2021.02.03 (Wed)
1月27日の教育福祉委員会で、保健福祉局への「自宅療養者支援」等の質疑に続いて、子ども若者はぐくみ局に「児童虐待問題」について質疑しました。先日の保健福祉局への質疑と同じく、今回も“文字起こし”して採録します。長文ですが是非お読みください。

なお、京都市会HPのインターネット録画中継にアップされていますので、ご関心ある方はぜひご視聴ください。
京都市会教育福祉委員会動画をクリックしてください。冒頭から約12分間です。
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【吉田】よろしくお願いいたします。1月14日、緊急事態宣言発出の翌日に公明党京都市会議員団が、門川市長に「緊急要望」を提出させて頂きました。市民の皆様から寄せて頂いた声を議員団で精査して、緊急性のある重要なものを取捨選択させて頂いて、絞り込んで16項目の要望を提出しましたが、その中でこの「児童虐待問題」は外せないだろうという事で、市長に取り組みの強化をお願いいたしました。
今、コロナ禍で実際に虐待事案が増加しているのだろうかと心配する声があります。局からの報告によると、昨年の秋の段階における集計では「過去最大」を更新しているとのことですけれども、実態はどうなのか。どのように分析しているのか、この点をご答弁願います。
≪児童センター院長≫ 毎年の夏あるいは秋に、前年度の状況を広報発表させて頂いています。年々増加の傾向を呈していると発表させて頂きました。コロナの感染拡大に伴いまして、緊急事態宣言による外出自粛、臨時休校、保育園の登園自粛などで、子どもたちの生活も大きな変化があったところでございます。今年度に入ってからの「児童虐待」の相談通告の状況を見ますと、昨年度に比べると大きな増減は無かったということでございます。
【吉田】1年近く前、緊急事態宣言が発令されて、春休みが延長されたということで、長期の学校休校がありました。保育園などは保護者が働いておられる等のご事情もあるので、引き続き開園されたという状況があった。そうすると、同じ家族の中でお兄ちゃんやお姉ちゃんが休みだが、下のお子さんは保育園に行かれているというご家庭があった訳です。
それぞれの世代が、お互いが緊張して、気を遣って、自粛されて、「ステイホーム」で外出せず、密閉された中で生活せざるを得なかった。友達と遊ぶことも自粛したり、たまに外で遊んでも近所の人からの視線に晒されるような事にも耐えていたという状況にあった。その後、夏から秋にかけて学校の再開や経済活動再起動などの動きが色々とあった訳ですよね。ところが、年明けにまた緊急事態宣言という状況になった。
何が言いたいかと申しますと、子どもたちも親も、緊張状態が続いて限界がきているのでないかという事なのです。ストレスも、リミットを超えているのではないかと。そういう時期に来ているのでないかと心配をしているのであります。ですから、「緩んでいる」とかの批判がありますが、そうではなく、逆に「疲れている」から、いろんな問題が起こってきているのではないか、こう思う訳なんです。
「昨年の春と同じような自粛は、とてもじゃないが無理なんだ」とか、「あの時もそんなに大きな問題は起こらなかった」とか、いろんな言い分もありますよね。そういう事も踏まえて、各ご家庭の様々な問題を見すえて分析して、対応していくことが行政に求められているのではないかと思います。すなわち、「水面下で深刻な状況が進行している」という危機意識を持って対応する必要があると思います。
ストレスが充満する中で、虐待事案に気づいて早期に対応することが、子どもたちの命を守ることに直結します。子どもの心が壊れたり閉ざされる重大な問題のためにも、学校や園の「気づき」と「通報」および「連携体制」が大事になると思いますが、この点について今どのようにお考えでしょうか。
≪部長≫ ご指摘の通り、コロナ禍におきまして全てのご家庭の緊張感が高まっている状況にあると思われまして、支援が重要であるという認識でございます。これまでも「産後うつ」予防であるとか、家庭訪問やヘルパー派遣などの事業で、精神的な負担の軽減を図ってきたところでございます。加えまして、まさに「気づき」と、そこからの「対応」が重要であると認識してございます。
前回とは違い、今回の緊急事態は学校の一斉休校はございませんが、不要不急の外出への自粛要請が行われる中で、いかにアンテナを張っていくかが重要であり、学校と保育園や幼稚園、児童館や学童等で見守って頂きまして、何か問題があれば児童相談所あるいは各区役所の「はぐくみ室」にご相談いただくよう、依頼をしているところでございます。また、そういった中で、各関係機関が連携することが大切だと思っており、しっかり取り組んでまいります。
【吉田】この何年間で積み重ねられたノウハウがあると思います。また、コロナ禍のなかでの相談実績も重ねられていると思います。それぞれの機関における職員やスタッフ、その周りの地域の皆さんも、それぞれ経験があり、問題意識を共有されていると思います。ぜひ、これまで培ってきたことを踏まえて連携を深め、また検証を重ねて、システムが機能していくようお願いしたい。それをコーディネートする行政の重要性を指摘したいと思います。
同時に、虐待をしてしまう側の保護者への支援も、より重要になると思います。これに就いては、局を超えた連携が大事でして、区役所や区の福祉事務所を核にした、地域ぐるみで「孤立させない」活動が大事になってきます。大きな事件が起こってニュースになったら、市民の関心が高まって様々に取り組まれたとしても、やがて熱が少しずつ沈静化して醒めてしまう。一気に盛り上がっても、継続性に問題があると言えます。これはやむを得ない部分があると思います。だからこそ、行政間の連携、すなわち庁内の部局の連携だけでなく、市を超えた自治体間の情報交換をするという姿勢をお願いしたい。
その上で申し上げたいのは、「児童虐待」に限定せずに「高齢者虐待」や「障がい者虐待」という多世代ではあるが「虐待」という括りで、市民ぐるみの対策を練っている自治体もあると聞いております。それを参考にした取り組みも必要ではないかということでございます。
いずれにしても、これからも様々な報告が入ってきて、2020年度の実情はどうだったのか、分析されるタイミングかと思います。今の質疑でお願いした「連携」を踏まえて、しっかり進めて頂きたい。これが、私どもに寄せられた様々な市民の声を重く受け止めた意見であると申し上げたいと思います。この点についてのご答弁をお願いします。
≪院長≫ いつの時代にも、「児童虐待」の背景には、人間関係の希薄化が影響していると、日ごろ感じているところでございます。やはり、今ご紹介の「地域ぐるみ」の関係、あるいは子どもたちが所属している学校や保育園、そういった関係機関が「小さなサイン」に気づいて、それを大人たちが共有して対応していくシステムが大事になってくると思います。また、虐待をしてしまった家庭についても、引き続き関係機関で情報共有しておりますので、なんらかの小さな変化にもしっかり対応していけるようしてまいりたいと思います。

なお、京都市会HPのインターネット録画中継にアップされていますので、ご関心ある方はぜひご視聴ください。
京都市会教育福祉委員会動画をクリックしてください。冒頭から約12分間です。
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【吉田】よろしくお願いいたします。1月14日、緊急事態宣言発出の翌日に公明党京都市会議員団が、門川市長に「緊急要望」を提出させて頂きました。市民の皆様から寄せて頂いた声を議員団で精査して、緊急性のある重要なものを取捨選択させて頂いて、絞り込んで16項目の要望を提出しましたが、その中でこの「児童虐待問題」は外せないだろうという事で、市長に取り組みの強化をお願いいたしました。
今、コロナ禍で実際に虐待事案が増加しているのだろうかと心配する声があります。局からの報告によると、昨年の秋の段階における集計では「過去最大」を更新しているとのことですけれども、実態はどうなのか。どのように分析しているのか、この点をご答弁願います。
≪児童センター院長≫ 毎年の夏あるいは秋に、前年度の状況を広報発表させて頂いています。年々増加の傾向を呈していると発表させて頂きました。コロナの感染拡大に伴いまして、緊急事態宣言による外出自粛、臨時休校、保育園の登園自粛などで、子どもたちの生活も大きな変化があったところでございます。今年度に入ってからの「児童虐待」の相談通告の状況を見ますと、昨年度に比べると大きな増減は無かったということでございます。
【吉田】1年近く前、緊急事態宣言が発令されて、春休みが延長されたということで、長期の学校休校がありました。保育園などは保護者が働いておられる等のご事情もあるので、引き続き開園されたという状況があった。そうすると、同じ家族の中でお兄ちゃんやお姉ちゃんが休みだが、下のお子さんは保育園に行かれているというご家庭があった訳です。
それぞれの世代が、お互いが緊張して、気を遣って、自粛されて、「ステイホーム」で外出せず、密閉された中で生活せざるを得なかった。友達と遊ぶことも自粛したり、たまに外で遊んでも近所の人からの視線に晒されるような事にも耐えていたという状況にあった。その後、夏から秋にかけて学校の再開や経済活動再起動などの動きが色々とあった訳ですよね。ところが、年明けにまた緊急事態宣言という状況になった。
何が言いたいかと申しますと、子どもたちも親も、緊張状態が続いて限界がきているのでないかという事なのです。ストレスも、リミットを超えているのではないかと。そういう時期に来ているのでないかと心配をしているのであります。ですから、「緩んでいる」とかの批判がありますが、そうではなく、逆に「疲れている」から、いろんな問題が起こってきているのではないか、こう思う訳なんです。
「昨年の春と同じような自粛は、とてもじゃないが無理なんだ」とか、「あの時もそんなに大きな問題は起こらなかった」とか、いろんな言い分もありますよね。そういう事も踏まえて、各ご家庭の様々な問題を見すえて分析して、対応していくことが行政に求められているのではないかと思います。すなわち、「水面下で深刻な状況が進行している」という危機意識を持って対応する必要があると思います。
ストレスが充満する中で、虐待事案に気づいて早期に対応することが、子どもたちの命を守ることに直結します。子どもの心が壊れたり閉ざされる重大な問題のためにも、学校や園の「気づき」と「通報」および「連携体制」が大事になると思いますが、この点について今どのようにお考えでしょうか。
≪部長≫ ご指摘の通り、コロナ禍におきまして全てのご家庭の緊張感が高まっている状況にあると思われまして、支援が重要であるという認識でございます。これまでも「産後うつ」予防であるとか、家庭訪問やヘルパー派遣などの事業で、精神的な負担の軽減を図ってきたところでございます。加えまして、まさに「気づき」と、そこからの「対応」が重要であると認識してございます。
前回とは違い、今回の緊急事態は学校の一斉休校はございませんが、不要不急の外出への自粛要請が行われる中で、いかにアンテナを張っていくかが重要であり、学校と保育園や幼稚園、児童館や学童等で見守って頂きまして、何か問題があれば児童相談所あるいは各区役所の「はぐくみ室」にご相談いただくよう、依頼をしているところでございます。また、そういった中で、各関係機関が連携することが大切だと思っており、しっかり取り組んでまいります。
【吉田】この何年間で積み重ねられたノウハウがあると思います。また、コロナ禍のなかでの相談実績も重ねられていると思います。それぞれの機関における職員やスタッフ、その周りの地域の皆さんも、それぞれ経験があり、問題意識を共有されていると思います。ぜひ、これまで培ってきたことを踏まえて連携を深め、また検証を重ねて、システムが機能していくようお願いしたい。それをコーディネートする行政の重要性を指摘したいと思います。
同時に、虐待をしてしまう側の保護者への支援も、より重要になると思います。これに就いては、局を超えた連携が大事でして、区役所や区の福祉事務所を核にした、地域ぐるみで「孤立させない」活動が大事になってきます。大きな事件が起こってニュースになったら、市民の関心が高まって様々に取り組まれたとしても、やがて熱が少しずつ沈静化して醒めてしまう。一気に盛り上がっても、継続性に問題があると言えます。これはやむを得ない部分があると思います。だからこそ、行政間の連携、すなわち庁内の部局の連携だけでなく、市を超えた自治体間の情報交換をするという姿勢をお願いしたい。
その上で申し上げたいのは、「児童虐待」に限定せずに「高齢者虐待」や「障がい者虐待」という多世代ではあるが「虐待」という括りで、市民ぐるみの対策を練っている自治体もあると聞いております。それを参考にした取り組みも必要ではないかということでございます。
いずれにしても、これからも様々な報告が入ってきて、2020年度の実情はどうだったのか、分析されるタイミングかと思います。今の質疑でお願いした「連携」を踏まえて、しっかり進めて頂きたい。これが、私どもに寄せられた様々な市民の声を重く受け止めた意見であると申し上げたいと思います。この点についてのご答弁をお願いします。
≪院長≫ いつの時代にも、「児童虐待」の背景には、人間関係の希薄化が影響していると、日ごろ感じているところでございます。やはり、今ご紹介の「地域ぐるみ」の関係、あるいは子どもたちが所属している学校や保育園、そういった関係機関が「小さなサイン」に気づいて、それを大人たちが共有して対応していくシステムが大事になってくると思います。また、虐待をしてしまった家庭についても、引き続き関係機関で情報共有しておりますので、なんらかの小さな変化にもしっかり対応していけるようしてまいりたいと思います。