吉田たかおのよしだッシュブログ

京都市会議員 (公明党)・吉田孝雄が日々感じたことを綴ります。

2021年2月市会本会議代表質疑

2021.02.25 (Thu)
令和3年2月25日、私・吉田たかおは京都市会本会議で公明党議員団を代表し、門川市長への質疑に立ちました。

20210225代表質疑

新型コロナとの未曽有に長期戦にあって、追及や糾弾に終始しない建設的な質疑を展開し、前向きな答弁を勝ち取ることが出来ました。下記に質問原稿と答弁(主旨)を掲載させて頂きます。

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伏見区選出の吉田孝雄です。公明党京都市会議員団を代表し、大道義知・曽我修両先輩議員に続いて質疑をいたします。市長並びに理事者におかれましては、誠意あるご答弁をお願いいたします。

まず、新型コロナに感染した方やご家族に心よりお見舞い申し上げます。また、医療従事者や介護従事者の方をはじめ、総てのエッセンシャルワーカーの皆さんに敬意を表し、感謝申し上げます。

【人間中心の新しい社会「Society5.0」について】
最初に、人間中心の新しい社会「Society5.0」について提案いたします。これは、公明党京都市会議員団が毎年発表している政策提言の本年度のテーマでございまして、「新型コロナウイルス感染症を乗り越え、京都市の更なる発展を目指して」とのサブタイトルを付して、今月17日に門川市長に提出いたしました。

「Society 5.0」とは、平成28年1月に閣議決定された「第5期科学技術基本計画」で我が国が目指すべき未来社会の姿として提唱されたコンセプトであり、現実の空間とクラウドなどのサイバー空間を高度に融合させたシステムによって、経済の発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会を実現するというものです。

アメリカの未来学者アルビン・トフラーは、『第三の波』で人類の歴史は3つの技術革新の波によって発展したと解説しました。約1万5千年前の農業革命によって、第1の狩猟社会から第2の農耕社会へ、19世紀の産業革命によって第3の工業社会へ、そして戦後の脱産業化の第3の波による情報革命が高度情報化社会に発展させたというものです。

そして、21世紀。我が国が直面する様々な課題を克服する「新たな価値の創造」が時代の閉塞感を打ち破るキーワードであると位置づけ、人間中心の社会「Society5.0」のグランドデザインが打ち出されました。

コロナ禍で新しい生活様式への転換が模索される中、誰ひとり取り残さないSDGsの理念を基調とした経済や社会活動が重要となっています。人工知能やIoT、ビックデータなどをあらゆる産業や社会に取り入れることによって実現する未来社会では、AIの活用により必要な情報が必要な時に提供されるようになり、ロボットや自動運転など最先端の技術で、少子高齢化、地方の過疎化などの課題を解決することにつながると考えられており、1人1人が希望を持って活躍し、世代を超えて互いに尊重し合あえる共生社会が展望されるのです。

私たち公明党議員団は、総ての市民が豊かな暮らしを実現する人間中心の新しい社会「Society5.0」の実現に向けた政策を提言するべく、国の基本計画や成長戦略、世界の先進事例を学んだほか、大学教授とのオンライン会議や若い研究者たちとのディスカッションを重ねてまいりました。
 
また、9月市会と11月市会で川嶋議員と平山議員がデジタル化推進を求める質疑を展開。デジタル化戦略監をトップとした全庁横断のプロジェクトチームの発足と職員採用などの体制整備など、着実な前進を後押ししてきました。

今回の提言は大きく4点あります。提言1では、誰ひとり取り残さない「Society5.0」のため情報弱者やデジタル弱者と言われる方への視点を忘れない意識改革と人材育成を、提言2では市民の暮らしに資するため、情報インフラの整備や申請主義から脱却するデジタル化の拡充、最新技術を駆使した高齢者支援や医療サービス、災害対策向上などを提案しました。

提言3は京都市の歴史的・文化的価値を未来に引き継ぐためのデータベース化とオープンデータ化の推進を提起し、提言4は京都の強みを活かした産官学の人材と技術のシェアリング、業種の垣根を超えた中小企業間のマッチングなどの具体策を提案しました。

財政危機と新型コロナという2つの極めて重大な危機に直面している今こそ、未来に希望の持てるビジョンに裏付けられた政策を力強く進め、市民の皆様との協働を加速していかなければなりません。今回のSociety5.0の実現に向けた提言で提案した政策を取り入れて、新たな価値を創造する持続可能なまちづくりに邁進して頂きたい。市長のご決意をお聞かせください。

≪門川市長答弁≫(主旨)
頂いた政策提言をすべて読み、大いに賛同した。今後10年を決する基本計画にも「Society5.0」を盛り込んでいる。具体的提言を1つ1つ政策に活かしてまいりたい。
  
【新型コロナウイルス感染症に関する法整備】
次に、新型コロナウイルス感染症に関する法整備についてお聞きします。2月3日、いわゆる改正特措法などコロナ関連法が可決成立しました。新型コロナ対策の実効性を高めるため、緊急事態宣言の前段階として「まん延防止等重点措置」を新設すると共に、営業時間短縮の命令や入院措置に応じない場合に過料を科す内容です。

公明党は、時短を求められる事業者に財政上の支援を義務付けた点と、国と自治体間での情報連携の義務化や宿泊・自宅療養の法的根拠を明確にしたことを評価し賛成しました。

苦渋の決断を余儀なくされる飲食店や周辺の事業者から深刻な声が寄せられ、市民の反応も賛否両論に分れています。私は、コロナとの戦いの正念場を迎えた今、責任の追及や糾弾に終始するのではなく、心を合わせて励まし合い、知恵を出し合っていく姿勢が大事だと思います。

この1年間、多くの自治体で、行政と市民、事業者がお互いの責務を果たし、感染拡大防止に協力する条例が制定されています。一般財団法人地方自治研究機構によると、新型コロナウイルス感染症に関する条例は本年2月9日時点で 東京都や千葉県、愛知県など都県が12条例、名古屋市と千葉市、2つの政令市を含む40の市町村条例、合わせて52条例が制定されました。

海水浴場のマナー向上を呼び掛ける神奈川県逗子市、観光客に協力を求める京丹後市や沖縄県石垣市など、地域の実情を反映した条例もありますが、ほとんどが市民ぐるみで協力する感染拡大防止を規定すると共に、感染症患者や医療従事者の人権を擁護し、誹謗中傷など不当な差別を禁止しています。

また、千葉県流山市や愛知県半田市など9自治体の条例が議員提案であり、そのうち7条例が「議会の責務」を規定しています。愛知県豊橋市の「コロナ禍からみんなで豊橋のまちを守る条例」のようにネーミングに工夫を凝らしている自治体もあります。

昨年の早い時期に大学生や医療機関のクラスターを経験した京都市は、国や府と連携した様々な施策を推進し、7度にわたる補正予算を組んで、感染した方やご家族、医療機関や介護・児童施設、中小企業や文化芸術従事者、学生などへの支援を重ねてきました。しかしながら、戸惑いや不安を払拭できているとは言えません。

だからこそ、特措法が施行された今のこの段階で、市民ぐるみで困難を乗り越えるとの思いを目に見える形で示す、京都ならではの新型コロナ条例を検討してはいかがでしょうか。

市の施策推進と情報発信の充実を明記するほか、市民や事業者に感染防止の努力と人権擁護の促進に努めて頂くことを規定する条例となるよう、パブリックコメント等で広く意見を募集し、市民の声を結集することは大きな意義があると思います。

新型コロナ感染症対策に市民協働で取り組み、実効力を発揮する条例の制定に向け、幅広い世代の市民に協力を呼びかけていくべきと考えますがいかがでしょうか。ご答弁を求めます。 

≪門川市長答弁≫(主旨)
市民ぐるみで新型コロナ感染防止を徹底し、スピード感を持って状況の変化に対応することは重要。条例についても、真剣に検討してまいりたい。 
  
20210225代表質疑正面
 
【コロナ禍の虐待問題】
次に、コロナ禍の虐待問題についてお伺いします。緊急事態宣言が発出された翌日の1月14日、公明党議員団は「第3次緊急要望」を提出させて頂きました。市民の皆様から寄せて頂いた声を精査して、緊急性のある重要な16項目を要望しましたが、その中に「家庭での虐待防止」は外せないと判断し、盛り込んだものです。

ここ数年、全国で児童虐待の痛ましい事件が報道されています。本市でも令和元年度の通告件数は2,693件、認定件数2,051件とのことで、6年前の約2倍の数値であり過去最多とお聞きしています。

また、最近では障がい者への虐待や高齢者虐待の事件も増えています。本市においても、高齢者虐待の認定件数は元年度479件、平成30年度474件と横ばいではありますが、25年度の315件と比べると1.5倍となっています。障害者虐待は施設内の暴行事件などが報道されているものの、実際は同居家族からの虐待が圧倒的に多いのが特徴です。

今、コロナ禍で社会的孤立が深刻化する中、これら虐待事案が増加しているのではないかと心配されています。担当者に聞くと、今年度の集計はできていないが、現時点では通告数は例年と変わらないとの報告でありました。しかし、私は児童虐待をはじめ家族からの虐待は「目に見えない」ものであり、アンテナを張り巡らせないと見過ごしてしまうと懸念しています。

現在、2回目の緊急事態宣言が発出され、在宅のリモートワークなどが増える状況にありますが、深刻なのは雇い止めなどで仕事をしたくてもできない方が少なくないことです。「ステイホーム」で外出できず、密閉された中で生活せざるを得ない状況が続き、お互いが気を遣っています。

誰もが疲れ、緊張の限界がきているのでないでしょうか。虐待を早期に発見し、スムーズな対応を進めるには、いち早く小さなサインに気づき、情報を共有して具体的行動を重ねるという、「連携と協働」の仕組みを確立し拡充することが大事だと思います。

同時に、保護者や介護者など虐待をしてしまう側への支援も重要です。現場の最前線として区役所や福祉事務所、はぐくみ室、児童相談所を核にした、地域ぐるみで「社会的孤立」を防止する活動が大事です。当事者や周囲の方に寄り添った経験から言えることは、揺れ動く心を理解し不安に寄り添ってくれる人たちの存在が極めて重要であるという事実です。

この数年で積み重ねられたノウハウに加え、コロナ禍の中での相談実績も重ねられて、各機関のスタッフや地域の皆さんも、問題意識を共有されています。ぜひ相互の連携を深め、検証を重ねて、きめ細かな血の通った「システム」を機能して頂きたい。

そこで提案します。児童虐待に限定せずに高齢者虐待や障がい者虐待のカテゴリーを「虐待」という括りで融合し、行政と地域の協働で 市民ぐるみの取り組みを加速するため、仮称「虐待対策プロジェクトチーム」の設置を検討してはどうでしょうか。

愛媛県や埼玉県、大阪府藤井寺市、千葉県松戸市など8つの自治体でトータルな虐待防止条例が施行されています。また、千葉県ふっつ(富津)市ではDVと虐待対策の総合的な基本計画を、平成31年3月に策定しました。本市でも参考になるのではないでしょうか。政府も今月19日に社会的孤立防止のため対策室を新設しました。

コロナ禍の虐待問題を継続的・総合的な視点で取り組む基本計画や条例を検討すると共に、全庁横断の虐待対策プロジェクトチームを組織するなど、心の通った市民ぐるみの活動を推進して頂きたい。いかがでしょうか。ご答弁を求めます。
 
≪村上副市長答弁≫(主旨)
コロナ禍で虐待の潜在化が懸念される中、わずかなサインを見逃さないため、市民ぐるみのネットワークを構築し、早期に適切な対応ができる取り組みを推進してまいりたい。 
  
【新時代の学校教育】
最後に、令和新時代の学校教育についてお聞きします。コロナ禍にあって、学校現場は過去に例を見ない様々な困難に直面しました。学校再開後の授業の遅れを取り戻すリカバリー、部活動や各種行事の工夫など、言葉に尽くせない苦労の連続だったと思います。特に連日の感染拡大防止対策や、夏の熱中症対策は、未来に可能性を持つ青少年の生命を預かる、ギリギリの攻防戦であったと、心から敬意を表します。

そんな中、長期ビジョンで準備を進めてきた「GIGAスクール構想」は、子どもたちを誰ひとり取り残すことなく育成する教育環境のため、最先端のICT技術を活用した通信ネットワーク整備事業であり、公明党が国と地方の草の根ネットワークで実現に向けて尽力してきました。本市では今年度中に、総ての小中学校や総合支援学校の児童生徒に1人1台のタブレット端末を配備するとともに、校内ネットワークが高速大容量化されます。そして、来年度以降の本格活用に向け、52のモデル校でデジタルドリルの活用がスタートするなど、段階を踏まえた取り組みが重ねられているところです。

大阪府寝屋川市が全国に先駆けて導入したオンライン授業について、地元の議員さんにお聞きしたところ、新型コロナ感染を危惧する児童が登校せずに自宅で授業を受けるケースは、ほとんど無いものの、「選択肢」の存在が安心感を提供するという効果があったとのことでした。より重要なのは、不登校や長期入院の子どもへの「ライブ配信」が高く評価されている事実です。長年の懸案に対する大きな前進につながったと伺いました。研究に値する事例ではないでしょうか。

ICT技術を活用する最先端の教育を推進する上で課題となるのは、教員のスキル向上への支援だと思います。若手と比べて、ベテランの先生方が不安をお持ちだと推測します。

ICTの知識やスキルの向上に向けた教員へのきめ細かな支援が重要です。子どもたちのネットリテラシー教育も前進しなければなりません。先ほど申し上げた他都市の先行事例の研究も十分に行なったうえで、これらの充実を求めますがいかがでしょうか。

あわせて、少人数学級と教科担任制、部活動の3つの課題を取り上げたいと思います。いずれも、教員の負担を軽減する働き方改革という観点から注目されていますが、私は子どもたちの成長にとっても極めて大きな可能性を持つと考えています。

少人数学級については、公明党議員団が毎年の予算編成への要望で繰り返し求めていましたが、これに応えて本市では、平成15年度に小学1年生に導入した35人学級を翌年から2年生に拡大。19年度から中学3年生の30人学級を市単独で実施に踏み切っていました。今年1月、萩生田文部科学大臣は公明党の強い申し入れを受け止め、5年計画での「全小学校の35人学級実現」を正式に決定しました。今後のタイムテーブルに基づく着実な推進が求められます。

また、小学校の学級担任以外の教員が担当する専科指導は、本市では非常勤のスクールサポーターが全ての小学校で導入されています。常勤の専科指導教員は、72校で配置されていますが、先月の中教審で令和4年度を目途に高学年で本格的に導入すべきと答申されており、期待が高まっています。

部活動については、少子化による競技人口の減少を受け、学校単位の大会参加の在り方が見直されている中、顧問を担う教員の負担軽減が課題となっています。本市では市独自のガイドラインを作成し、部活動支援員の配置や外部コーチの派遣事業などを実施しており、今後もより一層、地域と連携した充実がカギとなると考えます。
 
新しい時代の重要課題である少人数学級と専科指導、部活動について、国の動向と連動した大胆かつ緻密な手を打って学校現場を活性化して頂きたい。京都の未来を拓く施策推進への決意と展望をお聞かせください。以上で私の質疑を終わります。ご清聴ありがとうございました。
 
≪在田教育長答弁≫(主旨)
来年度から、全校にGIGAスクール推進委員会を設置し、ICT環境を活用して様々な課題を掲げる子どもたちの実態に応じたきめ細かな教育を進めたい。少人数学級や部活動の実践研究を試行実施し、学校現場の活性化を充実してまいりたい。