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- 2017/10/27 : 決算特別委員会市長総括質疑 (MyOpinion)
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2017.10.27 (Fri)
10月26日、私・吉田たかおは京都市会本会議場で開催された決算特別委員会の市長総括質疑で、門川市長への質問に立ちました。

昨年度は予算・決算委員会の主査を務めさせていただいていた関係で、局別質疑や総括質疑は1年ぶり。1年間の熱い思いを込めて質問させていただきました。
下記に質問原稿と、答弁の主旨を掲載させていただきます。長い文章で恐縮ですが、関心のある方はお読みください。
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決算特別委員会市長総括質疑
吉田孝雄(公明党)
【自転車安全教育】-1
自転車政策については、「新自転車計画」策定以降、放置自転車の台数がピーク時から90%削減され、矢羽根を活用した走行環境の見える化が促進されています。さらには自転車保険の義務化など、多角的な政策が目に見える形で着実に前進していると思います。
こうした成果が全国の自転車関係者や自治体の担当者から注目され、本年2月に自転車業界の専門月刊誌「パーキングプレス」という雑誌から取材を受けました。なんと表紙も市役所をバックに私が写っておりまして、巻頭ページに8ページにわたって京都市の自転車政策が特集されたのでございます。自慢のようで恐縮ですが、本市の政策への高い評価の表れとして紹介させていただきます。
決算委員会の局別質疑では、建設局や教育委員会に対して自転車のルール・マナーを進化させるために取り組んでいる「自転車安全教育」に絞って質疑させていただきました。本市の自転車安全教育については、先月にお伺いした金沢市のNGOの方からも「京都が日本で一番進んでいる」と高く評価されていました。来月愛媛県松山市で開催される「自転車利用環境向上会議」においても、この方からの推薦で本市の実状が先進事例として紹介されると聞いています。
今取り組んでおられるライフステージに合わせた自転車安全教育、すなわち、学齢期前から小中学校、高校大学、社会人、高齢者など、各々の世代に合わせた取り組みを一層充実していくべきと考えますが、市長のご所見を伺いたいと思います。
≪村上副市長≫
自転車は有用なツールであると認識。事故を防止し、マナーを向上するためにも、様々な安全教育を今後も力を入れて取り組んでまいりたい。
【自転車安全教育】-2
今後は高齢者への啓発にも着手していくべきと考えます。また、学校現場においては中学生への啓発が今後の課題です。自転車講習の実施校も22校と30%以下にとどまっています。小学生と比べて中高生は自転車教室にぴんと来ないとか面白くないと感じてしまうことは仕方ないと思います。
昨年度から、スタントマンが実際に自転車と車の衝突事故を再現して危険性をストレートに伝える「スケアードストレイト方式」の講習や、各学校の周辺の画像を駆使して自分たちに直接かかわる問題であることが理解できる手法で好評の「見てわかる教育」が建設局の予算で実施されています。教育委員会もバックアップされていることは理解できますが、今後は中高生や大学生への教育を主体的に推進するべきではないでしょうか。

伏見区の中学で「見てわかる教育」を見学しましたが、中学生が食い入るようにスライドを見ていました。現場感覚で工夫を凝らせば大きな効果があると実感した次第です。ぜひ、一部の試行実施で終結するのではなく、全校で継続的に実施するべきと申し上げたい。
今、京都市の小学生が必ず4年生で自転車教室を体験することが定着しています。それと同じで、中学生が必ず講習を受けることが出来る体制を確立していただきたいと思います。専門家の招へいでは不足しますので、教育委員会でチームを発足させて、「交通安全」だけでなく「エコ教育」「性教育」「ネットリテラシー」「薬物問題」「防災」などの重要なテーマを巡回していっていいかがでしょう。ぜひ検討してもらいたいと思います。
そのうえで、今回の質疑で答弁をいただきたいのは、就学前の子どもと保護者を対象とする取組みを重視し、具体的に前進してもらいたいことです。デンマーク式の自転車教室が京都でも大好評であり、マナーアップフェスタなどのイベントで告知した際には多くの申し込みがあるとお聞きしています。横浜市や大坂市でも実施され、私も視察しましたが、大好評でありました。
自転車の乗り方だけでなく、ルール・マナーを楽しみながら学べる機会を「常設」の場で定期的に開催することが重要です。先月の本会議で、大宮交通公園において自転車等を中心とした交通安全を学ぶ環境を整備すべきとの主旨の有識者からの答申があったと副市長が発表されました。ぜひ、京都ならではの、自転車教育の拠点となるサイクルセンターにしていただきたいと思います。ご決意をお聞かせください。
≪植村副市長≫
大宮交通公園の再整備にあたって、常設の「サイクルセンター」を設置する方針である。
【民泊問題】
「民泊問題」は、本日の質疑でも何人もの委員が取り上げられていました。公明党議員団として、本日登壇した2人に続いて私も論じたいと思います。それほど重視しています。
この問題は、どこまでも法令遵守と地域住民との調和が大前提であると思います。28年度の集計では、通報が約2千件、現地調査をのべ2,143回実施し、300施設の営業を停止したとのことです。関係者の尽力に敬意を表するものですが、営業停止後に名義を変えて営業する悪質なケースへの対応も必要ではないでしょうか。
局別質疑で確認しましたが、専用ネット「エアービーアンドビー」に掲載されている5千を超える膨大な情報を精査し、突き止めるのは困難であるということでした。これは理解できるところです。ぜひ、積み重ねたノウハウを分析し今後の対策を図っていただきたい。保健福祉局のセンターの充実とともに委託先の業者との連携を強化するなど、チーム力を向上するテコ入れも検討する必要があります。この点をまず指摘したいと思います。
そのうえで申し上げたいのは、市民からの相談に対する適切な対応が今後も大事であるということです。ある人が窓口に通報した時に、「民泊施設が建つ前に対応することは不可能。建ってからしか当たれない」と言われたとのことですが、これは「市民感覚」から首をかしげざるを得ません。
市が建築確認したものに後から「不可です」と言っても業者側は承服するのでしょうか。どう考えても、業者への対応が後手になってしまうのではないかと思いました。市民から心配されたり誤解されないよう、地域との連携を深めることは当然ですが、保健福祉局や行財政局、都市計画局が縦割りではなく、迅速かつ効果的な対応を進めていくべきです。条例などのルール化にあたって、観光都市京都の市民の声に応えるものにしていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
≪村上副市長≫
各局が情報を共有してチームを組んで実効力ある取り組みを促進してまいりたい。
【自殺対策】
「自殺対策」は数値が減少するなど、様々な施策が実を結んでいると評価できます。この問題は「命の大切さ」を市民1人1人が他人事ではなく自分事とらえ、様々な切実な理由によって自らの命を絶たざるを得ない状況に追い込まれ、それ以外に選択肢を無いという閉塞状態にもがいでいる人に、「生きる勇気と力」を取り戻すための支援です。
第17回の京都市自殺総合対策連絡会の会議録を読みますと、昨年に京都府で424名が自殺され、7割が男性であるとのことです。20歳代で死因の一番が自殺という統計が報告されています。また、救急病院に運ばれた自殺未遂の方に対して専門機関につなげることが重要であるとの意見もあります。
リストカット等を繰り返す未遂者のサインに気づくための情報整理が求められていました。また、電話や対面で相談に乗って寄り添った相談委員が「救えなかった」と自責するケースもあるとのことで、ケアが必要ではとの発言もありました。
自死遺族は精神面で想像を絶する苦しみに直面します。「なぜ救えなかったのか、SOSのサインに気づけなかったのか」と取り返しのつかない後悔の念にさいなまされるだけでなく、周囲の目線にもさらされます。岩波ブックレット「自死は、向き合える」と言う書籍で、補償問題にも直面して困窮する家族の実態が紹介されています。心のケアに携わる相談体制等のサポートの充実に加え、融資等の補助が必要ではないでしょうか。
いずれにしても、「生きづらさ」を克服するためのビジョンが重要であり、「自殺は自己責任」という社会通念の転換が大きな課題です。弱者切り捨てにならない社会を構築していくため、行政の施策展開を一層拡充するよう求めたいと思います。いかがですか。
≪村上副市長≫
自殺対策推進計画を改定して実情に適った改善を進めている。相談窓口の拡充をはじめ具体的な取り組みに力を入れてまいりたい。
【子育て支援のための住宅政策】
最後に「子育て支援」をお聞きします。市長は、子育て環境日本一を目指し様々な施策をスピーディーに進めておられます。昨年発表されたマニフェストで「子育て・若年層世帯への住宅支援」が提示され、少しずつ効果が出始めていると認識しています。
子育て世帯が他都市に転出するのを防ぐとともに、結婚などで出ていった方も市内に戻ってきてもらうことが、京都活性化に直結します。都市間競争が激化している今、京都市が、子育て世帯から「魅力あるまちだ」と実感してもらえるため、目に見える住宅政策が大事だと考え、様々な方々とひざ詰めで懇談を重ねました。
その声を具体的な政策に実現するべく、議会の場でいくつか提案していますが、本年5月市会本会議で「高齢者と子育て世帯の住み替え制度」の拡充を求めました。本日はもう1つ、8年前の本会議代表質問で提案した「二世帯住宅改修助成制度」を申し上げたいと思います。
街を歩きますと、改築されたキレイなお宅の表札が2つ並んでいるケースを目にします。アニメのサザエさんで「磯野」さんと「ふぐ田」さんが同居されているような3世代同居のご家庭では、トイレを2階に作ったり、子ども部屋を増設するような改築が必要になります。こうした改築工事に助成してはどうかというアイデアであったわけです。
現在、京都府の「結婚子育て応援住宅総合支援事業」がありますが、京都市としての実施はまだとのことです。これと連動して、大いに力をいれて京都市としての具体策を練り上げて、子育て世代が京都の魅力を感じる施策となるよう検討していただきたい。いかがでしょうか。
≪植村副市長≫
11月に審議会で話し合っていただき、有識者や関係者の知恵をすり合わせて、効果的な施策を具体化してまいりたい。
【要望:就学時の支援】
時間が少しありますので、要望を申し上げたいと存じます。それは、就学時の支援を検討していただきたいという点です。
少子化対策が「国難」ともいうべき最重要課題であると安倍総理が解散を断行しました。今回の総選挙では、各政党が「教育負担の軽減」を公約に掲げました。この財源については、自民党・公明党は消費税の増税分を充てるとしましたが、他の政党は消費税を凍結すると主張しており、矛盾は明らかです。消費税自体を撤回せよと主張する党もあり、理解に苦しみます。
打ち出の小槌のように国にあれもこれも求める人がいますが、そんな無責任なあり方ではなく、限られた予算を効果的に運用して市民生活に貢献するための工夫を凝らすべきではないでしょうか。
局別質疑で、子育て中のお母さんたちから寄せていただいた「せめて体操服と上履きは自己負担しない制度を」との声を紹介しましたい。今、就学援助対象の児童生徒への支援は充実しているわけですが、それ以外の世帯でも教育費負担は大変です。特に、体操服については、PTAで呼びかけてリサイクルしている地域もあるくらいです。
就学援助家庭への支援をこれからも充実することは、以前から公明党として求めており、西山議員が主張した「入学前の学用品費支給」も実現したところです。そのうえで、それ以外のご家庭も含めた支援も必要ではないでしょうか。
せめて、体操服と上履きだけでも全員実施となれば、子育て支援が充実していると、市民の実感が広がります。1人6,000円から8000円くらい、1万円未満ではないかと存じますので、1億円以内の予算で可能であると思います。ぜひご検討いただきたい。このことを要望いたしまして、終わらせていただきます。ありがとうございました。

昨年度は予算・決算委員会の主査を務めさせていただいていた関係で、局別質疑や総括質疑は1年ぶり。1年間の熱い思いを込めて質問させていただきました。
下記に質問原稿と、答弁の主旨を掲載させていただきます。長い文章で恐縮ですが、関心のある方はお読みください。
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決算特別委員会市長総括質疑
吉田孝雄(公明党)
【自転車安全教育】-1
自転車政策については、「新自転車計画」策定以降、放置自転車の台数がピーク時から90%削減され、矢羽根を活用した走行環境の見える化が促進されています。さらには自転車保険の義務化など、多角的な政策が目に見える形で着実に前進していると思います。
こうした成果が全国の自転車関係者や自治体の担当者から注目され、本年2月に自転車業界の専門月刊誌「パーキングプレス」という雑誌から取材を受けました。なんと表紙も市役所をバックに私が写っておりまして、巻頭ページに8ページにわたって京都市の自転車政策が特集されたのでございます。自慢のようで恐縮ですが、本市の政策への高い評価の表れとして紹介させていただきます。
決算委員会の局別質疑では、建設局や教育委員会に対して自転車のルール・マナーを進化させるために取り組んでいる「自転車安全教育」に絞って質疑させていただきました。本市の自転車安全教育については、先月にお伺いした金沢市のNGOの方からも「京都が日本で一番進んでいる」と高く評価されていました。来月愛媛県松山市で開催される「自転車利用環境向上会議」においても、この方からの推薦で本市の実状が先進事例として紹介されると聞いています。
今取り組んでおられるライフステージに合わせた自転車安全教育、すなわち、学齢期前から小中学校、高校大学、社会人、高齢者など、各々の世代に合わせた取り組みを一層充実していくべきと考えますが、市長のご所見を伺いたいと思います。
≪村上副市長≫
自転車は有用なツールであると認識。事故を防止し、マナーを向上するためにも、様々な安全教育を今後も力を入れて取り組んでまいりたい。
【自転車安全教育】-2
今後は高齢者への啓発にも着手していくべきと考えます。また、学校現場においては中学生への啓発が今後の課題です。自転車講習の実施校も22校と30%以下にとどまっています。小学生と比べて中高生は自転車教室にぴんと来ないとか面白くないと感じてしまうことは仕方ないと思います。
昨年度から、スタントマンが実際に自転車と車の衝突事故を再現して危険性をストレートに伝える「スケアードストレイト方式」の講習や、各学校の周辺の画像を駆使して自分たちに直接かかわる問題であることが理解できる手法で好評の「見てわかる教育」が建設局の予算で実施されています。教育委員会もバックアップされていることは理解できますが、今後は中高生や大学生への教育を主体的に推進するべきではないでしょうか。

伏見区の中学で「見てわかる教育」を見学しましたが、中学生が食い入るようにスライドを見ていました。現場感覚で工夫を凝らせば大きな効果があると実感した次第です。ぜひ、一部の試行実施で終結するのではなく、全校で継続的に実施するべきと申し上げたい。
今、京都市の小学生が必ず4年生で自転車教室を体験することが定着しています。それと同じで、中学生が必ず講習を受けることが出来る体制を確立していただきたいと思います。専門家の招へいでは不足しますので、教育委員会でチームを発足させて、「交通安全」だけでなく「エコ教育」「性教育」「ネットリテラシー」「薬物問題」「防災」などの重要なテーマを巡回していっていいかがでしょう。ぜひ検討してもらいたいと思います。
そのうえで、今回の質疑で答弁をいただきたいのは、就学前の子どもと保護者を対象とする取組みを重視し、具体的に前進してもらいたいことです。デンマーク式の自転車教室が京都でも大好評であり、マナーアップフェスタなどのイベントで告知した際には多くの申し込みがあるとお聞きしています。横浜市や大坂市でも実施され、私も視察しましたが、大好評でありました。

自転車の乗り方だけでなく、ルール・マナーを楽しみながら学べる機会を「常設」の場で定期的に開催することが重要です。先月の本会議で、大宮交通公園において自転車等を中心とした交通安全を学ぶ環境を整備すべきとの主旨の有識者からの答申があったと副市長が発表されました。ぜひ、京都ならではの、自転車教育の拠点となるサイクルセンターにしていただきたいと思います。ご決意をお聞かせください。
≪植村副市長≫
大宮交通公園の再整備にあたって、常設の「サイクルセンター」を設置する方針である。
【民泊問題】
「民泊問題」は、本日の質疑でも何人もの委員が取り上げられていました。公明党議員団として、本日登壇した2人に続いて私も論じたいと思います。それほど重視しています。
この問題は、どこまでも法令遵守と地域住民との調和が大前提であると思います。28年度の集計では、通報が約2千件、現地調査をのべ2,143回実施し、300施設の営業を停止したとのことです。関係者の尽力に敬意を表するものですが、営業停止後に名義を変えて営業する悪質なケースへの対応も必要ではないでしょうか。
局別質疑で確認しましたが、専用ネット「エアービーアンドビー」に掲載されている5千を超える膨大な情報を精査し、突き止めるのは困難であるということでした。これは理解できるところです。ぜひ、積み重ねたノウハウを分析し今後の対策を図っていただきたい。保健福祉局のセンターの充実とともに委託先の業者との連携を強化するなど、チーム力を向上するテコ入れも検討する必要があります。この点をまず指摘したいと思います。
そのうえで申し上げたいのは、市民からの相談に対する適切な対応が今後も大事であるということです。ある人が窓口に通報した時に、「民泊施設が建つ前に対応することは不可能。建ってからしか当たれない」と言われたとのことですが、これは「市民感覚」から首をかしげざるを得ません。
市が建築確認したものに後から「不可です」と言っても業者側は承服するのでしょうか。どう考えても、業者への対応が後手になってしまうのではないかと思いました。市民から心配されたり誤解されないよう、地域との連携を深めることは当然ですが、保健福祉局や行財政局、都市計画局が縦割りではなく、迅速かつ効果的な対応を進めていくべきです。条例などのルール化にあたって、観光都市京都の市民の声に応えるものにしていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。
≪村上副市長≫
各局が情報を共有してチームを組んで実効力ある取り組みを促進してまいりたい。
【自殺対策】
「自殺対策」は数値が減少するなど、様々な施策が実を結んでいると評価できます。この問題は「命の大切さ」を市民1人1人が他人事ではなく自分事とらえ、様々な切実な理由によって自らの命を絶たざるを得ない状況に追い込まれ、それ以外に選択肢を無いという閉塞状態にもがいでいる人に、「生きる勇気と力」を取り戻すための支援です。
第17回の京都市自殺総合対策連絡会の会議録を読みますと、昨年に京都府で424名が自殺され、7割が男性であるとのことです。20歳代で死因の一番が自殺という統計が報告されています。また、救急病院に運ばれた自殺未遂の方に対して専門機関につなげることが重要であるとの意見もあります。
リストカット等を繰り返す未遂者のサインに気づくための情報整理が求められていました。また、電話や対面で相談に乗って寄り添った相談委員が「救えなかった」と自責するケースもあるとのことで、ケアが必要ではとの発言もありました。
自死遺族は精神面で想像を絶する苦しみに直面します。「なぜ救えなかったのか、SOSのサインに気づけなかったのか」と取り返しのつかない後悔の念にさいなまされるだけでなく、周囲の目線にもさらされます。岩波ブックレット「自死は、向き合える」と言う書籍で、補償問題にも直面して困窮する家族の実態が紹介されています。心のケアに携わる相談体制等のサポートの充実に加え、融資等の補助が必要ではないでしょうか。
いずれにしても、「生きづらさ」を克服するためのビジョンが重要であり、「自殺は自己責任」という社会通念の転換が大きな課題です。弱者切り捨てにならない社会を構築していくため、行政の施策展開を一層拡充するよう求めたいと思います。いかがですか。
≪村上副市長≫
自殺対策推進計画を改定して実情に適った改善を進めている。相談窓口の拡充をはじめ具体的な取り組みに力を入れてまいりたい。
【子育て支援のための住宅政策】
最後に「子育て支援」をお聞きします。市長は、子育て環境日本一を目指し様々な施策をスピーディーに進めておられます。昨年発表されたマニフェストで「子育て・若年層世帯への住宅支援」が提示され、少しずつ効果が出始めていると認識しています。
子育て世帯が他都市に転出するのを防ぐとともに、結婚などで出ていった方も市内に戻ってきてもらうことが、京都活性化に直結します。都市間競争が激化している今、京都市が、子育て世帯から「魅力あるまちだ」と実感してもらえるため、目に見える住宅政策が大事だと考え、様々な方々とひざ詰めで懇談を重ねました。
その声を具体的な政策に実現するべく、議会の場でいくつか提案していますが、本年5月市会本会議で「高齢者と子育て世帯の住み替え制度」の拡充を求めました。本日はもう1つ、8年前の本会議代表質問で提案した「二世帯住宅改修助成制度」を申し上げたいと思います。
街を歩きますと、改築されたキレイなお宅の表札が2つ並んでいるケースを目にします。アニメのサザエさんで「磯野」さんと「ふぐ田」さんが同居されているような3世代同居のご家庭では、トイレを2階に作ったり、子ども部屋を増設するような改築が必要になります。こうした改築工事に助成してはどうかというアイデアであったわけです。
現在、京都府の「結婚子育て応援住宅総合支援事業」がありますが、京都市としての実施はまだとのことです。これと連動して、大いに力をいれて京都市としての具体策を練り上げて、子育て世代が京都の魅力を感じる施策となるよう検討していただきたい。いかがでしょうか。
≪植村副市長≫
11月に審議会で話し合っていただき、有識者や関係者の知恵をすり合わせて、効果的な施策を具体化してまいりたい。
【要望:就学時の支援】
時間が少しありますので、要望を申し上げたいと存じます。それは、就学時の支援を検討していただきたいという点です。
少子化対策が「国難」ともいうべき最重要課題であると安倍総理が解散を断行しました。今回の総選挙では、各政党が「教育負担の軽減」を公約に掲げました。この財源については、自民党・公明党は消費税の増税分を充てるとしましたが、他の政党は消費税を凍結すると主張しており、矛盾は明らかです。消費税自体を撤回せよと主張する党もあり、理解に苦しみます。
打ち出の小槌のように国にあれもこれも求める人がいますが、そんな無責任なあり方ではなく、限られた予算を効果的に運用して市民生活に貢献するための工夫を凝らすべきではないでしょうか。
局別質疑で、子育て中のお母さんたちから寄せていただいた「せめて体操服と上履きは自己負担しない制度を」との声を紹介しましたい。今、就学援助対象の児童生徒への支援は充実しているわけですが、それ以外の世帯でも教育費負担は大変です。特に、体操服については、PTAで呼びかけてリサイクルしている地域もあるくらいです。
就学援助家庭への支援をこれからも充実することは、以前から公明党として求めており、西山議員が主張した「入学前の学用品費支給」も実現したところです。そのうえで、それ以外のご家庭も含めた支援も必要ではないでしょうか。
せめて、体操服と上履きだけでも全員実施となれば、子育て支援が充実していると、市民の実感が広がります。1人6,000円から8000円くらい、1万円未満ではないかと存じますので、1億円以内の予算で可能であると思います。ぜひご検討いただきたい。このことを要望いたしまして、終わらせていただきます。ありがとうございました。
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