(主旨)
市民ぐるみで新型コロナ感染防止を徹底し、スピード感を持って状況の変化に対応することは重要。条例についても、真剣に検討してまいりたい。 
  
20210225代表質疑正面
 
【コロナ禍の虐待問題】
次に、コロナ禍の虐待問題についてお伺いします。緊急事態宣言が発出された翌日の1月14日、公明党議員団は「第3次緊急要望」を提出させて頂きました。市民の皆様から寄せて頂いた声を精査して、緊急性のある重要な16項目を要望しましたが、その中に「家庭での虐待防止」は外せないと判断し、盛り込んだものです。

ここ数年、全国で児童虐待の痛ましい事件が報道されています。本市でも令和元年度の通告件数は2,693件、認定件数2,051件とのことで、6年前の約2倍の数値であり過去最多とお聞きしています。

また、最近では障がい者への虐待や高齢者虐待の事件も増えています。本市においても、高齢者虐待の認定件数は元年度479件、平成30年度474件と横ばいではありますが、25年度の315件と比べると1.5倍となっています。障害者虐待は施設内の暴行事件などが報道されているものの、実際は同居家族からの虐待が圧倒的に多いのが特徴です。

今、コロナ禍で社会的孤立が深刻化する中、これら虐待事案が増加しているのではないかと心配されています。担当者に聞くと、今年度の集計はできていないが、現時点では通告数は例年と変わらないとの報告でありました。しかし、私は児童虐待をはじめ家族からの虐待は「目に見えない」ものであり、アンテナを張り巡らせないと見過ごしてしまうと懸念しています。

現在、2回目の緊急事態宣言が発出され、在宅のリモートワークなどが増える状況にありますが、深刻なのは雇い止めなどで仕事をしたくてもできない方が少なくないことです。「ステイホーム」で外出できず、密閉された中で生活せざるを得ない状況が続き、お互いが気を遣っています。

誰もが疲れ、緊張の限界がきているのでないでしょうか。虐待を早期に発見し、スムーズな対応を進めるには、いち早く小さなサインに気づき、情報を共有して具体的行動を重ねるという、「連携と協働」の仕組みを確立し拡充することが大事だと思います。

同時に、保護者や介護者など虐待をしてしまう側への支援も重要です。現場の最前線として区役所や福祉事務所、はぐくみ室、児童相談所を核にした、地域ぐるみで「社会的孤立」を防止する活動が大事です。当事者や周囲の方に寄り添った経験から言えることは、揺れ動く心を理解し不安に寄り添ってくれる人たちの存在が極めて重要であるという事実です。

この数年で積み重ねられたノウハウに加え、コロナ禍の中での相談実績も重ねられて、各機関のスタッフや地域の皆さんも、問題意識を共有されています。ぜひ相互の連携を深め、検証を重ねて、きめ細かな血の通った「システム」を機能して頂きたい。

そこで提案します。児童虐待に限定せずに高齢者虐待や障がい者虐待のカテゴリーを「虐待」という括りで融合し、行政と地域の協働で 市民ぐるみの取り組みを加速するため、仮称「虐待対策プロジェクトチーム」の設置を検討してはどうでしょうか。

愛媛県や埼玉県、大阪府藤井寺市、千葉県松戸市など8つの自治体でトータルな虐待防止条例が施行されています。また、千葉県ふっつ(富津)市ではDVと虐待対策の総合的な基本計画を、平成31年3月に策定しました。本市でも参考になるのではないでしょうか。政府も今月19日に社会的孤立防止のため対策室を新設しました。

コロナ禍の虐待問題を継続的・総合的な視点で取り組む基本計画や条例を検討すると共に、全庁横断の虐待対策プロジェクトチームを組織するなど、心の通った市民ぐるみの活動を推進して頂きたい。いかがでしょうか。ご答弁を求めます。
 
≪村上副市長答弁≫(主旨)
コロナ禍で虐待の潜在化が懸念される中、わずかなサインを見逃さないため、市民ぐるみのネットワークを構築し、早期に適切な対応ができる取り組みを推進してまいりたい。 
  
【新時代の学校教育】
最後に、令和新時代の学校教育についてお聞きします。コロナ禍にあって、学校現場は過去に例を見ない様々な困難に直面しました。学校再開後の授業の遅れを取り戻すリカバリー、部活動や各種行事の工夫など、言葉に尽くせない苦労の連続だったと思います。特に連日の感染拡大防止対策や、夏の熱中症対策は、未来に可能性を持つ青少年の生命を預かる、ギリギリの攻防戦であったと、心から敬意を表します。

そんな中、長期ビジョンで準備を進めてきた「GIGAスクール構想」は、子どもたちを誰ひとり取り残すことなく育成する教育環境のため、最先端のICT技術を活用した通信ネットワーク整備事業であり、公明党が国と地方の草の根ネットワークで実現に向けて尽力してきました。本市では今年度中に、総ての小中学校や総合支援学校の児童生徒に1人1台のタブレット端末を配備するとともに、校内ネットワークが高速大容量化されます。そして、来年度以降の本格活用に向け、52のモデル校でデジタルドリルの活用がスタートするなど、段階を踏まえた取り組みが重ねられているところです。

大阪府寝屋川市が全国に先駆けて導入したオンライン授業について、地元の議員さんにお聞きしたところ、新型コロナ感染を危惧する児童が登校せずに自宅で授業を受けるケースは、ほとんど無いものの、「選択肢」の存在が安心感を提供するという効果があったとのことでした。より重要なのは、不登校や長期入院の子どもへの「ライブ配信」が高く評価されている事実です。長年の懸案に対する大きな前進につながったと伺いました。研究に値する事例ではないでしょうか。

ICT技術を活用する最先端の教育を推進する上で課題となるのは、教員のスキル向上への支援だと思います。若手と比べて、ベテランの先生方が不安をお持ちだと推測します。

ICTの知識やスキルの向上に向けた教員へのきめ細かな支援が重要です。子どもたちのネットリテラシー教育も前進しなければなりません。先ほど申し上げた他都市の先行事例の研究も十分に行なったうえで、これらの充実を求めますがいかがでしょうか。

あわせて、少人数学級と教科担任制、部活動の3つの課題を取り上げたいと思います。いずれも、教員の負担を軽減する働き方改革という観点から注目されていますが、私は子どもたちの成長にとっても極めて大きな可能性を持つと考えています。

少人数学級については、公明党議員団が毎年の予算編成への要望で繰り返し求めていましたが、これに応えて本市では、平成15年度に小学1年生に導入した35人学級を翌年から2年生に拡大。19年度から中学3年生の30人学級を市単独で実施に踏み切っていました。今年1月、萩生田文部科学大臣は公明党の強い申し入れを受け止め、5年計画での「全小学校の35人学級実現」を正式に決定しました。今後のタイムテーブルに基づく着実な推進が求められます。

また、小学校の学級担任以外の教員が担当する専科指導は、本市では非常勤のスクールサポーターが全ての小学校で導入されています。常勤の専科指導教員は、72校で配置されていますが、先月の中教審で令和4年度を目途に高学年で本格的に導入すべきと答申されており、期待が高まっています。

部活動については、少子化による競技人口の減少を受け、学校単位の大会参加の在り方が見直されている中、顧問を担う教員の負担軽減が課題となっています。本市では市独自のガイドラインを作成し、部活動支援員の配置や外部コーチの派遣事業などを実施しており、今後もより一層、地域と連携した充実がカギとなると考えます。
 
新しい時代の重要課題である少人数学級と専科指導、部活動について、国の動向と連動した大胆かつ緻密な手を打って学校現場を活性化して頂きたい。京都の未来を拓く施策推進への決意と展望をお聞かせください。以上で私の質疑を終わります。ご清聴ありがとうございました。
 
≪在田教育長答弁≫(主旨)
来年度から、全校にGIGAスクール推進委員会を設置し、ICT環境を活用して様々な課題を掲げる子どもたちの実態に応じたきめ細かな教育を進めたい。少人数学級や部活動の実践研究を試行実施し、学校現場の活性化を充実してまいりたい。   

教育福祉委員会質疑「コロナ禍の児童虐待問題」

2021.02.03 (Wed)
1月27日の教育福祉委員会で、保健福祉局への「自宅療養者支援」等の質疑に続いて、子ども若者はぐくみ局に「児童虐待問題」について質疑しました。先日の保健福祉局への質疑と同じく、今回も“文字起こし”して採録します。長文ですが是非お読みください。

20210127委員会質疑
 
なお、京都市会HPのインターネット録画中継にアップされていますので、ご関心ある方はぜひご視聴ください。

京都市会教育福祉委員会動画をクリックしてください。冒頭から約12分間です。 

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【吉田】よろしくお願いいたします。1月14日、緊急事態宣言発出の翌日に公明党京都市会議員団が、門川市長に「緊急要望」を提出させて頂きました。市民の皆様から寄せて頂いた声を議員団で精査して、緊急性のある重要なものを取捨選択させて頂いて、絞り込んで16項目の要望を提出しましたが、その中でこの「児童虐待問題」は外せないだろうという事で、市長に取り組みの強化をお願いいたしました。

 今、コロナ禍で実際に虐待事案が増加しているのだろうかと心配する声があります。局からの報告によると、昨年の秋の段階における集計では「過去最大」を更新しているとのことですけれども、実態はどうなのか。どのように分析しているのか、この点をご答弁願います。

≪児童センター院長≫ 毎年の夏あるいは秋に、前年度の状況を広報発表させて頂いています。年々増加の傾向を呈していると発表させて頂きました。コロナの感染拡大に伴いまして、緊急事態宣言による外出自粛、臨時休校、保育園の登園自粛などで、子どもたちの生活も大きな変化があったところでございます。今年度に入ってからの「児童虐待」の相談通告の状況を見ますと、昨年度に比べると大きな増減は無かったということでございます。

【吉田】1年近く前、緊急事態宣言が発令されて、春休みが延長されたということで、長期の学校休校がありました。保育園などは保護者が働いておられる等のご事情もあるので、引き続き開園されたという状況があった。そうすると、同じ家族の中でお兄ちゃんやお姉ちゃんが休みだが、下のお子さんは保育園に行かれているというご家庭があった訳です。

 それぞれの世代が、お互いが緊張して、気を遣って、自粛されて、「ステイホーム」で外出せず、密閉された中で生活せざるを得なかった。友達と遊ぶことも自粛したり、たまに外で遊んでも近所の人からの視線に晒されるような事にも耐えていたという状況にあった。その後、夏から秋にかけて学校の再開や経済活動再起動などの動きが色々とあった訳ですよね。ところが、年明けにまた緊急事態宣言という状況になった。

 何が言いたいかと申しますと、子どもたちも親も、緊張状態が続いて限界がきているのでないかという事なのです。ストレスも、リミットを超えているのではないかと。そういう時期に来ているのでないかと心配をしているのであります。ですから、「緩んでいる」とかの批判がありますが、そうではなく、逆に「疲れている」から、いろんな問題が起こってきているのではないか、こう思う訳なんです。

 「昨年の春と同じような自粛は、とてもじゃないが無理なんだ」とか、「あの時もそんなに大きな問題は起こらなかった」とか、いろんな言い分もありますよね。そういう事も踏まえて、各ご家庭の様々な問題を見すえて分析して、対応していくことが行政に求められているのではないかと思います。すなわち、「水面下で深刻な状況が進行している」という危機意識を持って対応する必要があると思います。

 ストレスが充満する中で、虐待事案に気づいて早期に対応することが、子どもたちの命を守ることに直結します。子どもの心が壊れたり閉ざされる重大な問題のためにも、学校や園の「気づき」と「通報」および「連携体制」が大事になると思いますが、この点について今どのようにお考えでしょうか。

≪部長≫ ご指摘の通り、コロナ禍におきまして全てのご家庭の緊張感が高まっている状況にあると思われまして、支援が重要であるという認識でございます。これまでも「産後うつ」予防であるとか、家庭訪問やヘルパー派遣などの事業で、精神的な負担の軽減を図ってきたところでございます。加えまして、まさに「気づき」と、そこからの「対応」が重要であると認識してございます。

 前回とは違い、今回の緊急事態は学校の一斉休校はございませんが、不要不急の外出への自粛要請が行われる中で、いかにアンテナを張っていくかが重要であり、学校と保育園や幼稚園、児童館や学童等で見守って頂きまして、何か問題があれば児童相談所あるいは各区役所の「はぐくみ室」にご相談いただくよう、依頼をしているところでございます。また、そういった中で、各関係機関が連携することが大切だと思っており、しっかり取り組んでまいります。

【吉田】この何年間で積み重ねられたノウハウがあると思います。また、コロナ禍のなかでの相談実績も重ねられていると思います。それぞれの機関における職員やスタッフ、その周りの地域の皆さんも、それぞれ経験があり、問題意識を共有されていると思います。ぜひ、これまで培ってきたことを踏まえて連携を深め、また検証を重ねて、システムが機能していくようお願いしたい。それをコーディネートする行政の重要性を指摘したいと思います。

 同時に、虐待をしてしまう側の保護者への支援も、より重要になると思います。これに就いては、局を超えた連携が大事でして、区役所や区の福祉事務所を核にした、地域ぐるみで「孤立させない」活動が大事になってきます。大きな事件が起こってニュースになったら、市民の関心が高まって様々に取り組まれたとしても、やがて熱が少しずつ沈静化して醒めてしまう。一気に盛り上がっても、継続性に問題があると言えます。これはやむを得ない部分があると思います。だからこそ、行政間の連携、すなわち庁内の部局の連携だけでなく、市を超えた自治体間の情報交換をするという姿勢をお願いしたい。

 その上で申し上げたいのは、「児童虐待」に限定せずに「高齢者虐待」や「障がい者虐待」という多世代ではあるが「虐待」という括りで、市民ぐるみの対策を練っている自治体もあると聞いております。それを参考にした取り組みも必要ではないかということでございます。

 いずれにしても、これからも様々な報告が入ってきて、2020年度の実情はどうだったのか、分析されるタイミングかと思います。今の質疑でお願いした「連携」を踏まえて、しっかり進めて頂きたい。これが、私どもに寄せられた様々な市民の声を重く受け止めた意見であると申し上げたいと思います。この点についてのご答弁をお願いします。

≪院長≫ いつの時代にも、「児童虐待」の背景には、人間関係の希薄化が影響していると、日ごろ感じているところでございます。やはり、今ご紹介の「地域ぐるみ」の関係、あるいは子どもたちが所属している学校や保育園、そういった関係機関が「小さなサイン」に気づいて、それを大人たちが共有して対応していくシステムが大事になってくると思います。また、虐待をしてしまった家庭についても、引き続き関係機関で情報共有しておりますので、なんらかの小さな変化にもしっかり対応していけるようしてまいりたいと思います。

教育福祉委員会質疑「コロナ禍の自宅療養者や生活困窮者支援」

2021.01.31 (Sun)
1月13日に事情事態宣言が発出され、感染者の拡大が続いている中、公明党市会議員団は門川市長に「第3次緊急要望」を提出するとともに、常任委員会で積極的に議論を重ねています。

20210114緊急要望1
 
1月27日の教育福祉委員会で「自宅療養者」「自宅待機者」および「生活困窮者」への支援を質疑しました。重要なので「文字起こし」してまとめましたので、長文ですが是非お読みください。

20210127委員会質疑
 
なお、京都市会HPのインターネット録画中継にアップされていますので、ご関心ある方はぜひご視聴ください。

1時間38分10秒から1時間53分38秒の間です。

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【吉田】 「自宅療養者」「自宅待機者」の方への支援についてお聞きします。先ほど来の質疑でもありましたように、現在コロナ禍で陽性確認されて入院されている方が280名、施設等に入所されている方140名で合計420名。これが全体の20%。これに対して、様々な要因で入院できず自宅で療養されている方は830名で、調整中の方を含めると全体の80%とのご説明でありました。これらの方々へのケアをしっかりと進めていくと共に、施設入所を拡大していくとの答弁があったと認識しています。私はこれを非常に重く受け止めています。

 私どものもとにも、80代の基礎疾患がある方が38度を超える発熱が続いているにもかかわらず、毎日の連絡はあるにせよ2週間も入院できず待機を余儀なくされた事例が報告されています。この期間中どんな不安な思いでおられたか、胸が潰れる気持ちとなりました。近所の方もご親戚も、高齢者ということでお世話したくてもできない、満足なコンタクトがとれない中、2週間以上を過ごさざるを得なかった訳です。ニュースでも死亡された事例が報じられました。極めて重大に受け止めなければならないと思っています。そこでお聞きします。自宅療養者や待機されている千人を超える方の中で、独居高齢者の方は何人おられますか。

≪室長≫ 申し訳ありませんが、独居高齢者の数字は、現在、持ち合わせておりません。
 
【吉田】 府が管理しているのですか。そうであれば府と連携して、ケアするべき実態を把握して手を打つ必要があると思いますが、いかがですか。

≪室長≫ 独居高齢者や基礎疾患のある方の身体状況や生活状況は、総てわれわれ京都市が聞き取りして把握して、医療センターに送っている状況でございます。
 
【吉田】 聞き取りされて、定期的に連絡を取っているのが京都市である。にもかかわらず現時点で独居高齢者の数は正確にはわかっていない。これは、自宅で不安な中を過ごさなければならない方やその周りの方々の気持ちを考えると、市民意識と乖離していると心配をせざるを得ない。どうですか、今後しっかり把握してケアを進めていかなければならないと思いますが、いかがですか。

≪室長≫ 入院が必要な中で待機中の方には毎日お声がけしているところです。われわれがモニタリングしている方の数は概略100から200人と認識しているところでございます。
 
【吉田】 その中では、病状が重くなったり急変する可能性が極めて高い訳です。50代60代の働き盛りでも衰弱して重症化される方も多い中で、高齢者や基礎疾患がある方はもっと大変じゃないですか。そこを言いたいのです。きめ細かなケアをしっかりしないといけないと思います。

 その上で次にお聞きしたいのは、検査の結果、陰性とされたけれども同居家族が陽性であったり、その他の理由で濃厚接触者となっている方も、2週間、仕事を休まざるを得ないとか自由に外出できないとか、以前と比べると遥かに不自由で緊張を強いられる生活を余儀なくされます。そのような濃厚接触者の方の数や、それらの方へのケアはどのようにされているのか、いかがですか。

≪室長≫ いわゆる濃厚接触者の方へは、特定した時点で生活上の注意をお願いしているところでございます。検査の結果陰性であっても2週間は健康観察期間ですから、できるだけ人に接触しないことなど、生活上の諸注意をお願いして、たとえば症状が出てきたようなことがあれば、すぐに連絡をしていただき、われわれが用意しています専用外来につないで診療検査をしていただくというような仕組みを作っているところでございます。ただ、数につきましては把握をしておりません。
 
20210127委員会質疑アップ
 
【吉田】 1人1人に光を当てて、個々の状況を把握して、きめ細かく、顔を思い浮かべながら対応するのが理想ですけれども、現実は不可能に近いのは理解できます。なんとかそれに近い対応をしていただく必要があると思います。これは、陽性の診断を受けて自宅で待機せざるを得ない方々からのSOS、悲鳴のような声を実際に受けた感想でもあります。

 もう1つは、濃厚接触者です。体はぴんぴんしていて症状も全く無いけれども、今までと同じ活動をすれば周囲に感染を拡大してしまうと自覚せざるを得ない方々が、本人もご家族も大変な息苦しい不安な思いをされておられる。こういう声も様々に寄せられているんです。

 実際に、これもあれもと、100%をやれと言うつもりもないし、市民の方々もそこまで求めておられない。けれども、今のままではいかがなものかと申し上げたいのです。例えば、医療相談センターなどは、なかなかつながらないと聞きます。府の機関も、市の保健所も、心当たりを片っ端からかけてもつながらない。ほかの人から教わったところにかけてもつながらないと。いろいろあって混乱もするし、不満や不安のうえに、つながらないストレスが溜まる一方だというのですね。

 そういうこともあり、緊急事態宣言の翌日、1月14日に公明党京都市会議員団で「緊急要望」を市長に提出した際に、この点を盛り込ませていただきました。安部担当局長も同席されていました。ぜひ、このつながりにくい問題に対する対応は、しっかり進めて頂きたいですし、特に限りなく増えている「自宅待機者」の方、「自宅療養者」の方への”ホットライン”を考えていく必要があると思います。その場に同席しておられた安部局長は、どのようにお考えですか。

≪局長≫ 「自宅療養者」の方は、今ご指摘ありました通り2週間の自宅待機を余儀なくされるということで、とりわけ自分が感染しているのではないかという不安の中で、ご指摘のお声は重く受け止めなければならないと思っております。

 12月から感染者が拡大して、それまでは入院コントロールセンターである意味うまく機能していたと思うのですが、それがなかなか立ち行かなくなってきて、「自宅療養者」が増えてきているという状況に対して、私どもも何とかしなければいけないとの思いは常々持っているところでございます。ただ、先生のお言葉にありましたとおり、保健所の体制も相当厳しい状況になっている中で、積極的疫学調査をかろうじてこれまで通りやれている状況でございます。

 そういった中で、何ができるのかという事で、京都府と協議をする中で、昨日のパルスオキシメータ貸与や食事提供の話ですとか、宿泊場所の提供ですとか、様々なことはできることから、しっかりやっていこうと思っておりますし、「自宅療養者」につきましては保健所から一定の状況確認もさせて頂いており、そういったことを継続していきながらということでございますので、相談については対応できれば良いのですが、それによって限られた人材が手を取られて、結局は調査に影響を及ぼしてしまうと、逆に感染拡大につながってしまうということもございます。そういったジレンマの中で業務をしている状況でございます。可能な限り、やれることをやっていきたいと思っていますが、逆に限界もあるという事をご理解いただければなあと思っております。

【吉田】 一昨日、また本日の国会での予算員会質疑で、公明党の議員がパルスオキシメータや食糧支援を提案し、具体的答弁につながり、その積み重ねの中で京都府も専決で今月末までの実施が決まっているところでございます。府の中で最も患者の多い、また「自宅待機者」が多い京都市でしっかり進めて、連携を取っていただきたいと思います。

 一昨日の国会質疑で、「オンライン診療」の提案がありまして、国と自治体で検討しますとのやり取りがありました。この「オンライン診療」は、コロナ禍の中での長期戦で医療崩壊を防ぐための様々なギリギリのせめぎ合いの中での、1つの可能性としてクローズアップされてくる訳ですが、この点に関してどのようなご見解ですか。

≪室長≫ コロナ禍の中で「オンライン診療」への規制が、昨年の夏に緩和されたことがございまして、初診から「オンライン診療」ができるという仕組みになってきている訳でございます。その場合でも、何かあって時には直ちに駆け付けられる体制をとっていなければダメということがあります。そのあたりが普及の1つの大きな壁になってきているところでございます。
 
 止むにやまれずにやるというものであると思うのですが、必要な方に医療を届けるということで、やっていく必要はあるのかなと思っております。特にコロナで足止めをされている際に、待機中に基礎疾患を持っている方の中には薬がもらえないケースもあります。その場合にかかりつけの主治医とオンライン診療などができるのかと思っております。できる限り活用するよう、話を進めていきたいと考えています。

【吉田】 「オンライン診療」は限られている部分がありますし、今の枠組みの中でとのご答弁でありましたけれども、将来的にはその枠組みをどう拡げていくのかという見通しを視野に入れて、行政でプランニングして頂きたいと思います。また、「自宅待機者」「自宅療養者」の方々への「ガイドライン」についても、必要性があるとの声が我々のもとにも届いておりますので、ぜひご検討をお願いします。
 
 次に、「生活困窮者」への支援についてです。時間があまり無いので要望にとどめます。先週に公明党が国会で「生活困窮者支援の緊急提言」を政府に提出させていただきました。その中で「生活保護」が期間限定で受給できることを知らない方がおられるので、コロナ禍が収まったら社会復帰するので一時的な支援を求めることが可能であることの周知徹底をお願いしました。そういう方々には「扶養照会」や自動車の保有制限などの大きく立ちはだかっていた壁を、何とか緩和することを進めて頂きたいという事を申し入れています。京都市もしっかりと頑張って頂きたいと存じます。以上です。 
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