吉田たかおのよしだッシュブログ

京都市会議員 (公明党)・吉田孝雄が日々感じたことを綴ります。

未来の部活動についての一提案(前編)

2024.05.13 (Mon)
【はじめに】
 私は、2021年2月市会本会議代表質問で、働き方改革の一環で「部活動」の在り方に言及し、教員の負担軽減や地域との連携・協働が重要と論じた。

 また、文科省が2020年9月に「学校の働き方改革を踏まえた部活動改革」を打ち出し、それを受けて本市も「学校部活動及び地域クラブ活動の在り方検討委員会」が設置され、本年1月に第1回検討員会が開かれた。その時には所要のため欠席したが、本日(5月13日)開催された第2回検討委員会には幸いにも傍聴することが出来た。記者席や傍聴席が満員になるほど多くの方が見守り、関心の大きさを改めて実感した次第である。

 スポーツ競技において、目指すものは多岐にわたる。トップアスリート育成、若い世代のすそ野の拡大、生涯にわたる多世代がスポーツを楽しむ環境の整備などであり、こうした幅広い目的が混在しているという点では、吹奏楽や合唱、ダンスなど文化芸術の在り方にも共通している。

 わが国は近代以降、学校教育の一環としてスポーツや音楽などでは、学校単位でチームが結成され、対抗戦方式の大会が開催されてきた。甲子園に代表される「全国大会」の頂点を目指して鍛錬を重ね切磋琢磨する中で、日本代表やプロ選手を輩出してきた。その基盤を支えてきたのが中学高校の部活動であったのである。

 しかし、21世紀に入り、価値観の多様化と少子高齢化の影響で、中高の部活動の根幹が揺らいでいる。部活動の未来は極めて重大な課題である。自分自身も青春の日々に部活動で汗を流した1人であるし、子どもたちも部活でお世話になっており、その保護者として経験も積ませて頂いた。

 今回、検討会の議論を直接お聞きすることで、大変に勉強になった。また、これに触発されて、以前から自分なりに温めていた構想が動き出したような手ごたえがあった。そこで、京都の部活の未来のために私見を文章化し、具体的な提案をさせて頂きたい。この提言がきっかけとなり、各方面の皆さんの議論が活発化して、具体的な検討に少しでも役立てば望外の喜びである。

【競技スポーツの問題点について】
 競技スポーツはいくつかに細分化される。1度の大会でタイムを競う陸上と水泳や、採点を競う体操やダンスがあり、ボールを使って点数を奪い合う球技は、野球・サッカー・バスケ・バレーなどの団体戦と、個人・団体のパターンがある卓球やテニス、バドミントンなどがある。もう1つの格闘技は、柔道や剣道、レスリング、ボクシングなど、基本的には1対1の対戦である。

 これらに共通するのは、中高では部活のチームで地元の市内や県内でトーナメントを勝ち抜き、学校や府県の名誉をかけて全国大会(インターハイ・インターミドルなど含む)で覇を競うのだが、小学校時代は部活ではなく、少年団やリトルリーグ、地域伝統のクラブや道場で基礎を学ぶ、という点である。そして、中学で活躍した選手は強豪校からスカウトされるが、それ以外は公立校で踏ん張るか、あるいは競技者から一線を引いて応援に回る、というケースが多いのではないだろうか。

 しかも、球技や格闘技は、中高とも競技大会のほとんどがトーナメント方式のため、1回戦負けしたら2戦目はない。敗けた反省を次に生かせないし、勝ち進めば連戦の酷使が選手に負担をかける。最近は昔と比べて日程の編成面では配慮されるようにはなったが、「負ければ終わり」に縛られる点は変わらず、勝利至上主義に陥ってしまう弊害が避けられない。しごきや体罰、いじめ、不正などの不祥事が後を絶たない原因とも言えよう。強豪校では3年間1試合も出場できない優秀な選手が数多く、そうでないチームの選手は1、2試合で去らざるを得ない。ある意味、理不尽な部分が大きいと言えるのではないだろうか。

 もう1つの問題点は指導者である。球技や格闘技でもそうだが、タイム競技や採点競技は特にコーチの指導力が問われる。才能ややる気があってもコーチに合わない選手は移籍できずに燻ったり、コーチの異動や引退がチームの浮沈を左右してしまう。コーチの側も時代を先取りするトレーニングやメンタル面の指導の「改善」が常に求められるのである。

 水泳や体操、あるいは卓球などでは、子どもの時からの地域クラブに所属したまま大会に出場するケースが多いし、陸上も地域クラブの存在がクローズアップされている。一方、球技ではコーチが10年も20年も異動しない私立校の方が、数年で転任を余儀なくされる公立校よりもはるかに有利であり、この傾向は近年、顕著になっていると思うのは私1人では無い。

 サッカーは90年代からJリーグ百年構想で、地元密着のクラブチームがユース部門を強化し、人材を発掘すると共に、すそ野を広げようというミッションを掲げている。これらは功を奏していると思うが、高校世代ではユース大会と全国選手権が分かれるという、避けて通れない弊害が表面化している実態も見受けられる。これを解消するために、一部の強豪校とユースチームをピックアップした「ダイヤモンドリーグ」を編成しているが、かえって強豪チームとそれ以外の実力差が顕著になっているというジレンマもあるのではないだろうか。

 こうした問題点は、いち早く地域クラブを打ち出したサッカーに限らず、その他の球技でも、あるいは格闘技などでも、大なり小なり表面化してくると思われる。そこで、私はその解決策として2つの提案をさせて頂きたい。(つづく)