吉田たかおのよしだッシュブログ

京都市会議員 (公明党)・吉田孝雄が日々感じたことを綴ります。

海外行政調査報告会

2013.11.30 (Sat)
11月29日11時15分より、京都市会本会議場で海外行政調査報告会が開かれ、7月28日から8月5日までの日程で超党派の視察団がドイツ・フランス・イギリスの3ヶ国で研さんした成果を発表しました。

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自民・民主・公明の三会派8名を代表し、中村議員(自民)、中野議員(民主)とともに、私が公明党を代表して登壇。

中村議員は、到着翌日に訪れたベルリン市内の公共交通機関や犬の学校、3日目に視察した世界最大規模の動物保護移設「ティアハイム」について報告。中野議員は、6日目から訪問したイギリスの工程を報告しました。

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私は、4日目(ボン市)と5日目(パリ市)について報告。下記に、発表した原稿を掲載します。約7分間の長さですが、濃密な内容ですので、ご関心ある方はお読みください。

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【吉田担当分】

 私からは、ボン市とパリ市の報告をさせて頂きます。

 海外行政調査4日目(7月31日)は、電車でベルリンからボンに移動し、2ヶ所を訪問しました。午前中は、ドイツ動物保護連盟です。

 ドイツ動物保護連盟は、動物虐待防止のため、1881年に設立された民間組織で、200年以上の歴史があります。

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 この連盟には、全ドイツ16の州ごとに、720地域の動物保護協会、500を超えるティアハイム、及びドイツ全国の80万人以上の個人会員が加盟していまして、ヨーロッパの最大の動物保護組織です。

 現在、年間8億円余りの歳入がありますが、州からの助成金ではなく、個人の会費や寄付金、相続金等が7割を占めています。

 活動としては、全国の動物愛護団体間で連携を取りながら、金銭的援助、EUや国会議員に対するロビー活動を推進しています。ロビー活動では、感情的にならずに客観的に判断できる化学的情報を提出するとともに、自前のプレスを活用して世論を高めており、インパクトのあるポスターを作製するなど、広報活動に努めています。国、州、市町村などの自治体と民間活力の融合が大きな特長といえます。

 現在、力を入れている課題が、猫の保護です。野良猫の避妊・去勢を義務づける条例を全国的に展開したいと、強く呼びかけています。

 また、災害時の動物保護も重視し、いざという時に動物を見捨てないよう協力体制を隣接する自治体同士で構築し、それでも足りない場合は、国に要請すれば出動してくれるという体制の充実を進めています。

 寄付金を集めるためには、会員に手紙やメールを送るなど呼びかけるほか、広報、メディアを活用しています。また、マイクロチップ装着を普及させる広報活動を推進しています。

 今回学んだ大きな特長は「動物保護教師」です。動物保護教師は資格を持った人が小学校や幼稚園、自治体に動物保護の授業をしに行くという、昨年から始まった事業です。

 資格を取る研修は、年に2回、春と秋に行っていまして、研修期間は2週間。1回につき20名の定員ですが、もっと増やしてほしいというニーズが多いとのこと。メンバーの年齢層は18歳から64歳までで、35歳以上の方が比較的多いとのこと。報酬は当事者同士が話し合うが、ボランティアが主流です。

 7/31 の午後は、ドイツの動物保護を所管する政府機関、食糧農業消費者省を訪問しました。ドイツでは、2011年度の飼育頭数は犬が540万頭で、猫は870万頭で、犬より猫の数が多いのは、仕事を持っている人やひとり暮らしの人からは、散歩などが必要のない猫の室内飼いが好まれているとのことです。

 動物保護法に、正当な理由なく動物を殺してはならないと定めていますので、ティアハイムにおける殺処分は、重度の疾病や重傷を負っている場合、あるいは極度の攻撃性があるなどと判断された場合に限られています。収容場所がないなどの施設側の理由によって殺処分することは法に反するわけです。

 また、犬猫の虐待、遺棄や、過度のしつけ、耳や尻尾の切断なども禁止されています。虐待する飼い主には、警告を実施し、押収する処置もありますが、重さによっては禁固刑もあります。

 次に、商工会や職業組合が開発した全国公認の「 飼い主免許 」という制度については、数年前に小学生がかみ殺されるという悲惨な事件をきっかけに、国として特定の闘犬種や人を何度もかんだ犬は「免許」が無ければ飼えないという規制を取り決めました。「 飼い主免許 」の意義は前向きに受け止められ、動物保護の観念に基づいた免許制度に進化していく方針とのことです。

 犬の学校やトレナーとして開業する場合にも、来年から必ず役所の許可が必要となりました。

 最後に、犬税について報告します。犬税は犬の数を抑制することを目的に導入されました。税額は、ベルリンでは1頭目は120ユーロ、2頭目以降が180ユーロとなっています。自治体によっては2頭目以降や危険な闘犬種に高額の課税を行っているところもあります。犬税の使い道については、ドイツの税制システムとして犬税に限らず一般税扱いで犬の飼養ために限定されないため、民間団体は撤廃を求めているとのことです。

 5日目、フランスのパリに移動し、パリ市役所の取り組みを学びました。

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 観光都市パリは、犬のふんが放置されている実態、すなわち「ふん害」に対し、徹底的に取り組んでこられました。1984より本格的に着手した取り組みは、試行錯誤の連続でした。

 まず、歩道と車道の間にある「カニゴー」という側溝にホウキで中水道に流し込むやり方は、自転車や歩行者の迷惑になるとの理由で取りやめになりました。次に、「モトクロット」という糞処理専用バイクでバキューム作業、小規模公園に専用トイレを設置する「カニゼット」を設けましたが、費用対効果が理由で廃止しました。

 続いて、「糞処理専用スタンド」を設置する社会実験も行いましたが、これも同じく費用対効果が理由で廃止しました。

 結局、行政が何かを作るのではなく、「飼い主が責任を持って処理する」ことが一番よいと結論が出て、これがひろく市民に認知されました。そこで、条例を改正し、飼い主が処理することを義務付け、罰則を強化したという一連の流れがあるのです。罰金183ユーロでしたが、2011年より35ユーロに値下げになっています。

 同時に、大型ポスター等で大々的にキャンペーンを実施し、目を引く工夫がされる啓発活動を継続しています。

 市内の日常パトロールについては、毎日80人の担当者で実施していまして、犬以外のポイ捨ても摘発しています。2002年は年間4,300件の罰金刑を施行しましたが、2012年は2,300件に減少しました。

 飼い主の意識が深化して、ほとんどの飼い主が糞を放置しなくなったそうです。その要因は、罰金だけでなく、一般市民の飼い主への視線がシビアで直接指摘するケースがあるためとのことです。

 なお、現在は、飼い主が家に持ちかえらなくてもよいように、行政が対策を練っていまして、具体的には、市内3万ヶ所に透明のビニール袋を8m間隔で設置し、パリ市衛生局が毎日収集しています。

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 続いて、フランス農業水産省について報告します。フランスは、連邦制のドイツとは違い、中央集権体制のもと農水省が規制し監督しており、ペット業者の販売を認可する代わりに厳しく行政指導する仕組みを構築しています。業者や飼い主には、罰則や資格剥奪、罰金刑や懲役刑などもあります。

 また、EU加盟国で最もペットを飼養している国家で、全国6,300万頭(犬740万、鳥640万、猫1,140万、哺乳類260万、魚350万)とのことです。

 フランスでは、犬猫の公共交通利用は原則禁止ですが、条件付きで認可されていまして、パリでは600km以内は無料、盲導犬は制限なしです。また、集合住宅での飼養も、リード使用等の条件付きで認められています。

 ドイツでもいえることですが、個体識別番号などの詳細データの管理が義務付けられており、動物の命の尊厳を重視し、それが生活に根付いていることを強く感じました。生命を大切にし、弱い存在に温かなまなざしを注ぐ社会の構築に向け、京都市も大いに学ぶべきであると考えます。

 以上で、私からの報告を終わります。