吉田たかおのよしだッシュブログ

京都市会議員 (公明党)・吉田孝雄が日々感じたことを綴ります。

予算委員会局別質疑(都市計画局)

2021.03.19 (Fri)
令和3年度予算を審議する京都市会予算特別委員会において、私は第2分科会に所属して3月5日からの局別市議に臨み、コロナ禍を克服する京都市政の発展のための議論を展開しました。

210305都計局質疑

初日は、都市計画局に対して「空き家対策」を質しました。500億円の財源不足に直面する財政危機に際して、「持続可能な財源確保」のために意欲的に検討している『新税』の在り方にもかかわるとの問題意識で議論したので、常任委員会の質疑と同じく、“文字起こし”して採録します。長文ですが是非お読みください。

なお、京都市会HPのインターネット録画中継にアップされていますので、ご関心ある方はぜひご視聴ください。

京都市会予算特別委員会第2分科会動画をクリックしてください。私の出番は、42分38秒から約15分間です。

******************************************************

【吉田】 おはようございます。先ほどから質疑されている市内周辺部の生活交通の維持確保のための「民間バス事業者へ支援」につきましては、私も伏見区の議員として山科区の地域の皆さんに寄り添った取り組みを注目しています。伏見を始め多くの周辺地域からもニーズが出されてくると思いますので、ぜひ継続的なコーディネートで民間事業者との協議を続けて頂きたいとお願いして、質疑に入らせて頂きます。

 「空き家対策事業」についてお聞きします。令和3年度1億650万で、2年度の1億6500万から、約6千万の縮減ということになりました。この理由をご説明頂きたいと思います。

≪室長≫ 「空き家対策事業」が今年度と比べ約5,900万円の減額となっております。減額の大きな要素となっていますのは、固定資産税の住宅用地特例の解除に伴うものでございます。令和3年度から行財政局に、より効率的な調査を実施するために移管するものでございます。

【吉田】 わかりました。この長帳(予算概要冊子)に載っております「地域連携型空き家流通促進事業」ですが、私がここ数年、多くのセミナーに参加する中で注目を集めているジャンルが「空き家対策」でして、たくさんの地方議員が参加されています。そこで、先進的な成功事例として京都市が評価され、識者の先生からも紹介されています。その意味で、本市の担当者の方々が時代を切り開いているご苦労に敬意を表します。この「地域連携型空き家流通促進事業」の現状と新年度に向けての課題は何と考えておられますか。

≪室長≫ 「地域連携型空き家流通促進事業」でございますが、京都ならではの取り組みでございまして、空き家を所有者個人だけではなく、地域が主体となって「まちづくり活動」の中で、空き家発生の予防や活用などの支援に取り組む事業でございます。今の実績でございますが、59学区で取り組まれております。

【吉田】 具体的に予算を活用されて、補助の方もされていると思いますが、補助の中身と申請状況、新年度の見通しはどのようにお考えでしょうか。

≪室長≫ 「地域連携型空き家流通促進事業」の助成でございますが、地域の活動費の補助として年間50万円を最大4年間でございます。中身は、学区全体の空き家の正確な情報を把握した情報を地域住民への発信を行なって頂くとか、NPO法人を開設されています。引き続き、地域にこういった事業を紹介して、様々に取り組んで頂けるよう努めてまいります。

【吉田】 私が以前居住していた地域で、空き家が長年放置されておられることを近隣の市民が心配される声を紹介し、都市計画局や区役所が連携して、地道に所有者とやり取りを重ねた結果、除却などの前進が図られたことで、地域の環境や衛生面、防災や安心安全が拡がったということがありました。私自身も、この10数年で3回ほど本会議代表質問で「空き家問題」を取り上げた経緯がございます。

 そうした中で、長年放置すると相続人がどんどん増えていって、手も足も出せなくなって、地元からも連絡もつかず大変になるという状況に対する取り組みも、国と自治体が連携しておられるとのことでした。

 同時に、更地にしてしまうと資産価値が上がって固定資産税が増えるので、そのままの老朽した危険な状況な方の税負担が少ない、そういう「イビツ」な状況が空き家の放置が増加する一因になっていたという問題がありましたが、これに関する法整備が様々に行われたことで着実に進んで、固定資産税減免の在り方の見直しがあったわけです。

 そういったことを踏まえて、現状ではどういう風に京都市内の空き家の問題、相続や危険家屋の減免の問題などを、国や他局とも連携しながら、都市計画局として進んでいるのか、今後どのように前進させようと思っていらっしゃいますか。

≪室長≫ ご指摘の通り、相続登記が行われない状態で、法定相続人が死亡して更に相続が発生する所謂「数次相続」が発生しますと、関係権利者が多数にのぼります。場合によっては相続人が誰なのかわからなくなる恐れがございます。

 不動産の売買や相続に当たって所有権の移転登記をしておかないと、様々な不都合が起こると。自己の財産である空き家の権利の保全をする上では、登記は非常に重要な制度でございますので、こうした登記については、市民の皆さんに「相続登記」の重要性をご理解頂けるため司法書士と連携しまして、地域の行事に伺って事業の説明をしています。

 また、国レベルになりますが「相続登記」の義務化を京都市として要望をしてまいりました。今般、関連法案を国会に提出し、成立を今国会で目指す方針だと承知しています。不動産登記の名義変更の義務化については、「空き家対策」にも資すると考えておりますので、注視してまいりたいと考えております。

【吉田】 財政当局との連携においては、個人情報の尊重の問題がありますが、結局は地域住民の方々のお困りごとに接していくのが区役所であり、その橋渡しとして都市計画局の皆さんもご苦労されているのですから、今後の一層の取り組みをよろしくお願いします。

 最後に、財政危機を克服するための施策として、「空き家対策」が大きな意義を持つとの視点で質疑をいたします。

 いま、財政危機に直面し、「持続可能な財源確保」が喫緊の課題だと思います。様々な事業が縮減されたり、イベント等々が中止になったりとか、公共事業も多くが削減されるという状況の中で、「増収」であるとか、若い世代の方の市内への転入をどう実現していくのかという取り組みも、極めて重要な問題でないかと思います。

 昨年の市長選挙において、門川市長が「持続可能なまちづくり」のため、新たな財源の創出を公約に掲げられました。私は、それは他の候補者との大きな違いであり、その勇気に感銘を受けた1人であります。

 具体的には、行財政改革の柱として、「新税の検討」に踏み込んだことは高く評価され、心ある方々からの期待が集まっていると認識しています。私は、昨年12月と本年2月の2度、持続可能な財源確保のための親税検討委員会を傍聴し、多方面の識者や市民の代表の方が活発な議論を展開しておられる姿を目の当たりにしました。そして、現在パブリックコメントが実施されているところでもあります。

 そこで明らかになった課題は、セカンドハウスや別荘、空き家の所有者に課税する新税の導入は何のためにあるのか、税負担に見合うだけの市民生活の前進はあるのか、という点において幅広い市民のコンセンサスを得ることではないか、という点がクローズアップされて議論されていたのです。

 私はその議論をお聞きして、若い子育て世代の流出を食い止め、逆に京都に転入して頂くためにも、魅力あるまちづくりの先行投資の面で、この新税が可能性を秘めていると思いました。まちの活力停止を余儀なくされる「空き家問題」の解決のため、非居住の方々の所有される土地や建物に新たな税が課せられることになりますが、これを財源にして空き家流通の促進や発生の抑止など、問題解決への大きな切っ掛けになり、持続可能な京都への道を開くのではないか、こう考えているところでございます。

 検討委員会でも、空き家所有者への負担の求め方等の議論があったわけですが、市内中心部の資産価値のあるところであればあるほど、老朽化して改修に莫大な費用が掛かるなど、「売るに売れない」ような物件が数多くあると思います。そういう方々に、固定資産税に加えて新たな税を追加されますと、かなりの反発が予想されるのではないかと心配しています。

 だからこそ、「売りたくても売れない」ような物件を抱えた市民に対する賃貸や売却に向けたリフォーム代であるとか、登記変更手続きにかかる手数料の費用負担など、これらに対する助成などを考えて頂く必要があるのではないでしょうか。そうしないと、結局は相続する対象が倍々に増えてしまう問題がより深刻化してしまうと思いますし、税負担に対する感情的な反発が増幅されることにつながってしまうのです。ぜひ、この新税をはじめとする財源確保の試みをされる中で、大きな意味を持つ「空き家問題」を重視して頂くことが大事になると思います。

 空き家所有者への「インセンティブ」をどうするか、施策の融合という観点で取り組んで頂く必要があると申し上げます。京都市の全体観に立った「財政危機克服」への重要なステップを踏む段階において、「空き家対策」事業が大きな意味を持つ。このことを強く期待をしております。ご決意をお伺いして質問を終わります。

≪室長≫ ご紹介のありました非居住住宅の適正な負担の在り方については、持続戒能なまちづくりを支える税財源の在り方検討委員会で議論されて、現在答申を受けてパブリックコメント中でございます。負担の求め方や税の使途については、今後、市会でも議論がなされていくものと承知しております。

 なお、空き家そのものは不動産として個人の財産でございます。その権利を行使して保全を行なうのが原則でございます。ただ、こういった空き家が流通し活用され、適正に維持管理されるという「市場環境」を作っていくのが我々行政の役目だと考えております。そのためにも、民間の事業者や専門家と市民の方々と連携して、しっかりと取り組んで参りたいと考えております。