吉田たかおのよしだッシュブログ

京都市会議員 (公明党)・吉田孝雄が日々感じたことを綴ります。

9月議会代表質問

2011.10.05 (Wed)
10月5日、私・吉田たかおは京都市会本会議場で代表質問に立ちました。

“行動する政策創造集団”として、地域に根を張った草の根ネットワークで集約した、生活実感にあふれた政策課題を取り上げたのです。

嬉しいことに、門川市長はじめ理事者から前向きな答弁を勝ち取ることができました。

市民生活にとって重要な提言であることを証明できたものと、確信しています。これからも現場第一主義でダッシュしてまいります。

下記に質問原稿を掲載させていただきます。22分間の長い文章で恐縮ですが、関心のある方はお読みください。

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京都市会9月定例会一般質問(吉田孝雄) 

上京区の吉田孝雄でございます。

3.11東日本大震災を経て、日本は「震災の後」すなわち「災後」という新しい時代の節目に突入しました。今「防災」から「減災」へ―。自治体の総合的な危機管理能力が問われています。

地域ぐるみで支えあい、心と心をつないで励ましあう街づくりに貢献するとの決意を込め、公明党議員団を代表して質問いたします。市長ならびに関係理事者におかれましては、誠意あるご答弁をお願いいたします。

≪災害時の要援護者支援について≫
まず、災害時の要援護者の支援についてお聞きします。無縁社会といわれ孤独死が増加している今、独居高齢者・要介護者・障がい者など「要援護者」といわれる方々に対する日常的な支援体制が喫緊の課題となっています。

京都市として現在行なっている地域見守りサポーター事業などのきめ細かな施策は、全国に先駆けた自助・共助の先進事例として他都市も注目しているほどであり、いっそうの拡充を求めるものです。

こうしたなか、京都市は、災害時の要援護者対策として、約4万人分の災害時要援護者名簿を作成し、3ヶ月に1度最新データに更新しているとのことです。ただ、要援護者の方々の名簿を地域ぐるみで情報共有するべきかどうかという点については、個人情報保護の問題があり、文字通り賛否両論の状態です。

個人情報が悪用されるのではないかという心配から、名簿に記載されることを拒否する人が多いとお聞きしますし、町内会長や民生委員・老人福祉委員の方々も、いくら近所の人の情報といっても、自身が名簿を保管することに違和感をもつ人も多いとのこと。

このようなことから京都市では、この名簿を各区役所や消防局に共通データとして保管し、一旦火急になれば各区役所から自主防災組織を経由して各町内に渡るよう、マニュアル化されています。

しかしながら、災害時・特に直下型地震など巨大災害の時には、これらの方々は「災害弱者」に位置付けられ、最優先で救出し避難誘導しなければなりません。

そのためにも、要援護者情報の管理と活用は重要であり、セキュリティーにも力を入れた最新の技術を駆使していかなければならないのですが、ここで危惧するのは、これらのデータが「紙ベース」であるという点です。

直下型地震に見舞われ、現場が大混乱に陥った時、紙の名簿が不測の事態に対応できるでしょうか。まして、庁舎が破壊され名簿自体が失われてしまえばどうなるのか。今回の震災で、多くの自治体が物理的なダメージで機能不全に陥った事実を、重く受け止める必要があると考えます。

72時間以内が限度と言われる緊急救命活動に間に合い、かつ避難誘導や避難所での掌握作業に効果を発揮するためにも、要援護者名簿を「紙ベース」だけの管理から、一歩すすめていくべきではないでしょうか。その意味でも、要援護者の情報をはじめ、災害時に必要とされる様々な情報をデータ化し、防災力を高める必要があると申し上げるものです。

今、自治体クラウドが注目され、各地で開催されるセミナーには多くの関係者が参加しておられます。私も東京や大阪まで出かけ、研さんに励みました。

東京大学大学院の須藤修教授によりますと、デンマークや米国のサンフランシスコ、フロリダ等の自治体では、電子地図を活用した専用システムが構築され、各地域の住民情報をデジタルデータベース化し、頑丈なデータセンターの大型サーバで一括管理しているとのことです。

この「クラウド」方式によって、ワンストップで住民が必要な証明書の交付を受けたり、急病患者の搬送をより容易にできたりする、いわゆる「電子自治体」が促進されることは間違いありません。

「クラウド」で一括のデータ管理が実現すれば、東日本大震災で総合病院や町の医院などで別々に管理されていたカルテが流され、失われてしまったという被害も、未然に防ぐことができるのです。

いまだに多くの被災自治体で罹災証明書手続きの長蛇の列が解消されず、義援金さえも行き渡っていない現実を直視したとき、データを一括管理して情報を共有する重要性は誰もが認めるところでしょう。

ただ、電子自治体を軌道に乗せるには膨大な時間がかかることは承知しています。そこで、まず第1段階として、災害時の要援護者名簿をデジタル化し、本庁と各区役所、消防局で共有し連動してはどうかと申し上げたい。

名古屋市も、平成12年の東海豪雨を契機に5年ごしでシステムを構築し、要援護者24万人のデータを電子地図と連動させ、迅速な安否確認に生かす体制を整えておられるとのことです。静岡県はアメリカの企業と共同開発し、先月よりクラウド方式の災害情報システムをスタートさせています。

本市においても、要援護者名簿を地図に組み込む仕組みを導入するとともに、現在の防災情報システムと連動させて、災害時には市・各区・各消防署が司令塔としてリアルタイムで活用できるよう、クラウド方式による一元管理を進めるべきではないでしょうか。

本年7月に実施された市民総合アンケートで、「行政だけでなく地域でも、情報を把握しておくことが望ましい」と答えた方が、71.3%おられました。

日常的な見守りを推進するため、今議会で提出された補正予算に、高齢者の介護・医療・福祉サービスの情報を一元管理するネットワークシステムの開発費が盛り込まれています。これを、今後大いに活用していただきたいと思います。

一方で、16.3%の方が、「日ごろは行政が情報を把握し、地域は災害時に限って提供受けることが望ましい」と答えられており、自治体の情報管理はきわめて重要であります。

将来の電子自治体への第一歩として、災害時要援護者名簿をデジタル化し、ネットワークでデータを一括管理する「クラウド方式」を導入し、地域の防災力を高める取組を推進するべきと考えますが、いかがでしょうか。市長のご所見をお伺いします。 

≪ゲリラ豪雨への対策について≫
次に、いわゆるゲリラ豪雨への対策についてお尋ねします。

市民の命と生活を脅かす災害は地震に限りません。先月、西日本に大きな爪痕を残した台風12号に代表される水害への対策も焦眉の急であります。

ここ数年、従来の集中豪雨とタイプの異なる予測困難な局地的豪雨が「ゲリラ豪雨」と名付けられ、大きな被害をもたらしています。一般に、都市部の下水は1時間に50から60mm程度の最大降水量を想定しているため、これを超える雨量では短時間であっても処理しきれずに都市型の洪水を引き起こすと言われています。

ゲリラ豪雨の被害を少なくする、いわゆる「減災」の対策としては、公共施設等の貯留浸透施設の整備や溜め池の改良、住宅の貯留タンクの普及促進、各家庭のトイレや風呂の排水体制の充実、下水管や貯水池等の拡充などのハード整備とともに、気象レーダー網の整備やGPS機能を応用するなど監視体制の強化、素早い情報収集と分析体制の確立が急がれています。

なかでも、地下鉄や地下街が多い大都市では、地上が冠水すると一気に地下に流れ込む為、被害が拡大すると言われています。

平成11年の福岡市大水害では、博多駅の地下街に流れ込んできた氾濫水によって飲食店従業員の女性が亡くなりました。翌年の東海豪雨でも、名古屋市営地下鉄の多くの駅でコンコースやホームが浸水し、平安通駅では軌道まで完全に水に漬かったとのこと。狭い地下空間では浸水が鉄砲水になるとの報告もあります。

本年8月11日に京都テルサで開催された「水シンポジウム2011」の第一分科会は、「ゲリラ豪雨」がテーマに選ばれ、京都大学防災研究所の戸田教授は、京都でも河川の氾濫による地下街への浸水の可能性は否定できないと警鐘を鳴らしておられたのが、大いに印象に残りました。

京都市では、市営地下鉄31駅すべてに、土のうの代わりに水に湿らせたら膨らむ水のうを備え付けており、地下へ上り下りする階段への止水板も六地蔵駅と石田駅の一部で設置されています。

今後も、JRや民間鉄道を含めた全ての地下施設において、構内の避難経路図を修学旅行生や観光客にもわかりやすく工夫するとともに、北が高く南が低い土地柄や河川の位置などを考慮して、水のうの数や止水板の的確な配置などの対策を強化するよう、リーダーシップをお願いしたい。

同時に、人命尊重を最優先する客観的なデータ分析に基づいた避難想定と計画が不可欠ではないでしょうか。さきの水シンポジウムのゲリラ豪雨分科会でも、早稲田大学大学院の関根教授が最新のコンピュータ技術を駆使して都内全駅をあらゆる角度からシュミレーションした総点検の成果を報告しておられました。

地上と地下との情報伝達が錯綜すれば、地下にいる人はパニックに陥ってしまいます。浸水から身を守るためにどの方向に避難するべきなのか、あらかじめ立地条件に適合した計画をきめ細かく精査し、状況に応じてバージョンアップしておく必要があります。

地下街の従業員や駅員の数が少ない場合は、1人何役も兼ねなければなりませんので、日常的な避難経路の点検と訓練も、ますます重要になってくると申し上げるものです。

平成19年に策定された京都市地下施設の浸水時避難計画作成の手引きに基づいて、地下施設79の事業所のうち74箇所で計画が作られていますが、それらの点検は所有者の責任に委ねられています。5年を経過した今、総点検の必要性は高まっているのではないでしょうか。

また、地下街の浸水をコンピュータでシュミレーションする取組みはコストがかかるかもしれませんが、ぜひ検討していただきたい。大震災によって、危機管理は「想定外」を想定しなければならないと、日本中が認識を改めたのです。

そこでお聞きします。本市において、ゲリラ豪雨の影響を受ける可能性がある地下施設を総点検し、浸水対策を綿密に練るとともに、いざという時の避難計画を今一度精査し、訓練の実施を推進するよう求めます。いかがでしょうか。

≪空き家対策について≫
次に、空き家対策についてお聞きします。

これは、昨年11月議会の代表質問で取り上げたのですが、市民の皆さんからの反響が大きく、重要な課題でもありますので、この場で再び申し上げたいと存じます。

人口減少や高齢化が進み、この数年で空き家が急激に増加しています。総務省の調査によると、この20年で約2倍、空き家率は住宅全体の約13%にのぼっています。京都市が掌握している実態は、木造一戸建ての空き家が33,000戸を超え、その半分近くが築30年以上の老朽家屋です。

老朽化した空き家が放置されたままでは、台風などの自然災害時に倒壊の危険性が高まり、害虫の発生や野良猫による異臭や騒音、不法投棄などによって近隣住民の生活を脅かしていくとの懸念も指摘されています。

現在、市として約100件の所有者に行政指導中で、そのうち危険家屋として監視中の事例は30件近い状況とのことですが、地域を歩くとあちらこちらで新たな空き家を見かけ、近隣の方から「誰に言ったらよいかわからない」とか「所有者とトラブルになったら困るので通報していない」という声をお聞きします。行政に連絡するところまで至っていない危険な空き家の数は、もっとあるのではないでしょうか。

本市は平成22年度より「地域連携型空き家流通促進事業」に着手しました。地域に根付いたコーディネーターが空き家の所有者と入居希望者をつなぐというもので、地元学区が地域ぐるみで主体的に取り組む体制が効果を上げつつあります。これまでに4件の成約があり、今年度追加で募集したところ新たに3学区が増えて合計5学区に拡充されており、今後の充実に大いに期待したいところです。

しかしながら、そこで看過してはならないのは、建て替えたくてもできないために、やむを得ず空き家になってしまう事例です。

京都市には建築基準法第42条の第2項に規定する道路、いわゆる2項道路に該当しない幅1.8m未満の細街路が数多く存在し、これらの道に面する敷地では住宅の再建築ができません。流通の道が閉ざされた細街路の空き家は、放置されたまま老朽化し、危険家屋になってしまうのが現状です。

本年2月、建築審査会は「細街路対策の推進について」との建議書を市長に提出し、安心安全のまちづくりのため細街路の特性に応じた具体策を求めるとともに、全国一律の規制ではなく「歴史都市・京都」独自の施策の重要性を提起しています。

また、先日京都市会の議員研修で講演していただいた関西学院大の室崎教授は、災害に強いまちづくりのために、住宅密集地の安全対策を充実させて、路地裏のコミュニティを重視するべきと論じておられました。

密集地が多い本市の特性を踏まえ、空き家対策の実効性を確保するために、防災力を向上させたうえで、細街路における住宅再建築を可能とするような施策展開が必要と考えますが、いかがですか。御所見をお伺いします。

一方、行政指導に応じずに空き家を放置し続ける所有者に対して、一定の規制が必要であるとの結論に至った自治体もあります。

防犯・防災・景観・環境・衛生の面で地域の福祉を阻害する空き家所有者に対して適正管理を義務付け、段階を踏んだ行政の指導や勧告に従わない場合には「代執行」を含む措置を明記した条例が、本年6月に和歌山県や松江市などで制定されているのです。

本市においても、空き家が地域環境を阻害することを未然に防ぐ施策を軌道に乗せるために、空き家対策条例を検討することは重要であると考えます。

市と市民、所有者、事業者が、お互いに責務と役割を担い、官民協働の連携をいっそう促進するとともに、行政部局の壁を超えた融合の精神に裏付けられた総合的な条例を制定すべきであると考えますが、いかがですか。 

≪ひとり親家庭支援について≫
最後に、子育て支援とりわけ、ひとり親家庭への支援についてお聞きします。

かねてよりわが会派は、母子家庭を支援するための様々な事業を、父子を含めたひとり親支援に拡充すべきと議論を重ねてまいりましたが、本会議や常任委員会において、市長はじめ理事者からも前向きな答弁が示されてきました。

平成21年6月に実施された「京都市ひとり親家庭実態調査」では、343名の父子家庭から回答が寄せられました。これは、平成17年の国勢調査時930世帯の3分の1強にあたり、シングルファーザーの方の問題意識が高まっていることがうかがえます。

その回答の中で、「ひとり親家庭日常生活支援事業」を利用したいと答えた方の割合が、父子家庭が13.1%と、母子家庭の7.7%の倍近くありました。また、情報交換や相互交流を促進する事業を利用したいと答えた方の割合も、父子家庭の方は10年前と比べて6.2ポイントアップしています。 

こうした数字から見えるのは、父子家庭は母子と比べても、生活支援や情報交換や交流事業へのニーズが高いのではないかということです。ひとり親の孤立を防ぐ育児情報等を交流する事業を今以上に普及していくなかで、男性も参加しやすい工夫をいっそう進めるよう求めるものです。

しかしながら、平成22年度に実施された交流事業の行事に参加された母子家庭が102世帯であったのに対し、父子家庭は6世帯にとどまっているとのこと。これはなぜなのでしょうか。知人の男性にお聞きしたのですが、施設の名称が「母子福祉」となっているので行きにくいとの反応でした。私自身も仮に同じ立場になったら、正直言って同じ気持ちになると思います。

そこで提案ですが、センターの名称を「ひとり親家庭支援センター」に改称してはどうでしょう。現に、平成16年から「母子家庭,寡婦及び父子家庭介護人派遣事業」の名称が「ひとり親家庭日常生活支援事業」に変更されています。

新聞やテレビの報道などでも、「ひとり親」という名前は一般社会に浸透しています。幅広い市民の皆さんから受け入れられるのではないでしょうか。

先月より、施設の愛称を募集中とのことです。ちょうど良いタイミングです。愛称だけでなく、父親が気軽に参加しやすい事業の内容を充実していただきたい。

その第一歩として、現在の京都市母子福祉センター条例を改め、新たに「ひとり親家庭支援センター」を設置する条例を制定するべきであると考えますが、いかがですか。前向きな答弁を求めます。

以上で、質問を終わります。ご静聴ありがとうございました。