2015.07.10 (Fri)
7月10日は、市役所を飛び出して、未来への可能性がみなぎる大学キャンパスで、議論を戦わせました。龍谷大学の高橋教授が議員をパネラーとして招待する「公開授業」という斬新な試みが企画されたのです。
自民党・共産党・民主都みらい・京都党・維新の党の各会派代表とともに、公明党京都市会議員団からは不肖・吉田たかおが代表して出席させて頂きました。以下にレポートを掲載します。関心のある方はお読みください。
午前10時45分から12時15分という長丁場であったため、かなりの長文であることを予め申し上げます。また、他会派議員の意見は省き、私の発言分のみの掲載とさせて頂きます。ご了承ください。
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【龍谷大学法学部公開授業】京都市議会政党・会派と学生との質問会・対話会
2015年7月10日(金)10:45~12:15
龍谷大学深草キャンパス22号館305教室
◇高橋教授あいさつ:授業を通じて市民と議員を直接つなげたいとの思いで企画しました。ヨーロッパなどでは学生と市民の対話が普通におこなわれています。政治が若い世代に身近になることが大事なので、学校教育の一環として今回を契機に試行錯誤しつつ頑張っていきたいと考えています。
【自己紹介】
◆吉田:皆さんこんにちは。公明党の吉田たかおと申します。私は三人の娘がおりまして、長女がこの4月に大学生になりました。皆さんから見て父親のような世代であり、まさに「おっさん」だと自覚していますが、本人はいたって若々しいつもりです。世代のギャップはあるかもしれませんが、フランクに語り合っていければなぁと希望しています。
公明党はよく「与党か野党かどっちやねん。『やゆよ』のユ党ちゃうか?」と悪口を言われますが、極端に偏らない中道であり、どこまでも弱い立場の庶民の側に立って「是々非々」を貫いてブレないのが大きな特徴だと自負しています。国においても地域でも、足の引っ張り合いをやめさせていく「与野党の要」の立場で頑張っています。どうぞよろしくお願いします。
【原子力発電・エネルギー問題】
◇質問:政府が決定した計画では、原子力発電がベースロード電源として入っています。各政党の皆さんは、今後も原発を維持する方向でお考えでしょうか。それとも減らす、あるいは廃止する方向でお考えでしょうか。
◆吉田:公明党は、「原発への依存度を減らして将来的にはゼロに」という考えです。安全神話に安住して結果として大惨事を防げなかったことは重く受け止めるべきです。したがって、厳密な規制基準を今以上に強化して、それを国民が理解するとともに、地域住民の皆さんが賛同されることが再稼動の条件であり、「再稼働ありき」で拙速に急ぐべきではないと考えています。しかし、即時廃棄という性急な意見には賛成できません。立地県で働いている様々な立場の方々が路頭に迷うことがあってはならないからです。
省エネを徹底していくことや再生可能エネルギーの実用化も喫緊の課題です。メタンハイドレードや太陽光、地熱発電などへの取り組みを急ぐべきです。また、伏見区の南部クリーンセンターでは家庭から排出される生ごみを砕いて発酵させることで車の燃料に変える「都市油田発掘プロジェクト」をはじめ、先進的な再生可能エネルギーが実用化に向けて研究されています。いずれにしても、ワンイシューで「善か悪か」と決めつける短絡的な視点ではなく、複眼的思考が重要であると申し上げたいと思います。
【大都市行政について】
◇質問:いわゆる「大阪都構想」では「二重行政」を解消する改革が唱えられましたが、京都市では「二重行政」として問題になる事例はありますか。また、「二重行政」と言われるような問題があるならば、どのような解決する取り組みを考えておられますか。
◆吉田:ポイントは、市民や観光客が不便であったり混乱したりしないかどうかという視点です。かつて、府と市の観光案内所が同じ京都駅のエリアの別々の階にあって混乱したケースがありましたが、今は一本化しています。今年オープンした動物愛護センターも同じフロアに府市それぞれの職員が共存して仕事していますし、こども文化会館もそうです。要は、住民サービス向上や利便性を重視して「役割分担」をしっかりやれるかどうかではないでしょうか。
京都では、山田知事と門川市長が定期的に「府市協調パネル」を開催し、具体的な政策課題をタイムリーに話し合っています。トップが直接やり取りし、その前後に実務レベルで着実に進めていくという良い意味でのリズムができていると認識しています。
◇再質問:知事と市長の協議が定着して成果を挙げているとのことですが、現在の知事と市長が長い任期なのでスムーズにできているのであって、もしどちらかが交代した時は、今までのように順調にいくのでしょうか。
◆吉田:広域行政の府と基礎自治体の市は、各々の役割を果たしているなかで、現時点では別々の方向を向いているとは思いません。いずれも、東京一極集中の中央集権ではなく、市民に身近な地方分権を進め、市民ぐるみの地域活性化を志向している共通項があります。
そうした中で、府市それぞれの役割を果たしていくうえで、個々の具体的な問題は市民目線を反映していくという方向性が重要です。我々議員の役割は大きいと考えます。大事なことは、地域に根を張って庶民の切実な声を具体的な政策として実現し、改善していくというサイクルではないでしょうか。
【18歳選挙権について】
◇質問:18歳選挙権が来年の参議院選挙から実施される予定ですが、若者や中高生に対してどのような広報活動を行う予定ですか。また、学校教育との関係についてどのようにお考えですか。
◆吉田:こう見えて、私にも20代の時がありました。(笑い)今から思えば政治への関心は自分も周りの友人も高くなかったですし、まして議員になるとは夢にも思っていませんでした。しかし、多くの男性は若い時は無関心であったのに、中年になれば不思議にも居酒屋や床屋などで政治談議を熱く語り合っています。結婚して子どもが生まれたら地域の安全や防災が切実になりますし、仕事で大事なことを任されるようになると経済の動向や国の将来が否応なく迫ってくるからだと思います。女性はそれよりも少し早くて、出産や子育て支援、保育園などのことで、行政サービスの在り方が極めて身近になってき始めるわけです。
若い世代の皆さんも、今は関心が薄いかもしれませんが、将来は必ず自分の事として受け止めざるを得ないものであると思います。同時に、今でも「若い世代の雇用」など、声を上げていかなければならない課題は多いのではないでしょうか。ぜひ、関心をもって頂きたいですし、鋭い批判精神で物事の本質を多角的に分析する姿勢が大切だと申し上げたいと思います。
京都市会も議会改革を推進しています。そんな中で公明党は、SNS活用など情報発信の強化を提言しています。また、市会の本会議を高校生に傍聴してもらうとか、実際に議席に座って議題を討議するなどの試みを先進的に実施してもらってはどうか、などのアイデアを提起しまして、市会改革推進委員会などで検討している真っ只中です。
同時に、公明党としましても、「公明アプリ」を製作するなどネットの最新技術を駆使して若い世代に発信しています。また個々の議員の情報発信力を強化する取り組みも進めています。昨日も党の青年局が若い世代の方々と意見交換会を開催しました。これからも、「草の根」ネットワークで頑張っていこうと思っています。
【原発に関連しての再質問+α】
◇再質問:原発から出る高濃度廃棄物の処理や避難計画についてどうお考えですか。あと、それ以外に最後に付け加えるものがあればお願いします。
◆吉田:避難計画については、現在も策定されていますが、「それがあるからもうこれ以上は不要」という考えはダメだと思います。日々刻々と状況が変化している訳ですから、随時見直しを積み重ねていくべきと考えています。ただし、避難計画については手元にありませんので、詳細の見解は割愛させて頂きます。ご了承ください。
本年3月、公明党議員団は関電幹部と意見交換会を行ないました。その際に「事故の収束は責任をもって解決していくべき」「再生エネルギーの開発を真剣に取り組むべき」「最新の技術を研究して廃棄物処理を開発しなければならない」との市民の生の声を伝えました。特に、核廃棄物の安全性が不十分であるという点は極めて重要であり、幅ひろく共有していかなければならない重要な課題であると認識しています。市民の目線で頑張ってまいります。
最後に、大都市問題について追加で申し上げます。大阪都構想について一部マスコミから「既成政党が既得権益を守るために反橋下市長で野合している」というレッテルが貼られましたが、そんな単純なものではありません。住民サービスの向上や地域創生の前進のため何が良いのかという大きな課題について、真っ向から政見をぶつけ合い、正々堂々と真摯な議論を戦わせたのです。
公明党は単に反対するだけではなく、「総合区」というビジョンを対案として提起しました。そこには維新の会も加わっているとお聞きしていますが、いずれにしても地方分権への大きな一歩であると注目しているところです。
以上です。貴重な場を提供して頂きありがとうございました。


自民党・共産党・民主都みらい・京都党・維新の党の各会派代表とともに、公明党京都市会議員団からは不肖・吉田たかおが代表して出席させて頂きました。以下にレポートを掲載します。関心のある方はお読みください。
午前10時45分から12時15分という長丁場であったため、かなりの長文であることを予め申し上げます。また、他会派議員の意見は省き、私の発言分のみの掲載とさせて頂きます。ご了承ください。
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【龍谷大学法学部公開授業】京都市議会政党・会派と学生との質問会・対話会
2015年7月10日(金)10:45~12:15
龍谷大学深草キャンパス22号館305教室
◇高橋教授あいさつ:授業を通じて市民と議員を直接つなげたいとの思いで企画しました。ヨーロッパなどでは学生と市民の対話が普通におこなわれています。政治が若い世代に身近になることが大事なので、学校教育の一環として今回を契機に試行錯誤しつつ頑張っていきたいと考えています。
【自己紹介】
◆吉田:皆さんこんにちは。公明党の吉田たかおと申します。私は三人の娘がおりまして、長女がこの4月に大学生になりました。皆さんから見て父親のような世代であり、まさに「おっさん」だと自覚していますが、本人はいたって若々しいつもりです。世代のギャップはあるかもしれませんが、フランクに語り合っていければなぁと希望しています。
公明党はよく「与党か野党かどっちやねん。『やゆよ』のユ党ちゃうか?」と悪口を言われますが、極端に偏らない中道であり、どこまでも弱い立場の庶民の側に立って「是々非々」を貫いてブレないのが大きな特徴だと自負しています。国においても地域でも、足の引っ張り合いをやめさせていく「与野党の要」の立場で頑張っています。どうぞよろしくお願いします。
【原子力発電・エネルギー問題】
◇質問:政府が決定した計画では、原子力発電がベースロード電源として入っています。各政党の皆さんは、今後も原発を維持する方向でお考えでしょうか。それとも減らす、あるいは廃止する方向でお考えでしょうか。
◆吉田:公明党は、「原発への依存度を減らして将来的にはゼロに」という考えです。安全神話に安住して結果として大惨事を防げなかったことは重く受け止めるべきです。したがって、厳密な規制基準を今以上に強化して、それを国民が理解するとともに、地域住民の皆さんが賛同されることが再稼動の条件であり、「再稼働ありき」で拙速に急ぐべきではないと考えています。しかし、即時廃棄という性急な意見には賛成できません。立地県で働いている様々な立場の方々が路頭に迷うことがあってはならないからです。
省エネを徹底していくことや再生可能エネルギーの実用化も喫緊の課題です。メタンハイドレードや太陽光、地熱発電などへの取り組みを急ぐべきです。また、伏見区の南部クリーンセンターでは家庭から排出される生ごみを砕いて発酵させることで車の燃料に変える「都市油田発掘プロジェクト」をはじめ、先進的な再生可能エネルギーが実用化に向けて研究されています。いずれにしても、ワンイシューで「善か悪か」と決めつける短絡的な視点ではなく、複眼的思考が重要であると申し上げたいと思います。
【大都市行政について】
◇質問:いわゆる「大阪都構想」では「二重行政」を解消する改革が唱えられましたが、京都市では「二重行政」として問題になる事例はありますか。また、「二重行政」と言われるような問題があるならば、どのような解決する取り組みを考えておられますか。
◆吉田:ポイントは、市民や観光客が不便であったり混乱したりしないかどうかという視点です。かつて、府と市の観光案内所が同じ京都駅のエリアの別々の階にあって混乱したケースがありましたが、今は一本化しています。今年オープンした動物愛護センターも同じフロアに府市それぞれの職員が共存して仕事していますし、こども文化会館もそうです。要は、住民サービス向上や利便性を重視して「役割分担」をしっかりやれるかどうかではないでしょうか。
京都では、山田知事と門川市長が定期的に「府市協調パネル」を開催し、具体的な政策課題をタイムリーに話し合っています。トップが直接やり取りし、その前後に実務レベルで着実に進めていくという良い意味でのリズムができていると認識しています。
◇再質問:知事と市長の協議が定着して成果を挙げているとのことですが、現在の知事と市長が長い任期なのでスムーズにできているのであって、もしどちらかが交代した時は、今までのように順調にいくのでしょうか。
◆吉田:広域行政の府と基礎自治体の市は、各々の役割を果たしているなかで、現時点では別々の方向を向いているとは思いません。いずれも、東京一極集中の中央集権ではなく、市民に身近な地方分権を進め、市民ぐるみの地域活性化を志向している共通項があります。
そうした中で、府市それぞれの役割を果たしていくうえで、個々の具体的な問題は市民目線を反映していくという方向性が重要です。我々議員の役割は大きいと考えます。大事なことは、地域に根を張って庶民の切実な声を具体的な政策として実現し、改善していくというサイクルではないでしょうか。
【18歳選挙権について】
◇質問:18歳選挙権が来年の参議院選挙から実施される予定ですが、若者や中高生に対してどのような広報活動を行う予定ですか。また、学校教育との関係についてどのようにお考えですか。
◆吉田:こう見えて、私にも20代の時がありました。(笑い)今から思えば政治への関心は自分も周りの友人も高くなかったですし、まして議員になるとは夢にも思っていませんでした。しかし、多くの男性は若い時は無関心であったのに、中年になれば不思議にも居酒屋や床屋などで政治談議を熱く語り合っています。結婚して子どもが生まれたら地域の安全や防災が切実になりますし、仕事で大事なことを任されるようになると経済の動向や国の将来が否応なく迫ってくるからだと思います。女性はそれよりも少し早くて、出産や子育て支援、保育園などのことで、行政サービスの在り方が極めて身近になってき始めるわけです。
若い世代の皆さんも、今は関心が薄いかもしれませんが、将来は必ず自分の事として受け止めざるを得ないものであると思います。同時に、今でも「若い世代の雇用」など、声を上げていかなければならない課題は多いのではないでしょうか。ぜひ、関心をもって頂きたいですし、鋭い批判精神で物事の本質を多角的に分析する姿勢が大切だと申し上げたいと思います。
京都市会も議会改革を推進しています。そんな中で公明党は、SNS活用など情報発信の強化を提言しています。また、市会の本会議を高校生に傍聴してもらうとか、実際に議席に座って議題を討議するなどの試みを先進的に実施してもらってはどうか、などのアイデアを提起しまして、市会改革推進委員会などで検討している真っ只中です。
同時に、公明党としましても、「公明アプリ」を製作するなどネットの最新技術を駆使して若い世代に発信しています。また個々の議員の情報発信力を強化する取り組みも進めています。昨日も党の青年局が若い世代の方々と意見交換会を開催しました。これからも、「草の根」ネットワークで頑張っていこうと思っています。
【原発に関連しての再質問+α】
◇再質問:原発から出る高濃度廃棄物の処理や避難計画についてどうお考えですか。あと、それ以外に最後に付け加えるものがあればお願いします。
◆吉田:避難計画については、現在も策定されていますが、「それがあるからもうこれ以上は不要」という考えはダメだと思います。日々刻々と状況が変化している訳ですから、随時見直しを積み重ねていくべきと考えています。ただし、避難計画については手元にありませんので、詳細の見解は割愛させて頂きます。ご了承ください。
本年3月、公明党議員団は関電幹部と意見交換会を行ないました。その際に「事故の収束は責任をもって解決していくべき」「再生エネルギーの開発を真剣に取り組むべき」「最新の技術を研究して廃棄物処理を開発しなければならない」との市民の生の声を伝えました。特に、核廃棄物の安全性が不十分であるという点は極めて重要であり、幅ひろく共有していかなければならない重要な課題であると認識しています。市民の目線で頑張ってまいります。
最後に、大都市問題について追加で申し上げます。大阪都構想について一部マスコミから「既成政党が既得権益を守るために反橋下市長で野合している」というレッテルが貼られましたが、そんな単純なものではありません。住民サービスの向上や地域創生の前進のため何が良いのかという大きな課題について、真っ向から政見をぶつけ合い、正々堂々と真摯な議論を戦わせたのです。
公明党は単に反対するだけではなく、「総合区」というビジョンを対案として提起しました。そこには維新の会も加わっているとお聞きしていますが、いずれにしても地方分権への大きな一歩であると注目しているところです。
以上です。貴重な場を提供して頂きありがとうございました。