吉田たかおのよしだッシュブログ

京都市会議員 (公明党)・吉田孝雄が日々感じたことを綴ります。

11月議会代表質問

2010.11.26 (Fri)
11月25日、私・吉田たかおは京都市会本会議場で代表質問に立ちました。

“行動する政策創造集団”として、地域に根を張った草の根ネットワークで集約した、生活実感にあふれた政策課題を取り上げたのです。

嬉しいことに、門川市長はじめ理事者から前向きな答弁を勝ち取ることができ、翌日26日付京都新聞にも名前入りで報道されました。

市民生活にとって重要な提言であることを証明できたものと、確信しています。これからも現場第一主義でダッシュしてまいります。

下記に質問原稿を掲載させていただきます。34分間の長い文章で恐縮ですが、関心のある方はお読みください。

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京都市会11月定例会一般質問(吉田孝雄) 

 上京区の吉田孝雄でございます。公明党京都市会議員団を代表し、市政一般について質問させていただきます。

 市長並びに関係理事者におかれましては、誠意あるご答弁をお願い申し上げます。

≪自転車安心安全条例施行について≫

 時代は、幕末や終戦直後に匹敵する激動期・乱世と言われています。

「官僚主導から政治主導」あるいは「コンクリートから人へ」などと、ワンフレーズポリティックスが騒がれましたが、今や中途半端に頓挫し、身動きが取れないような現状であります。
 
 私は、硬直した中央集権から、市民本位の地方分権へと、大きく時代のかじを切るべきであると考えています。

 地方分権・地域主権のうねりを起こすには、前例主義に固執しない柔軟な発想と大胆な行動力が不可欠です。多くの市民は、二元代表制の一方の旗頭たるべき地方議会のあり方と議員の活動に対して、厳しい視線を注いでおられるのではないでしょうか。

 であるがゆえに、私は、今こそ、議員自らが、時代に先んじて研さんを重ねて力をつけ、市民のために目に見える形で力を発揮していかなければならないと痛感し、会派の先輩議員と力を合わせ、時間をひねり出して、議会改革をテーマに議論を重ねてきました。

 様々な先進事例を研究するなか、一問一答や議員間討議といった議会審議のあり方、また、超党派の公開議会報告会や傍聴制限緩和といった議会透明化の推進、そして、予算と決算を通年で審議する常任委員会制の導入などなど、時代を先取りする具体的取り組みについて、積極的に意見をかさねました。

 そして、その第一歩として、市民の声を反映した政策を、自らの手で一から作り上げようと、議員提案政策条例に取り組んだのでございます。

 10月に、一部修正のうえご議決いただいた「京都市自転車安心安全条例」は、このような経緯で、約1年がかりで、手探りで、試行錯誤を繰り返しながら、少しずつ形になり、ようやく提出できたものです。

 この場をお借りし、真摯な議論を重ねていただいた各会派の議員の皆さんをはじめ、関係理事者の皆さん、調査研究に協力いただいた関係業者や市民の皆さんに、心より御礼を申し上げます。

 この条例を上程するにあたり、議会直前のタイミングで、門川市長に議案の説明をさせていただいたところ、後日、市長はご自身のブログで「本市が掲げる自転車施策の取組はもとより、環境施策や歩くまち・京都の推進、安心安全の取組等と軌を一にする内容で、大変ありがたいこと。また、地域主権改革が進む中で、地方議会の強化にも資するお取組です」と記して下さいました。

 もとより、過分な評価とは存じましたが、心温かい励ましを頂戴したと受け止めさせていただいたのでございます。

 条例が成立し、今月17日に公布された今、条例に定められた各施策を施行されるにあたり、特に注目されているのが、新聞でもクローズアップされた交通安全教育義務化と、わが会派で実施したアンケートでも多くの要望が寄せられた道路環境整備の2つです。

 自転車レーンをはじめとする道路環境の整備は、広報啓発等のソフト事業と比べて予算規模が大きく、危機的な財政にある本市では、大掛かりな執行は厳しいことは理解できます。

 しかしながら、昨年度の調査を受け本年度に本格的な社会実験を実施しておられますし、5月議会代表質問における我が会派の湯浅光彦議員からの質問に対しても、由木副市長から「関係機関との協議を進める」とのご答弁がありましたので、今後の具体的な予算編成に、大いに期待をしているところでございます。

 そこでお聞きします。京都市自転車安心安全条例成立に対する市長の評価と、執行にあたって具体的な施策、とりわけ交通安全教育と道路環境整備、特に自転車レーンについて、率直なご決意をお聞かせくださいますよう、お願い申しあげます。 
 
≪児童虐待について≫

 次に、児童虐待についてお聞きします。

 痛ましい事件が後を絶たない児童虐待の問題は大変に切実であり、誰もが充実した対策を求めています。

 京都市の実態をお聞きしますと、平成21年度の通告件数は878件で、504件であった17年度の1.74倍。虐待と認定された件数は、21年度611件で、17年度365件の1.67倍にのぼり、増加率は全国平均1.28倍を上回っています。

 611件中、虐待がひどいので一時保護したケースは44件あり、そのうち19件は帰宅できましたが、25件が保護施設への入所が余儀なくなっています。現在24時間の受け付け体制がとられ、休日や夜間の出動は1ヶ月平均4回。これが、本市の児童虐待の目に見える範囲での実態であります。

 児童虐待問題の第一人者である森田ゆり氏は、「虐待を受けている子どもたちの小さな叫びをいちはやくキャッチして、取り返しのつかなくなる前に、被害を最小限に食い止める制度や方法においては、残念ながらあまり大きな変化が起きているとはいえない」と指摘しています。

 私は、コスモス懇談会と銘打ち、子育て世代のお母さん方と膝づめで生の声をお聞きしたほか、児童福祉センター院長や児童相談所所長はじめ、関係者と意見交換を重ねてきました。

 その中で実感したことは、しつけと称して暴力を正当化することは許されないという常識を社会に浸透させなければならないということです。長年のこる「体罰を容認する風潮」も、断じて変えていかなければならないと強く思います。

 同時に、親の孤独感・閉塞感が虐待の大きな理由であるので、地域の同世代・多世代のコミュニケーションを充実させ、子育て世代への支援体制を創意工夫し、地域ぐるみの子育ての仕組みを模索する必要があります。

 このような問題意識で、本年5月議会で我が会派の津田早苗議員が、関係機関や地域住民との連携とスピード感ある取り組みの重要性を訴えたところ、市長から「京都の地域力を生かして子供と家庭をしっかりと見守るネットワークを強化し、よりきめ細かな家庭支援を実現する」との答弁があり、いっそうの充実を期待しています。

 そのうえで、本日は、それに加えた3点を問題提起させていただきたく存じます。

 1点目は、児童相談所の役割を強化する点です。

 全国児童相談研究会代表委員で「子どもの虹情報研修センター」研究部長の川二三彦氏は、岩波新書「児童虐待―現場からの提言」の中で、「現在の児童相談所は、児童虐待に適切に対応するのに見合った組織体制、十分な人員配置、ふさわしい専門資格、不可欠な研修システム、信頼できるサポート体制、根本的な法律上の枠組み、等々の何もかもが整備されないまま、もっとも困難な業務を担わされ続けている」と述べておられます。

 本市の児童相談所職員の配置は、一般事務職30名、心理職5名、保健師6名で、政令市の中では人口比率が充実していると言われていますが、伏見区に第二児童福祉センターが整備される今がその時期ととらえ、質量共に強化していただきたい。同時に、激務をこなす職員のメンタルヘルスもより充実する必要があると考えます。

 2点目は、教育の重要性です。

 過激な性情報が氾濫している影響で、いわゆる“望まざる出産”が問題視されている世相です。虐待問題の根っこに視点を当てるとき、性教育の充実が求められるのではないでしょうか。

 同時に、中学高校生の時代から、男女問わず“親になるための教育”も重要です。生命の尊さや子育ての大切さと素晴らしさを学ぶことで、子どもにイライラをぶつけて暴力を振るうことはあってはならないと、心の奥にしみこませていくわけです。

 授業の内容も、保育園や幼稚園とタイアップした実地研修や、母親の体験談を聞くなど、工夫をしていただきたいと申し上げるものです。

 3点目は、国に主導的役割の強化を求めるという点です。

 子どもへの虐待は重大な人権侵害であり、救えなければ社会にも責任があるのです。虐待の防止は子どもの生命にかかわる重要な国家施策ととらえ、児童福祉の関係施設の抜本的充実とともに、社会の貧困や矛盾に眼を向けた国民生活支援に、思い切ったコストをかけるべきではないでしょうか。本市としても、現場の立場から国にしっかりと声を届けていただきたい。

 以上提起させていただいた3点、すなわち、児童相談所の役割強化、教育の重要性、国への積極的な呼びかけについて、ご所見をお伺いいたします。

≪うつ対策について≫

 次に、うつ対策についてお聞きします。

 平成19年に厚生労働省が行った「労働者健康状況調査」によりますと、仕事に関して強い不安やストレスを感じている人は、6割を超えるそうです。

 労働者の方だけでなく、学生さんや主婦の方も、多くの方が悩みを抱えていらっしゃると思います。いまや、「誰もがうつ病になるリスクを抱えている」と言っても過言ではありません。

 うつ病は、「心の風邪」のようなもので、風邪と同じように誰もがかかりうる病気だ、という説もございます。手遅れになる前に、風邪と同じくらい日常的に治療が受けられる環境整備が重要であります。

 そのためにも、啓発活動の強化と専門家の育成が必要であり、行政の支援も重要ではないかと問題提起させていただきたいと思います。

 とくに、今、認知行動療法が注目されています。これは、うつ病に高い効果があるといわれているカウンセリング療法であり、薬物療法に匹敵する効果があるとして、大きな期待が寄せられています。

 われわれ公明党は、国会議員と地方議員が、チーム3000を結成し、さまざまな政策課題に取り組み、うつ病対策を充実し、患者さんの社会復帰を支援する取り組みを、積極的に進めた結果、今年4月から、認知行動療法の保険適用が実現しました。

 しかし、今の大きな問題は、認知行動療法を行える専門家が少ないということです。うつ病患者さんのニーズに応えるには、この新しい治療法の専門家を育成しなければなりません。

 ところが、民主党政権がつけた認知行動療法の専門家を育成する予算は、何と1千万円。国としての予算がこの程度では、おざなりと批判されても仕方がありません。

 イギリスでは2年前に「心理療法アクセス改善プログラム」を導入し、3年間で約346億円を投入して心理士3,600人の養成をめざしています。菅総理はイギリスから一体何を学んだのでしょうか。

 ようやく本年、保険の適用がされたとはいえ、現時点では精神科医の診療にとどまっており、普及が進まないのではないかと心配されています。カウンセラーの治療にも保険適用がされるよう、現在、各方面から真剣な声が挙げられているところです。

 精神科医の側からすれば、現在の診療報酬単価が低いため、導入したくても困難であるとの声も聞かれます。また、心の病についてキメ細かく対策を進めている国の「自殺対策緊急強化基金」が、23年度で打ち切りになるとお聞きしています。

 認知行動療法をはじめとする「うつ対策」への予算の増額と診療報酬単価の改定など、強く国に求める必要があります。それと同時に、京都市立病院でこの治療法を導入して、国にその効果を示すことも必要ではないでしょうか。

 うつ対策、とりわけ、認知行動療法について、国に対する要望の強化とともに、本市においても、京都市立病院での導入や広報周知の充実など、先進的な取り組みが重要と考えますが、いかがでしょうか。 

≪教員事務作業軽減について≫

 次に、教育問題についてお聞きします。

 私自身、中学生と小学生の父親として、PTA活動やおやじの会の活動に参加させていただく中で、学校の先生方の大変さを実感している一人であります。心から敬服し、感謝しています。
 
 巷でいわれる「モンスターペアレンツ」をはじめ、教員を尊重しないような風潮を、なんとしても変えていかなければならないのではないかとの思いで、保護者の方々との懇談を重ねると同時に、現場の教員の皆さん方とお会いし、意見交換もさせていただきました。

 私は、一人ひとりの子どもの無限の可能性を開き、「子どもの幸福」を目的とする教育を推進するためには、教員の資質を伸ばし、指導力を向上する取り組みが不可欠であると確信しています。先生を軽んずる生徒や保護者の目を見張らせ尊敬に変えるような指導力と人間としての魅力にあふれた教員を育成し、輩出していただきたい。

 そのためにも、教員評価制度が教員にとってネガティブなものにならないよう、現場の声を反映してグレードアップするべきでありますし、効果的な職員研修を充実するとともに、メンタルヘルス等のサポート体制を、よりいっそう進めていくべきではないでしょうか。

 特に、事務作業が多すぎて、子どもと向き合う時間がとれないという傾向性が、昔よりも顕著になってきているという問題が指摘されています。

 この問題を解決するための1つとして、私は、事務作業を学校以外でも出来るような環境整備が重要ではないかと申し上げたい。

 教員が遅くまで学校に残らないといけない理由の中に、報告書や計画書、答案や学級便り作成などの事務作業を自宅に持ち帰ることができないという点があります。

 教員に限らず公務員は、データを何らかの媒体に記憶させて外に出てはならないと決められており、それは情報漏えいを予防する意味で重要であると理解できます。また、本市におきましても約2年前に個人情報の入ったUSBメモリーを紛失したという事故があったとお聞きしています。

 情報漏えいの重大性と同時に、このような事故が起こって、前途のある教員を処分せざるを得ないことは、計り知れない損失ではないでしょうか。

 そこで私は、長年ITの企業で仕事をしてきた経験を生かして、1つのアイデアを提案させていただきます。

 それは、「クラウドコンピューティング方式」と言いまして、頑丈な場所にある大型コンピュータにすべての教員のデータを格納し、オンラインで打ち込みや修正などの作業ができるものです。

 多くの人々は、個人所有のパソコン本体のファイルフォルダに文書データや画像データを保存しています。機械が壊れたり盗まれたら大変ですから、USBメモリー等に保存します。このUSBメモリーは簡単に持ち運べますので、いつでもどこでも作業することが可能になりますが、紛失すると大変なことになるわけです。

 そこで、データセンターに置いたサーバに市内の全教員の個人フォルダを設定して、文書や画像のファイルを入れておけば、職場でなくても自宅や出張先のパソコンからインターネット機能を駆使してデータを呼び出すことが可能になります。したがってパソコンが故障してもデータは失われませんし、持ち運んで紛失する心配もありません。

 職員室のパソコンで学級便りなどを作った後、サーバに保存させると、自宅に戻って個人のパソコンを起動させ、ネットにつないでデータを呼び出せば、先ほどの続きから打てるわけです。そこで完成させて上書き保存したら、翌日に職員室で呼び出すことができるのです。

 家に帰ってまで仕事したくないという方は学校に残って仕事をしてもなんら問題ないと思います。

 しかし、部活の指導などで夕方に事務作業が出来ない教員は、くたくたになりながら、深夜まで残らなければならないケースもあるでしょうし、子育て中の教員が、子どもを保育園から自宅に連れ帰った後で、ふたたび学校に戻らなければならない日もあるのではないでしょうか。体調不良で欠勤した場合は、復帰後にたまった仕事が山積みになっているでしょう。家族の介護で早く帰宅しなければならない教員もいるかもしれません。
 
 これからは、勤務スタイルの変化への対応も必要になってきます。その意味で、自宅でもサーバからデータを呼び出して事務作業が出来る仕組みは、有効ではないでしょうか。

 ただし、セキュリティーの問題は重要です。メインサーバと各学校の端末との間に、絶対に変なウイルスに感染してはなりませんし、ハッカーからもデータを守らなければなりません。

 これらの対策を強化することと、導入費や維持費などの予算が必要になるという2点の心配は確かにあります。しかしながら、現実に多くの民間企業は、この方式を導入し効果を発揮しているのです。

 教員の事務作業軽減をはかり、勤務スタイルの変化に対応するためにも、「クラウドコンピューティング方式」を、教育現場で導入してはいかがでしょうか。ご見解をお聞かせください。

≪空き家対策について≫
    
 次に、空き家問題についてお尋ねします。

 2008年の住宅・土地統計調査によりますと、京都市内全域で11万戸の空き家があるとのことです。人口減少や高齢化が進み、所有者不明のいわゆる「管理放棄不動産」が、この数年で急激に増加しています。

 老朽化した空き家が放置されたままで危険家屋の状態になると、台風などの自然災害時に倒壊の危険性が高まりますし、季節によっては害虫の発生によって近隣住民の生活を脅かしていくとの懸念もあります。

 また、不法投棄が進むとか、犯罪の温床になりかねないとの指摘もあり、まさに、防犯・防災・衛生・景観という多岐にわたる問題でございます。

 私の住む上京区は、市内でも危険家屋が多く、たくさんの市民の皆さんから相談が寄せられています。野良猫の住みかになって悪臭や騒音の被害も少なくないとお聞きします。私の近所ではイタチも目撃されており、事態は深刻なのです。

 都市計画局の建築安全推進課では、住民からの相談を受け空き家の所有者を探し出したり、安全対策の指導を行うなど、対策を講じています。

 現在、本市において一戸建ての空き家が危険家屋になっている実態は、通報されていないものも多いと思いますが、行政指導をすすめているところは113件。そのうち30数件が危険な状態で長年放置されているとのこと。

 相続登記されないままの物件は、相続人がねずみ講のように増えてしまうといいますし、係争中のケースでは相続人が特定できず交渉が困難であったりして、進展しないのが現実であります。

 特定された場合も、行政からの指導に対し「建て替えたいのは山々だが、経済的余裕がない」などと理由をつけて、何年も放置されており、非常に厳しい状況にあるのです。

 また、空き家を所有する側のご意見として「誰かに貸すにしても、信頼できる仲介業者が分からない」とか、「貸したら返ってこないのではないか」という不安があるとのことで、従来の行政指導だけでは限界があるのも事実ではないでしょうか。

 市民の生活を守り、安心安全のまちづくりを推進するためにも、空き家が管理不全な危険家屋状態となる前に予防しなければなりません。

 その対策として、本市では「地域連携型空き家流通促進事業」を今年度から着手。モデル事業として、上京区の春日学区と東山区の六原学区の2ヶ所で、本格的な地元協議が開始されました。

 事業の特徴は、地域に根付いたコーディネーターが地元の良さやくらしのルールを伝えながら、空き家の所有者と入居希望者をつなぐというもので、地元学区が地域ぐるみで主体的に取り組む体制をとっています。

 この事業は、私が以前から申し上げているように、上京区や東山区など少子高齢化が進んでいる地域に、若者や子育て世代が転入してくるような、魅力的で持続可能なまちづくりを進めるための取り組みとしても、大いに期待されるのですが、今は始まったばかりで、見守る段階です。

 この地域連携型空き家流通促進事業の成功に向け、実効力を発揮するために、地域住民の声を積極的に反映させるとともに、全庁挙げて総力を結集して取り組んでいただきたいと思います。ご所見をお聞かせください。

 空き家対策については、もう1点申し上げることがございます。上記の事業が進んだとしても、危険家屋となった空き家がすべて無くなることは考えにくい。中にはコーディネーターの呼びかけに応じないケースもあるのではないでしょうか。

 そう懸念される理由の1つに、税負担の問題があります。危険家屋化している空き家のままの方が、改築したり更地にするよりも固定資産税が安いとのこと。地方税法では資産価値に応じて課税すると定められており、資産価値は新築や更地よりも老朽家屋のほうが低いため、結局は手をつけない方が負担が少なくて「得である」と言う理屈になるわけです。

 私は、行政指導を無視し督促に応じないような悪質と言われても仕方がないケースには、警察等と連携して強制的な措置が出来ないのかどうか、他都市の事例を含め調査を重ねました。

 埼玉県所沢市は10月1日から、「空き家等の適正管理に関する条例」を施行しました。この条例は、空き家などが管理不全な状態となることを未然に防ぐことにより、市民生活の環境保全および防犯の街づくりに寄与することを目的と定め、所有者には空き家の適正な管理を義務付けるとともに、市民へも空き家に関する情報提供を求めています。

 また、行政は空き家の実地調査を行って所有者に指導・勧告を行い、これに応じなければ、必要な措置を講ずるよう命令。それでも改善されなければ、所有者の名前や連絡先などを公表し、最終的には警察などの関係機関と協議し、撤去を依頼することもできるという、思い切った内容です。

 条例を受けて、所沢市民の方々は「空き家のブロック塀が倒れても、所有者に連絡したがつながらず困っていた」「空き家への放火が怖く眠れない日もあった。条例の施行で早く空き家を改善してもらいたい」などと語っておられるとのことです。

 地元の公明党議員に聞いたところ、施行されたばかりで、具体的件数は把握していないが、市当局が所有者に連絡を入れた際の反応が、条例制定前とは全然違うということでした。

 また、和歌山県でも空き家対策の条例制定に向けた審議会が立ち上がっているとお聞きしています。

 本市においても、放置された空き家等が管理不全な危険家屋の状態となることを防止し、安心安全のまちづくりを推進するため、部局の壁を越えた取り組みを進めるとともに、「空き家対策条例」を制定すべきと考えます。市長のご所見をお伺いいたします。

≪買い物難民・医療難民対策について≫
    
 最後に、高齢者福祉に関してお聞きします。

 今「買い物弱者」あるいは「買物難民」また「医療難民」と言う言葉を良く聞きます。近い将来、買い物にさえ不自由する高齢者の方が増えるのでないか、そのような方々への対策に今から取り組まなければならないのではないかという問題意識を持っています。

 経済産業省の今年5月の報告書によりますと、「買い物弱者」と呼ばれる高齢者は、全国で600万人と推測されています。

 私の住む上京区をはじめとする旧市街に限らず、市内の各行政区においても、高齢化が進む中で、地域密着の商店街の必要性が高まっていますが、大型店の進出等でシャッター商店街が増えているという深刻な実態がございます。

 同時に、その商店街にまで行くこともできないくらい足腰が弱っておられる高齢者の方も増えているというのが現状ではないでしょうか。

 現在61ヶ所の地域包括支援センターを拠点に、在宅介護支援センター、福祉事務所ほかの諸機関や、社会福祉協議会、民生児童委員さんや老人福祉員の皆さんが役割分担されて、地域に根差した介護や生活面のサービスについてきめ細かく対応しておられますが、2025年問題といわれ、あと15年たちますと要介護認定を受ける方が今の倍に増えるという試算もあり、今の段階から着実に対策を講じていくべきであります。

 9月議会の本会議代表質問で、わが会派の久保勝信議員の質問に答え、市長から「ネットスーパー構想」が発表されました。高齢者の自宅にインターネットの端末を設置し、必要な商品を注文したら配達されてくるというシステムです。

 これは、地域ぐるみの「デリバリー制度」をより実用的に進めるという点で、期待されるものと考えますが、高齢者が使いこなせるのかどうかという懸念や、ますます家から外に出ない生活が続いて不健康になり、足腰の衰えが促進されてしまうという心配も出てまいります。

 そこで、これを一歩進めた仕組みを提起させていただきたいと存じます。それは、デリバリーではなく、家から出て外の空気を吸って、近所の方と挨拶を交わし、医療機関や商店街に足を運ぶ方のための新しい交通システムとして、都市型のデマンド交通とタイアップしてはどうかということであります。

 デマンド交通は、他府県では山間部などの人口過疎地域で多いのですが、逆に住宅密集地の都市部で導入してはどうかという発想の転換で、上京区で地域ぐるみで準備会が設立され、地元学区連合会の方々や商店街、医療機関と大学が連動して、2年間という時間をかけて様々な角度で研究をされてこられました。

 昨年12月、モデルとして仁和学区でアンケート調査を実施されたところ、実に1,000名を超える方々から回答が寄せられたということで、地域の方々の関心も高いことが明らかになっています。また、来月から第2回目のアンケートと聞き取り調査を実施される計画です。

 このデマンド交通が定着すれば、自宅まで往診に来てもらうことを待つのではなく、近所の友人と乗り合わせて会話に花を咲かせながら医療機関に行けますし、診療が終わった後もすぐに帰宅せずに、商店街にも足を伸ばして、コミュニケーションをとりながら買い物を楽しむこともOK。

 「買い物難民」「医療難民」と言われる高齢者福祉課題に資すると同時に、商店街活性化にも可能性が広がると、大いに期待をしているわけでございます。

 また、行政主導ではなく市民の発意で地域ぐるみで着実に進めておられるこの取り組みは、先の「ネットスーパー構想」が定着するための第一段階としてタイアップすることが可能ではないかと考えます。

 つまり、利用者さんがデマンドバスに乗って医療機関まで出かけ、診察を受けるまでの時間に、待合室に設置されている端末の機械で商店街の画面を呼び出し、タッチパネルの簡単な操作でお店と商品を指名して予約します。

 そして診察が終わって、デマンドバスで家に戻った時間を見計らって、お店から商品が届くわけです。端末を医療機関に設置することで、操作面に不安な方は、周囲にいるスタッフに助けてもらうことも出来ますので、自宅にパソコンを設置する方式と比べても、高齢者の方は受け入れやすいのではないでしょうか。

「ネットスーパー構想」が、本来の目的である高齢者対策、とりわけ「買い物難民」問題への環境整備を推進するための第一歩として、都市型デマンド交通とのマッチアップは、1つのヒントになると申し上げたい。

 この、「ネットスーパー構想」が実効力あるものになるためにも、上京区ですすめている「西陣デマンド交通準備会」の取り組みに対して具体的支援を進めていくことが、これからの京都市の多くの地域の先行事例となるのではないかと考えます。市長のご答弁を求めます。 
 
 以上で、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。