2021.01.16 (Sat)
京都市では、市内中心部と比べて山科区・伏見区・西京区など周辺部は市バス系統が少なく「交通不便地域」と呼ばれています。伏見区の醍醐地域(醍醐・石田・日野・小栗栖)ではコミュニティバスが定着していますが、それ以外の地域では高齢化に伴う「足の確保」問題が喫緊の課題となっています。
私の地元・桃山地域でも、駅や商業施設への移動が困難になった高齢者から「醍醐のような交通機関が導入できないか」との切実な声が寄せられていますが、種々の検討を重ねているものの、結論がなかなか出ない状況です。コミュニティバスを導入しても経営が成り立たずに破たんすれば、もっと大変な事態になるからです。

私は、多くの方々との意見交換を通して、議会の場で何年もかけて質疑を重ねてきました。ちょうど1年少し前の2019年12月の本会議代表質問で、「桃山南地域のバス路線変更」の検討を要望するとともに、長期ビジョンに立脚した福祉施策を提案しました。
その折に市長・副市長から「次期高齢者支援計画に盛り込みます」との答弁がありました。このたび取りまとめられた「京都市長寿すこやかプラン第8期」に新規事業として「介護施設の送迎バスを高齢者移動支援に活用する」施策が盛り込まれ、正式に今後の指標となりました。本当に良かったです。
1月からパブリックコメントも募集されています。ぜひ市民の生の声を寄せて頂きたいと存じます。尚、下記に本会議代表質問の模様を抜粋して紹介します。
*************************************************
2019年11月市会本会議代表質問
12月4日
(略)
【高齢者など交通弱者の移動支援】
最後に、高齢者など交通弱者と言われる方々の移動支援についてお聞きします。私は平成22年11月市会本会議代表質問で地域公共交通の在り方を問題提起し、その後も本会議や委員会で積極的な議論を重ねてきました。
高齢化の進展で、交通弱者の移動支援は極めて重要な課題となっています。醍醐地域はいち早くこの問題に取り組み、コミュニティバスを開業。本年15周年を迎え、乗客800万人を突破する記念イベントが開かれるなど軌道に乗っています。関係者のご尽力に敬意を表します。隣接する桃山地域でも「醍醐のようにできないか」との声が早くから上がっていますが、規模的に採算面で困難であり実現への動きに至っていません。
桃山地域の公共交通問題を、9月市会で同じ伏見区選出の2人の議員も取り上げられました。会派を超えて問題意識を共有しているのです。それほど切実であることを市長も認識していただきたいと申し上げるものでございます。
また、9月市会で提案された「高齢者の安全運転支援と移動手段の確保を求める意見書」でも、「高齢者が日々の買物や通院などに困らないよう、コミュニティバスやデマンド型乗合タクシーの導入など、地域公共交通ネットワークの更なる充実を図ること」と論じており、全会一致で採択され国に送られたところであります。
本年3月の予算委員会と10月の決算委員会で、私は桃山南学区に居住される方が高齢化に伴って駅まで歩く時間が倍増し困っている点を取り上げ、現在運行している京阪バスの「経路変更」を要望しました。
同じ京阪バスで山科区の小金塚と鏡山という2つの地域において新路線や増便などの実証実験も行われています。また、上京区では過去にデマンドバス運行実験など意欲的に取り組んだ経緯がありましたが、トータルな判断で市バスの経路変更を実施。大変に喜ばれています。ぜひ、桃山南学区のバス路線経路変更の実証実験に向け本格的に協議していただきたい。まずこの点を強く求めておきます。
高齢者の移動手段をいかに確保するかという課題は、山間地域や周辺地域だけでなく市街地中心地域でも深刻化することは、私が上京区で活動していた当時から重要な懸案でありました。10月の本会議でも鈴木副市長が「高齢者の方にとって最寄りの駅やバス停までの移動、すなわちラスト・ワンマイルへの支援が求められている」との認識を示しておられます。全市的な地域公共交通ネットワークへのビジョンを明確にして、実現に向けて具体策を検討することは待ったなしの課題であると申し上げるものです。
ただし、他都市で実施されている「ライドシェア」を分析しますと、大型タクシーのワゴン型タイプで乗り合いするスタイルでは、なかなか採算が合わず行政支援が際限なく膨れ上がってしまう懸念が大きく、多くの自治体が二の足を踏んでいる状況であり、厳しい現実があります。
そこで、発想を転換し、現在の「介護予防日常生活支援総合事業」の仕組みを拡充して、高齢者の移動支援に生かせないかと提案させていただきたい。国のガイドラインによると、この総合事業サービスの1つとして、要支援者の移動支援や、その前後の生活支援を行う事例が示されています。本市がこのサービス類型を新たに設けることによって、要支援の高齢者が介護事業者の送迎車両に乗って買い物や医療機関などに立ち寄ることができるようになるのです。
全く新しい仕組みを一から立ち上げるのは大変ですが、この介護予防日常生活支援総合事業を生かすものであれば、実現に向けて大きな可能性があるものと考えます。本市でも、地域に根を張る介護サービス事業者が高齢者の移動支援に取り組む仕組みを構築し、積極的に支援するべきと考えますが、いかがでしょうか。以上で私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
≪村上副市長答弁(主旨)≫
高齢者の移動や外出を支援することは重要と認識。ご提案の「総合事業の訪問型サービス」拡大は、他都市でも導入されている。高齢化進展を重視し、来年度策定の「第8次長寿すこやかプラン」に合わせ検討してまいりたい。
私の地元・桃山地域でも、駅や商業施設への移動が困難になった高齢者から「醍醐のような交通機関が導入できないか」との切実な声が寄せられていますが、種々の検討を重ねているものの、結論がなかなか出ない状況です。コミュニティバスを導入しても経営が成り立たずに破たんすれば、もっと大変な事態になるからです。

私は、多くの方々との意見交換を通して、議会の場で何年もかけて質疑を重ねてきました。ちょうど1年少し前の2019年12月の本会議代表質問で、「桃山南地域のバス路線変更」の検討を要望するとともに、長期ビジョンに立脚した福祉施策を提案しました。
その折に市長・副市長から「次期高齢者支援計画に盛り込みます」との答弁がありました。このたび取りまとめられた「京都市長寿すこやかプラン第8期」に新規事業として「介護施設の送迎バスを高齢者移動支援に活用する」施策が盛り込まれ、正式に今後の指標となりました。本当に良かったです。
1月からパブリックコメントも募集されています。ぜひ市民の生の声を寄せて頂きたいと存じます。尚、下記に本会議代表質問の模様を抜粋して紹介します。
*************************************************
2019年11月市会本会議代表質問
12月4日
(略)
【高齢者など交通弱者の移動支援】
最後に、高齢者など交通弱者と言われる方々の移動支援についてお聞きします。私は平成22年11月市会本会議代表質問で地域公共交通の在り方を問題提起し、その後も本会議や委員会で積極的な議論を重ねてきました。
高齢化の進展で、交通弱者の移動支援は極めて重要な課題となっています。醍醐地域はいち早くこの問題に取り組み、コミュニティバスを開業。本年15周年を迎え、乗客800万人を突破する記念イベントが開かれるなど軌道に乗っています。関係者のご尽力に敬意を表します。隣接する桃山地域でも「醍醐のようにできないか」との声が早くから上がっていますが、規模的に採算面で困難であり実現への動きに至っていません。
桃山地域の公共交通問題を、9月市会で同じ伏見区選出の2人の議員も取り上げられました。会派を超えて問題意識を共有しているのです。それほど切実であることを市長も認識していただきたいと申し上げるものでございます。
また、9月市会で提案された「高齢者の安全運転支援と移動手段の確保を求める意見書」でも、「高齢者が日々の買物や通院などに困らないよう、コミュニティバスやデマンド型乗合タクシーの導入など、地域公共交通ネットワークの更なる充実を図ること」と論じており、全会一致で採択され国に送られたところであります。
本年3月の予算委員会と10月の決算委員会で、私は桃山南学区に居住される方が高齢化に伴って駅まで歩く時間が倍増し困っている点を取り上げ、現在運行している京阪バスの「経路変更」を要望しました。
同じ京阪バスで山科区の小金塚と鏡山という2つの地域において新路線や増便などの実証実験も行われています。また、上京区では過去にデマンドバス運行実験など意欲的に取り組んだ経緯がありましたが、トータルな判断で市バスの経路変更を実施。大変に喜ばれています。ぜひ、桃山南学区のバス路線経路変更の実証実験に向け本格的に協議していただきたい。まずこの点を強く求めておきます。
高齢者の移動手段をいかに確保するかという課題は、山間地域や周辺地域だけでなく市街地中心地域でも深刻化することは、私が上京区で活動していた当時から重要な懸案でありました。10月の本会議でも鈴木副市長が「高齢者の方にとって最寄りの駅やバス停までの移動、すなわちラスト・ワンマイルへの支援が求められている」との認識を示しておられます。全市的な地域公共交通ネットワークへのビジョンを明確にして、実現に向けて具体策を検討することは待ったなしの課題であると申し上げるものです。
ただし、他都市で実施されている「ライドシェア」を分析しますと、大型タクシーのワゴン型タイプで乗り合いするスタイルでは、なかなか採算が合わず行政支援が際限なく膨れ上がってしまう懸念が大きく、多くの自治体が二の足を踏んでいる状況であり、厳しい現実があります。
そこで、発想を転換し、現在の「介護予防日常生活支援総合事業」の仕組みを拡充して、高齢者の移動支援に生かせないかと提案させていただきたい。国のガイドラインによると、この総合事業サービスの1つとして、要支援者の移動支援や、その前後の生活支援を行う事例が示されています。本市がこのサービス類型を新たに設けることによって、要支援の高齢者が介護事業者の送迎車両に乗って買い物や医療機関などに立ち寄ることができるようになるのです。
全く新しい仕組みを一から立ち上げるのは大変ですが、この介護予防日常生活支援総合事業を生かすものであれば、実現に向けて大きな可能性があるものと考えます。本市でも、地域に根を張る介護サービス事業者が高齢者の移動支援に取り組む仕組みを構築し、積極的に支援するべきと考えますが、いかがでしょうか。以上で私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
≪村上副市長答弁(主旨)≫
高齢者の移動や外出を支援することは重要と認識。ご提案の「総合事業の訪問型サービス」拡大は、他都市でも導入されている。高齢化進展を重視し、来年度策定の「第8次長寿すこやかプラン」に合わせ検討してまいりたい。