吉田たかおのよしだッシュブログ

京都市会議員 (公明党)・吉田孝雄が日々感じたことを綴ります。

MyOpinion の記事一覧

2023年11月市会本会議代表質問

2023.12.01 (Fri)
令和5年12月1日、私・吉田たかおは京都市会本会議で、公明党議員団を代表し門川市長への質問に立ちました。

231201代表質問

下記に質問原稿を掲載いさせて頂きます。17分の原稿ですが、ぜひお読みください。

*******************************************************

【はじめに】
伏見区選出の吉田孝雄でございます。中村まり議員と共に、公明党京都市会議員団を代表し市政一般について質問いたします。門川市長並びに理事者におかれましては、誠意あるご答弁をお願いいたします。質問に入る前に、2点意見を表明させて頂きます。
 
まず第1に「物価高騰対策」についてです。11月20日、政府は補正予算を提案しました。「低所得世帯への7万円給付」「ガソリン代や電気代、ガス代の負担軽減」など総額13兆円を超えるものであります。
 
これを受け、公明党市会議員団は21日に緊急要望を提出し、7万円給付金の迅速な支給と子育て世帯や中小企業への支援拡大を求めました。29日に国会で成立しましたので、市長におかれましては、1日も早い給付に着手して頂きたい。と共に、地方交付金の効果的な活用を強く求めるものであります。
 
次に「京都市長選挙」についてです。11月4日に立候補を表明された松井孝治氏と公明党議員団は10日に政策協定を締結。昨日、正式に党本部の推薦が決定いたしました。
 
政策協定では、「市民の声に耳を傾け、市民のくらしと命を守るための市政を実現すること」「子どもの幸福を市政の柱に据え、少子化・人口減の克服を目指すこと」をはじめ、一人ひとりに光をあてた教育、誰も置き去りにしない福祉、行財政改革と都市の成長戦略、市民生活と調和が図られた観光など、計12項目にわたり、文化首都・京都の魅力を生かした活性化を実現することで一致したものです。
 
私ども公明党は、京都市の未来を託すリーダーは、松井孝治さんしかいないと確信し、全力で応援する決意です。なぜならば、国や京都府と対等に渡り合う実力と手腕を持ち、多くの有識者や文化人、多角的な企業経営者や労働者、多世代の市民の皆様から信頼されるトータルな人間力を備えているからであります。
 
京都のど真ん中で生まれ育ち、国家公務員・国会議員を経験し、大学教授として若者を育てている松井孝治さんが立候補を決断されたことに、地域に根を張った多くの方々が喜び、心から期待してくださっています。
 
今回の市長選に、各政党が松井氏を推薦していることに対し、批判の声が出ています。しかし、議院内閣制の国会と違って自治体は二元代表制であり、市民生活に身近な政令市では主義主張やイデオロギーの壁を越えて、各党が具体的な議論を積み重ね、政策を前に進めています。一部で「相乗り」という批判がありますが、その人たち自身も他党と合同会派を組んでいるではありませんか。
 
私は、地方自治体の知事や市長を超党派で支えることは、幅広い民意を集約する「合意形成」であり、極めて健全な政治の在り方である、このことを改めて確認しておきたいと思います。みなさんいかがでしょうか。長くなりました。質問に入ります。

【若手職員が活躍する職場風土への改革】
まず、「若手職員が活躍する職場風土への改革」についてお聞きします。令和3年に策定された「行財政改革計画」はこれからが正念場です。痛みを伴う改革であり、丁寧に誠実に説明責任を果たし、状況に応じた見直しや改善を積み重ねることが大事であることは言うまでもありません。
 
特に、どうしても人件費削減がクローズアップされますが、職員のモチベーション向上のためにも、公共に携わって市民に貢献することへの「やり甲斐と手ごたえ」を共有し、切磋琢磨できる職場風土が重要だと考えます。市長を先頭に、すべての幹部職員が知恵を絞って職員力向上の施策を拡充して頂きたい。
 
わが会派は、行財政改革と車の両輪である「都市の成長戦略」が極めて重要であると、9月市会の本会議代表質問で湯浅団長が論じました。優秀でクリエイティブな起業家を支援するイノベーションの波を起こし、デジタル創造都市を具体的に推進する中でこそ、文化と経済を融合した新たな価値を創造するダイナミックで魅力ある都市へと前進していくと考えます。
 
私は、本年9月に元淳風小学校のスタートアップ拠点で開催された「ChatGPT実践セミナー」を受講しました。参加された民間事業者の8割が、すでに生成AIに挑戦中と答えておられ、大いに驚きました。AIは人間の仕事を奪うのではなく、人間社会発展のため新たな地平を拓くツールであるとの認識に立って、京都市も積極的に着手するべきではないかと実感した次第です。
 
AIをはじめとするデジタル化について、心理的な警戒感や反発があるのはやむを得ないと思います。しかし、かつて、算盤から電卓にとって代わり、手紙だけでなくメールが活用されているような、数多くの事例にあるとおり、AIは時代を画する大きな可能性があることは間違いありません。
 
私は、AIに代表されるデジタル化こそ、若手職員が活躍する分野であると確信します。最先端の技術や知識を持つ若い世代の採用や「リスキリング」等による能力開発など、デジタルネイティブ世代の若手職員の意欲を向上させ、能力を十二分に発揮できる組織風土への改革と定着が必要と考えますが、いかがですか。ご答弁を求めます

【町内会・自治会のデジタル化】
次に、地方自治の最前線である「町内会・自治会のデジタル化促進」についてお聞きします。高齢化が進行する中、町内会役員の「なり手不足」が慢性的な課題となり、加入率の低下や脱会数の急増が深刻化しています。
 
地域コミュニティの形骸化によって、世代間の断絶や社会的孤立が進むことが憂慮されます。防犯や防災の観点からも、町内会の役割は極めて大きいのではないでしょうか。
 
令和3年度、私は居住している町内会の会長に選出されました。200世帯を超える大きな町内であり、若輩の自分には重責すぎると固辞し続けていたのですが、先輩方の熱意にほだされ、お引き受けせざるをえなかったのです。
 
危機感を共有する複数の会長経験者の方々に協力して頂き、町内会再編と役員選出の改革に着手していく中で、「情報共有と伝達のスピード化のために、ネットを活用するべき」との意見が出されました。そこで、HPやブログなどを検討したところ、1人の管理者に集中するのは負担が大きく「継続性」に難点があるため、他都市で成功している汎用性アプリを探そうということになり、「いちのいち」というアプリを導入することになりました。
 
このアプリは、小田急電鉄が関東地域で展開しており、特に神奈川県秦野市では多くの住民が活用して成果が上がっているとのこと。わが町内として、導入と運用のために、かなりの時間と労力がかかりましたが、2年以上経過した今は100人を超える会員に活用してもらっているところです。
 
メリットは、回覧板や日程表をスマホ画面で閲覧できることであり、紙チラシはお隣に回したら手元に残りませんが、データならいつでも見ることができます。また、共働き家庭では回覧が自分のせいで遅れることが負担となり、それが町内会活動に参画しにくい原因になっているので、スマホに抵抗のない若い世代にプラスになると期待しているところです。
 
それに加えて、私の町内では防災訓練など地域行事の報告を写真入りでアップしたり、市民しんぶん電子版やその他の興味深い情報を京都市HPからリンクしています。今後、グレードアップしたら、防災への注意喚起や災害時の避難誘導および安否確認でも活用でき、子育てママや高齢者の趣味サークルでのコミュニケーションツールとしても可能性が広がるのではないでしょうか。
 
本年3月、京都市は小田急電鉄と「持続可能な地域コミュニティの推進に係る連携協定」を締結しました。「いちのいち」の普及に向け、様々にタイアップするとの内容です。それを受けて5月には、北区・下京区・西京区・伏見区の4区で説明会が開かれ、申込枠いっぱいという大きな反響がありました。私は伏見区役所で傍聴したのですが、質疑応答は多岐にわたり、その関心の大きさを改めて実感すると共に、「このままではまずい」との危機感を抱きました。
 
というのは、学区や町内会の責任者の方のほとんどがシルバー世代であり、スマホ操作自体に慣れていないことから、多くの方が「ハードルが高い」と敬遠してしまうのではないかと心配したのです。
 
実際、説明会終了後に、何人かの顔見知りの方と雑談した際、皆さん口をそろえて「難しい」「導入したら負担が増えるのではないか」との懸念も表明されていました。このままでは、導入前の検討段階で断念してしまう自治会が続出してしまいかねません。そこで、具体的な提言をしたいと思います。
 
第一に、「導入までのきめ細かな支援と導入後のバックアップに力を入れる」ことです。アプリ開発者から市民へ説明するやり方ではなく、その前に、京都市の複数の担当者に徹底して研修を行ない、市民への伴走型支援をきめ細かく粘り強く行なって頂きたい。これにより、町内や学区からの質問にリアルタイムで答えられるし、速やかなトラブル対応も可能となります。大変かもしれませんが、協定を締結した限りは、中途半端でなく徹底的に手を打つべきと提案します。
 
第二に、「運用面の負担を軽減する」ことです。具体的には、各行政区から学区経由で町内に配布される大量かつ煩雑な回覧情報を、紙ベースに加えてPDFとして送信する手法を導入することによって、例えば100世帯の町内のうち「いちのいち」で画面閲覧を希望する方が40世帯となれば、実際に必要な紙チラシは60枚で済むわけです。チラシの仕分けや配達の数が大幅に軽減され、町内で回覧する時間も大幅に速くなるので、一石二鳥と思います。
 
町内会・自治会のデジタル化促進のため、アプリ「いちのいち」に力を入れ、「導入から運用までの支援」と「運用面の負担軽減」の体制を強化するべきと考えますが、いかがでしょうか

【GIGAスクールの前進と通学支援について】
最後に、教育問題で2点お尋ねします。まず、令和元年12月に文科省が策定した「GIGAスクール構想」についてです。令和2年、コロナ禍による一斉休校という、かつて経験したことのない緊急事態の中で子どもたちの学びを止めてはならないと、全国で端末整備計画が前倒しされました。
 
私自身、令和2年度の常任委員会や本会議代表質問において、教育現場のソフト・ハード両面のICT化の推進について質疑しました。その結果、GIGA端末や大型TVをはじめとするインターネット環境を活用して、「伝統文化教育」や「食育」、「環境教育」等の分野においてデジタルコンテンツを活用した授業が展開されています。
 
そのうえで提案したいのが、私が平成30年に個人でとりまとめ、門川市長に提出した「京都市の自転車教育・さらなる前進への提言」で言及した「自転車安全教育」のデジタルコンテンツを含めた充実です。
 
この提言によって具体化した「大宮交通公園サイクルセンター」や「すべての中学校のカリキュラム化」そして「見てわかる自転車交通安全教室」などは、全国の有識者や関係者から注目され、国の省庁や自治体の政策担当者が数多く視察に来られています。また、先月に仙台市で開催された自転車利用環境向上会議の場でも、他都市の議員から大きな評価を得た次第です。
 
中でも、中学生対象の「見てわかる教室」は、一般社団法人市民自転車学校プロジェクトの方が体育館で講演するのですが、画面に地元の事故現場の写真を表示するなど、他人事ではなく自分事として受け止めやすい斬新なコンテンツであり、私が見学した際には居眠りや私語をする生徒が1人もいなかったことに衝撃を受けました。

あまりにも良い内容なので、大阪府や兵庫県ほか数多くの地域からの引き合いが殺到しています。今までのように専門家の方に来て頂く対面式の在り方には限界があると思います。
 
そこで、「見てわかる教室」の標準版コンテンツを製作し、各学校には地元の画像をはめ込む簡易なカスタマイズを加えるという計画に着手して頂きたいのです。多忙な教職員の労力を少しでも削減できる新たなGIGAスクールの活用につながるのではないでしょうか。
 
2点目は、市立小学校や中学校で、遠距離通学される児童生徒に、交通費を支援する「遠距離等通学費補助事業」についてです。この事業は、基本的に一定の距離・金額等の基準を超えるケースが対象となっていますが、学校統合のために通学距離が伸びた方には、「特別な措置」が適用されています。
 
これに対して、他の学校でも学校統合と同じ措置を適用できないかとの声が出ています。伏見区の桃山中学でも明治天皇陵という坂道を迂回するため、「電車通学」を余儀なくされている生徒が少なくありません。私自身、何度も申し入れていましたが、今までは距離・金額等の基準に達していないとの理由で見送られていました。
 
しかし、見直しや改善を図ることは喜ばれてこそすれ非難されることはないはずです。特に今は、自公政権が「異次元の子育て支援」に着手している時でもあります。時期を逃さず、制度の見直しを検討して頂きたい。
 
そこでお聞きします。「交通安全教育」をはじめ「伝統文化教育」「環境教育」などの特別授業にデジタルコンテンツを活用し、GIGAスクール構想を一歩前進させることと、遠距離等通学費補助事業の基準を見直すよう求めますが、いかがでしょうか。ご答弁を求めます

以上で私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。  

京都市会決算委員会市長総括質疑

2023.10.19 (Thu)
10月19日、私・吉田たかおは、京都市会本会議場で開催された決算特別委員会の市長総括質疑で、門川市長への質問に立ちました。

231019決算総括

市民の皆さんからお預かりした貴重な税金の使い道をシビアに検証し、京都活性化への政策を推進するため、真摯な議論を重ねています。決算の総括や行財政改革計画など第1分科会での局別質疑を基調としたほか、第2分科会で議論された課題にも言及して、総括質疑に臨みました。

下記に質問原稿と、答弁の主旨を掲載させていただきます。長い文章で恐縮ですが、関心のある方はお読みください。
 
***********************************************************

【令和4年度決算】
おはようございます。まず「令和4年度決算」を総括的にお聞きします。4年度は、21年ぶりに「特別の財源対策」から脱却し、令和3年度収支85憶の赤字から162憶改善して、77億円の「黒字」を達成することができました。

歳入においては、市税収入が3,119憶、これは対前年比99億の増ですが、それに加えて地方交付税852憶を確保できたことが大きく、一般財源収入が4,551億円となったのでございます。

また、歳出は、人件費や民間ビル賃料の削減やイベントおよび補助金の見直しと共に、行政サービスを見直し、受益者負担の適正化いわゆるスリム化によりまして、歳出総額は前年比1,125億の減である9,464憶となり、繰り越し財源79億を差し引いても77億円の黒字となりました。

この要因は、行政にかかわる全ての方のご尽力や市長のリーダーシップという点はもちろんですが、それ以上に、私は、多くの市民の皆様が、コロナや物価高騰の真っただ中で、歯を食いしばって、財政危機克服への施策であることをご理解しご協力して頂いて、努力を重ねてくださったことがもっとも大きな要因である。この1点を忘れてはならないと申し上げたい。

4年度は黒字ではありますが、過去の負債を返済していく段階でもあり、楽観はできないと思います。だからこそ、市民の皆様と希望を共有して、「はばたけ未来へ京プラン」で定めた8つの重点政策を丁寧かつ着実に推進し、市民の皆様の一層のご支持を深めていくべきではないか。いかがでしょうか。

≪門川市長答弁≫
市民の皆様のご理解とご協力に感謝したい。税収が減るとの懸念もあった中での増収に加えて、国や府と連携を深めて交付税が確保できた点も大きい。ふるさと納税も大きな力となった。これを今後のスタート台として取り組んでまいりたい。

【行財政改革計画の進捗】
次に、「行財政改革計画の進捗」についてお聞きします。令和3年に策定された本計画の遂行はこれからが正念場であり、痛みを伴う改革であることを忘れてはならないと思います。丁寧に誠実に説明責任を果たし、状況に応じた見直しや改善を積み重ねることが大事であると申し上げます。

どうしても、人件費削減がクローズアップされますが、職員のモチベーションが下がってしまうと、まわりまわって市民サービスの低下になってしまいかねません。だからこそ、「やり甲斐」と「手ごたえ」を共有し切磋琢磨できる職場風土が重要ではないでしょうか。若い世代の活躍の場を広げ、京都市の立て直しに誇りと意欲をもって働けるよう、知恵を絞って、職員力向上の施策を拡充して頂きたい。

同時に、「都市の成長戦略」は行財政改革と車の両輪です。わが会派は、これまでも、様々な場でこの点を論じてきました。

若い世代の定住促進のためにも、第1に、優秀でクリエイティブな起業家を支援するイノベーションの波を起こすこと、第2に、デジタル創造都市を具体的に推進すること、第3に、文化と経済を融合し新たな価値を創造するビジョンを掲げること――これらを掲げて、魅力ある都市に向かって邁進してほしいと申し上げたい。

行財政改革計画の力強い推進の中で、職員力向上の施策を拡充すること、都市の成長戦略を具体的に前進すること、この2点についてのご答弁を求めたいと思います。

≪門川市長答弁≫
コロナ危機と財政危機という重大な危機に向き合う責任を共有し、改革に向けて力を結集して前進したい。都市の成長戦略は極めて重要と認識し全力を挙げてまいりたい。

【保育士待遇改善と体育館エアコン】
私ども公明党は、「あれもできない、これもできない」と不平不満をあげつらって、追及や糾弾に明け暮れるのではなく、現場の声に寄り添って、見直しや改善を積み重ねることが大事であるとの確信で、コロナ禍や物価高騰対策について、緊急要望を提出し、直談判をしてまいりました。

そして、これらを受け本市でも、コロナ禍の3年半で30回を超える補正予算を組み、市民や事業者への支援をスピード感をもって進めてこられました。計画の推進に当たっては、様々な取り組みについても、状況を的確に判断し、「見直しや改善」を重ねていくことを求めたいと思います。

さて、先ほどの質疑で、市長から保育園への人件費補助6.5%から10%に拡充するとの答弁がありました。大変に良いことと思っております。

私ども公明党も、保育園連盟の皆さんをはじめ、様々な方々からご要望をお聞きしており、保育士待遇改善や保育園運営への支援への取組を予算要望や委員会質疑の場で訴えてきました。

第2分科会の局別質疑でも多くの議論があったとお聞きしておりますが、先ほども11月に補正予算を出されると答弁がありましたので、委員会の場などで詳細の質疑があると思います。スピード感をもって進めて頂きたい。その点を要望いたします。

また、同じく第2分科会の教育委員会への質疑において、普通教室の空調更新、体育館への空調設置について、迅速に取り組むべきという議論がなされてきましたが、この「学校体育館のエアコン設置」については、わが会派は平成30年以降、毎年の会派予算要望で繰り返し要望してきたものであります。

今年の夏の猛暑は大変でありました。来年も同じ状況が続くことが懸念されます。子どもたちや教職員のいのちを守るという視点に立てば、待ったなしの状況ではないでしょうか。今回、私は第1分科会でしたので、教育委員会に質疑できませんでしたが、第2分科会でこの問題を取り上げられた点を踏まえ、改めてお聞きします。

災害時には避難所になるという点からも、体育館が地域の防災拠点として果たす役割は極めて大きいと思います。多額の予算が必要になるとは思いますが、ぜひ前向きに取り組むべきと考えます。いかがでしょうか。

≪門川市長答弁≫
学校の空調は重要な問題と認識している。教室の老朽化対策を優先する方針であるが、災害時の避難所となる体育館のエアコン化の重要性にかんがみ、具体的に検討したい。

【消防局の決算】
最後に、「消防局の決算」について、何点かお聞きします。まず何より、市民の生命と財産を守るため、文字通り命がけで使命を自覚し尽力する現場の隊員の皆さんや、サポートする事務方の皆さんに敬意を表したいと思います。

令和4年度は、新型コロナ対応で救急隊編成を拡大されました。自ら感染のリスクがありながら、感染の可能性のある方やご家族のため、そしてまた、それ以外に、急病や事故にあった市民のため奮闘されたことを特筆したいと思います。

また、4年度は隊員の勤務体制を三部制から二部制に変更されました。局別質疑では、心身の健康のためのサポートを充実し、メンタルヘルスにも注力して頂きたいと申し上げたところでございます。

また、救急安心センター「#7119」は、制度開始3年目で、順調に拡大しているとのことでありました。これは、市民に安心感を提供する点で、きわめて大切な事業であり、安易な通報による出動を抑止する効果も期待されます。市民への広報周知の拡充もお願いしたい。

そして、消防車両・救急車両の新規導入や修繕については、安全管理と経費削減のバランスが大事です。4年度の実績を今後の更新や修繕の計画に生かして頂きたいと思います。ヘリコプター維持管理も大きな意義がありますので、無事故・安全と共に、効果的な運用を求めたいと存じます。

以上の点、隊員をはじめとする職員のサポートの充実、救急安心センターの拡充、消防や救急車両の整備・維持管理、これらを拡充することについてご答弁を求めます。

≪門川市長答弁≫
職員へのサポートと消防車両などの更新・維持管理は今後とも充実してまいりたい。#7119も市民に安心を届けるべく広報に努めます。

町内会のデジタル化を成功するために

2023.07.19 (Wed)
【はじめに】 
 今、全国的な課題として、地方自治の最前線である町内会(自治会)の高齢化が進行している。京都市においても、役員の「なり手不足」が各町内で慢性的な課題となり、それが3年前からのコロナ禍でいっそう深刻になっている。地域活動に汗を流す方々の多くが、町内会加入率の低下や脱会数の急増を憂え、このままでは機能不全に陥ってしまいかねないとの危機感を表明されている。大げさな言い方で恐縮だが、まさに存亡の危機にあるといっても過言ではない。

 地域コミュニティが形骸化することにより、地域から活気が失われ、世代間の断絶や社会的孤立が進むことが憂慮される。防犯や防災の観点からも、町内会の役割は極めて大きいと言えるのではないだろうか。この問題意識で、町内会の活性化への1つとして、デジタル化の可能性を論じてみたい。

【町内会アプリ】
 令和3年度、私は居住している町内会の会長に選出された。200世帯を超える大きな町内会であり、若輩の自分には重責すぎると固辞し続けていたのだが、町内会の未来に危機感を持つ先輩方の熱意にほだされ、お引き受けせざるをえなかったのである。

 危機感を共有する複数の会長経験者の方々と協力し合って、町内会再編と役員選出の改革にも着手し、臨時総会や地区別説明会などを積み重ねていった中で、「町内会の情報を共有することと伝達のスピード化のために、ネットを活用するべき」との意見が出された。そこで、HPやブログなどを検討したところ、管理人的な立場の1人に集中するのは負担が大きく「継続性」に難点があるため、他都市で成功している汎用性アプリを探そうということになり、「いちのいち」というアプリを導入することになった。 

230719ブログ画像左側

 正式名称を「町会・自治会SNSいちのいち」という本アプリは、小田急電鉄が関東地域で展開しており、特に神奈川県秦野市では普及が進んで多くの住民が活用して成果が上がっているとのこと。わが町内として、小田急の担当者に京都市まで来てもらったり、ZOOM会議を何度か実施するなど、導入と運用のために、かなりの時間と労力がかかったが、2年以上経過した今は100人を超える会員に活用してもらっている。

 メリットは、回覧板や日程表をスマホ画面で閲覧できることであり、紙チラシならば隣家に回したら手元に残らないのが、このアプリならデータでいつでも見ることができる。共働き家庭では回覧が自分のせいで遅れることが負担に思ってしまって、それが町内会活動に参画しにくい原因になっているケースがあるので、スマホに抵抗のない若い世代にプラスになると思われる。

 それに加えて、私の町内では防災訓練など地域行事の報告を写真入りでアップしたり、市民しんぶん電子版やその他の興味深い情報を京都市HPからピックアップして紹介している。特に感謝されたのが、町内を流れる川の水位を台風時に画像で提供したことである。

 グレードアップしたら、防災への注意喚起や災害時の避難誘導および安否確認などでも活用でき、子育てママ友や高齢者の趣味サークルでのコミュニケーションツールとして応用できるので、大きく可能性が広がるのではないだろうか。

【今後の課題への提言】
 京都市は、令和5年3月に小田急電鉄と「持続可能な地域コミュニティの推進に係る連携協定」を締結した。「いちのいち」の普及に力を入れ、地域での導入や活用を支援するために、様々にタイアップするとの内容である。

230719ブログ画像右側
 
 それを受けて、京都市HPでも段階を踏まえた広報が積み重ねられていったが、中でも5月には、北区・下京区・西京区・伏見区の4行政区で説明会が開かれ、申込枠いっぱいという大きな反響があった。私は伏見区役所で傍聴したが、質疑応答は多岐にわたり、その関心の大きさを改めて実感すると共に、「このままではまずい」との危機感を抱いたというのが正直な感想であった。

 というのは、学区や町内会の責任者の方のほとんどがシルバー世代であり、スマホ操作自体に不慣れである方が少なくないことから、説明に対する理解力や咀嚼力に格差があり、多くの方が「ハードルが高い」と感じてしまうのではないか、と心配したのである。

 実際、説明会がいったん終了し講師が別会場に移動された後に、何人かの顔見知りの方と雑談したのだが、口をそろえて「難しい」「自信がない」と言っておられた。同時に「導入したら余計に負担が増えるのではないか」との懸念も表明されていた。その点は1年以上実際に活用している私自身も痛感しているところであり、今後の大きな課題であると言わなければならない。

 このままでは、導入前の検討段階で断念してしまう団体が続出してしまうのではないだろうか。現に7月に「オンラインの活用講座」が開かれたが、参加者の数は5月の説明会よりもかなり少ない状況であった。そこで、京都市の担当者に以下の具体的な提言をしたい。

 第一に、「導入支援に力を入れる」ことである。アプリを開発した小田急担当者から直接に市民へ説明するやり方ではなく、その前に、京都市の複数の担当者に徹底して研修を行なって小田急担当者と同じレベルまでに仕上げ、市の担当者が希望する市民への伴走型支援をきめ細かく粘り強く行なって頂きたい。

 第二に、「運用面の負担感を軽減」することである。具体的には、市(行政区)から各学区経由で町内に配布される大量かつ煩雑な回覧情報を、紙ベースに加えてPDFとして送信する手法を導入する。それによって、例えば100世帯の町内のうち「いちのいち」で画面閲覧を希望する町内会員が40世帯となれば、そこには回す必要が無いので、実際に必要な紙チラシは60枚で済む。チラシの仕分けや配達の枚数が大幅に軽減され、町内で回覧する時間も大幅に速くなるのである。

 第三に、「導入後のバックアップを充実」することである。一番目に言及したように、市の担当者のレベルを小田急と同程度に引き上げれば、町内や学区の担当者からの質問にリアルタイムで答えられるし、区役所に来てもらうだけでなく、学区の施設や町内の会館等に足を運んで、詳しい説明やトラブル対応も可能となるのではないだろうか。

 以上3点を提言させて頂く。大変ではあるが、協定を締結した限りは、中途半端でなく徹底的に手を打っていくべきなので、ぜひ前向きに検討してもらいたい。長い文章を最後まで読んで下さり感謝申し上げます。 

自転車政策の充実にむけて

2022.08.21 (Sun)
2022自転車計画

【自転車政策の重要性】
 京都市は、平成12年3月に「京都市自転車総合計画」を、22年3月に「改訂京都市自転車総合計画」を策定するとともに、同年11月には「京都市自転車安心安全条例」を制定して、市民ぐるみの取り組みを加速する中、27年には「京都・新自転車計画」を策定し、市民や関係機関と連携した総合的な自転車政策を段階的に前進させてきた。その結果、自転車の係る交通事故はピーク時の3分の1以下に減少するとともに、長年の大きな問題であった放置自転車は、なんとピーク時の200分の1以下に減少するなど、自転車の利用環境は大きく向上してきた。

 今、環境にやさしく健康長寿にも資する自転車は、ウィズコロナ・ポストコロナ時代における「新しい生活スタイル」にも対応する乗り物として「公共交通を補完する役割」が期待され、持続可能な社会の実現を目指して国連が定めた取組目標「SDGs」の達成や、あらゆる危機に粘り強くしなやかに対応する「レジリエンス」の構築にも貢献するための不可欠なツールとして注目を集めている。

 一方で、少子高齢化が進行し若い世代の方が転出する、いわゆる人口流出が深刻な課題として懸念され、持続可能な都市への政策推進が模索されている。私はこのような時だからこそ、多角的な「子育て支援策」(待機児童対策・先進的な学校教育・安心安全なまちづくり・魅力ある文化芸術の振興・アニメ等のコンテンツ産業充実など)の中に『自転車政策』を位置付け、子育て世代にとって他都市と比べて突出した“魅力あるまち”へ成長するための重要なテーマとして、今まで以上に力を入れるべきと、声を大に訴えたい。その一環として、具体的な提言を行なうものである。

【京都市自転車総合計画2025】
 令和3年10月、門川市長は「京都市自転車総合計画2025」(写真)を策定し、これまでの成果を継承・充実強化させながら、安心・安全な自転車利用環境を前進する中で、自転車を通じて豊かな生活を送ることができる「自転車共生都市・京都」の実現を目指すことを明確化した。議会において各会派の議員が熱心に議論する中、私も何度も本会議や特別委員会などの場で発言を重ねていった。

 計画策定のために尽力した「京都市自転車政策審議会」には、大学教授などの有識者や市民公募委員に加え、PTAや女性会、商店連盟、学生支援センターなど幅広い世代の代表が委員となっておられたが、なかでも自転車関係者のラインナップが目をみはった。販売事業者団体やサイクリング協会だけでなく、自転車利用環境向上会議全国委員会の三国成子会長(地球の友・金沢)と、著名なツーキニスト(自転車通勤者)疋田智さん(NPO法人自転車活用推進研究会理事)が参画して、定期的に京都までお見えになっていたのである。

 他にも、自転車利用環境向上会議を運営し自転車活用推進研究会などで研究成果を発表する学者や事業者の方など、自転車政策のトップランナーが名を連ねており、他都市の議員さんや自治体関係者から驚かれ、羨ましがられていたことを、誇らしく報告させていただきたい。逆に言えば、千年の都であり世界に冠たる観光都市である京都市に対して、全国の自転車政策に携わる方々から、文字通り「熱い思い」が寄せられている証左に他ならない。市長をはじめ京都市の関係者は(私を含め)、その事実を深く心に刻んで自覚した上で、計画に盛り込まれた政策を実行していくべきではないだろうか。

 「京都市自転車総合計画2025」のPDFが京都市HPにアップされている。表紙を含め30頁の分量だが、関心のある方はコチラをクリックしてお読みいただきたい。

【4つの提言】
 私は、京都市政初の“議員立法”である自転車安心安全条例の提案説明を本会議で行なったほか、付託された常任委員会の質疑で答弁に立った。こうした経験を着目され、東京などで開催されたセミナーで何度か講演し、パネラーとして各地に招待されたほか、雑誌に寄稿したり取材を受けたりした。現在はコロナで活動できていないが、「全国自転車議員ネットワーク」という議連の理事の任にも就いている。

 また、各年の本会議代表質問や特別委員会質疑でも、自転車政策を取り上げて論じており、本ブログの「MyOpinion」で摘録を掲載しているので、関心ある方はスクロールしてお読みいただきたい。今回の提言は、これらの質疑での議論や市の計画を踏まえつつも、京都市が直面する財政危機とコロナ禍を真正面から向き合う意味で、より現在に実状に即した重要な4つの視点に絞り込んだ。下記に列記する。

 まず第1に、「自転車安全教育」は縮小してはならないと訴えたい。京都市独自の自転車安全教育プログラムに基づき、幼児・小学生・中学生・高校生・大学生(留学生を含む)・社会人・高齢者を対象とした各世代のライフステージに合わせた自転車教育は、最新の成果をどん欲に導入してきた積み重ねがあり、先の自転車利用環境向上会議全国大会でも成功事例として数年連続で紹介されている。財政危機によってハード面の緊縮はある程度やむを得ないが、ソフト面は大宮交通公園に新設されたサイクルセンターでの取り組みと中学生対象の「見て分かる!自転車安全教室」は継続していくべきだ。子どもたちはあっという間に大きくなり卒業してしまうからである。

 第2に、「ルールマナー啓発」を、若い世代に注力してはどうかと提起したい。高校生や大学生は、通学やアルバイトの往復などで他の世代よりも自転車を使う頻度が多い反面、時間がない焦りや若さへの過信などの未熟さで、自分が歩行者や自動車に「脅威」を与えている自覚に乏しい。自転車マナーを最も身につけてもらいたい存在であり、「子どもたちやお年寄りにやさしい運転することがカッコイイ!」という価値観を浸透するようなシャレた啓発を期待したい。若い社会人の中でも自転車通勤(ツーキニスト)が増えているので、幅広い世代に効果が見込めると思われる。

 第3に、「走行環境整備」においては、新たな視点として「安全向上」に着目する必要があるのではないか。ハード面の整備は予算が高額のため、当初の計画と比べて縮小することは、ある程度受け入れざるを得ないが、だからと言って、事故を未然に防ぐ手立てへの取り組みは後手を踏んではならない。具体的には、歩道から降りて車道を走行する自転車が転倒する危険が無いようにする「グレーチング」のすべり止めのため、最新技法を研究するべきと提案させていただく。

 最後の4点目は、「局横断の体制整備」によって的確な施策展開を促進するべきという点である。多世代の自転車教育も若い世代のマナー啓発も、具体的に推進する部署は多岐にわたる。私が本会議代表質問で取り上げた「自転車観光」や「シェアサイクル」も然りである。現在の所管局である建設局が他局の施策をチェックし指示することは、お互いがギクシャクしてしまわないかと懸念する。他局にまたがる政策の進捗を見極め、今後の展開を取りまとめる「司令塔」的なポジションを設置してはどうだろうか。

 公共や民間に限らず、すべての業務計画では「推進体制」と「評価・点検のフォローアップ」が最も重要であるが、昨年策定の「京都市自転車総合計画2025」では、たった1頁での言及にとどまっており、個人的には心配感が拭えない。その箇所には「進捗状況については,京都市自転車政策審議会に報告し,評価・点検等を行うことにより,計画の着実な推進を図ります」と記載されているが、だからこそ責任の所在を明確にするべきであり、そのための「体制整備」を検討することが重要と考える。

 以上、京都市の自転車政策のさらなる充実に向けた提言を4点取りまとめた。それ以外にもたくさんの具体的な政策が計画に盛り込まれており、4点以外は軽くしても良いというつもりは全くない。ただ、「選択と集中」は今のこの時にこそ求められていると受け止め、賢明に判断した上で、懸命に実行していく事が大事である。どこまでも現場感覚を忘れず、市民の立場に寄り添った想像力を傾け、新たな価値を創造してまいりたい。 

京都市財政危機克服のために

2022.08.16 (Tue)
220816行財政改革計画
 
【財政危機の実状】
 2022年夏、京都市の財政危機が注目を集めている。なんとしても克服しなければならない。それぞれの政党・会派は、主義主張の違いによる不毛な対立を乗りこえて、京都市の未来のために議論を尽くすべきである。この重要な点について私見を論じていきたい。

 京都市が財政危機に瀕しているとのニュースは、多くの人から意外性を持って受け止められている。観光世界一を誇り、多彩な伝統文化に恵まれ、大学の集積により人材が集まり、誰もが知る有名企業が立地している、などなどの評価が定着しており、その京都市が財政破綻の危機に瀕しているという事実は、「世界が憧れる」イメージとかけ離れていると言ってよい。

 しかしながら、この危機的状況は一朝一夕に始まったものではなく、何十年も前からの構造的な要因によってもたらされたものである。高齢化が進行する中、景観を守るため高さ規制をしたことによる固定資産税の低迷に加え、中小零細企業が99%を超える地域特性が大きな要因であり、徴税率を100%近くまで高めるなどの努力を重ねているものの、ここ数年のコロナ禍で大きなダメージを受けてしまった。

 20年以上前から「財政非常事態宣言」を出していたが、伸び悩む収入に比べ、福祉的経費の増大など支出が膨れ上がり、いびつな収支バランスを是正する一環として、禁じ手と言われる「公債償還基金」の取り崩しを繰り返して財源を確保してきた。しかし、このままでは基金が底をつくことが目に見えている。今までのような「先送り」は許されない状況であることは間違いない。

 これ以上、若者や子どもたち「将来世代」にツケを押し付けることは不可能であり、今の大人たちが力を合わせて、勇気をもって改革に乗り出していく必要がある。公明党は、京都市の行財政改革は避けて通れない最重要課題であるとの問題意識で、建設的な政策提言を重ねてきた。

【行財政改革計画の評価】
 令和3年8月、京都市が策定した「行財政改革計画」は、識者や市民の代表らで構成された審議会の答申を踏まえており、公明党の提言も数多く取り入れられていることから、一定の評価をするものである。特に、「民間活力の活用」と「デジタル化の推進」はムダ削減とサービス向上につながるので、スピーディな工程管理が求められる。同時に、補助金見直しやイベント縮小および受益者負担の適正化など「痛みを伴う」改革は慎重かつ丁寧に進めるべきである。

 計画の詳細は京都市HPでPDFが公開されている。70頁の分量だが極めて重要な内容であるので、コチラをクリックしてご参照されたい。

 これら計画の遂行に当たっては、現状をきめ細かく検証し、見直しや改善を積み重ねなければならないのは当然である。硬直した意識を変革し、柔軟な発想でタイムリーな施策を推進し続けなければならない。―これが公明党の変わらぬスタンスである。

 これに対し、門川市長に反対する野党勢力は、「失政である」と声高に非難している。維新や京都党という第三極の勢力は、「身を切る改革」を旗印にして、各種施策の削減へ大鉈(おおなた)を振るうべきと論じているが、幅広い分野の各世代の方々の「痛み」に寄り添う姿勢は見えてこない。

 もう一方の共産党は、各制度の「見直し」「改善」に反対し、行財政改革計画の撤回を求めている。段階を踏まえて策定した計画に対して、突っ込んだ検証をすることなく「撤回」を主張するのは、財政破綻を回避する責任を放棄していると言わざるを得ない。

 第三極と共産党の主張は真っ向から反発している。極端と極端に走る議論では徒らに分断するばかりで、事態は膠着状態のまま前に進まない。だからこそ、そのど真ん中に立つ公明党は自民党と連携を深め、合意形成への架け橋となって、具体的な施策を的確に進めているのである。

【共産党の主張に疑問】
 今年の上半期、共産党は議会質疑等で「京都市の財政破綻」は誇大宣伝であり、改革計画を「市民を脅し負担を押し付けるキャンペーンだ」と非難した。はたしてそうだろうか。以下に論じていきたい。

1.令和3年2月予算で「275億円の収入増」があったことを踏まえ、共産党は「財政破綻するとした行財政改革の前提が崩れている」と言っている。しかしその「収入増」は今回限りの『特例』(国の緊急地方財政対策で地方交付税が増えたことが要因)であり、市税収入が増えれば交付税は減る仕組みになっているため、4年度以降の大幅な増額は容易ではない。改革を行なわなければ特別な財源対策からは脱却できない実態がある。

2.2月の予算時の「収入増分」を基金借り入れへの返済に充てたことを批判し、共産党は市民生活の支援に使うべきと主張しているが、一時的な財源をあてにしたところで継続的な施策にはならない。持続可能な支援のためには、当面の基金の枯渇を回避するべきである。その意味から、将来世代への負担を軽減することが重要と判断した市の姿勢は評価できる。

3.基金への返済を重視したもう1つの理由は、会計間の移動とはいえ「利子」が発生(昨年度決算で1,746万円)しているので、今回の増収分を基金に積み増す方が今後につながっていくからである。

 以上の点から、厳しい財政危機を克服するために、京都市が基金借り入れへの返済を優先し、徹底した行財政改革と将来を見据えた成長戦略を展開する方針を立てていることは極めて妥当であり、共産党の主張は的外れではないかと指摘したい。

 ところで、共産党は「市民サービスを切り捨て負担増を強いるのではなく、厳しい市民生活を支援すべき」と主張している。それを真に受けると、「政府や自治体は何もやっていない」という不平不満が刺激されるので注意が必要だ。なぜなら、政府は野党から言われるまでもなく、コロナ禍を重く受け止め、具体的施策を連続して打っているからである。

 具体的には、緊急小口資金貸付・生活支援金・住宅確保給付金・生活困窮者自立支援金・雇用調整助成金・家賃支援給付金・事業再構築補助金・事業復活支援金などであり、また京都市も、これらと連動して予算を確保し、中小企業総合支援補助金・就労継続支援助成金・文化芸術活動等奨励金・医療機関への支え合い基金などを実施してきた。「何もできていない」というイメージに幻惑されては本質を見誤る。大事なことは、具体的な施策をいち早く着手した上で、現場の声を受け止めて見直しや改善を積み重ねていくべきではないだろうか。

【持続可能な財政へ】
 京都市財政の健全化を図るうえで、現在の諸制度のうち、発足当時から大きくコストが膨らんで財政を圧迫しているもの(例えば敬老乗車証や家賃減免など)については、いっさい見直してはならないと主張するだけでは「スリム化」は前に進まず、やがて制度自体が破綻を余儀なくされてしまう。そうならないためには、勇気をもって見直しに着手し、持続可能なあり方に改善していく必要がある。

 ここで、分かりやすく「例え話」で説明したい。・・・・・・ある食堂が高齢者向け定食を500円で提供していたが、高齢化の進展で需要が増大すると同時に、食材の高騰や人件費の増加などで仕入れと売り上げのバランスが崩れ、最終的には食堂自体が立ち行かなくなってしまう、という危機に直面しているとする。この場合、一時的なキャンペーンで値引きするなどの工夫をしたとしても、それが終わると再び危機に直面する。店が潰れないため(持続可能な経営に転換するため)には、やむを得ず「500円定食」を700円に値上げさせてほしいと言っているようなものである。

 公明党は、この例えで言えば、値上げはやむを得ないが「600円」にできないか(あるいは値上げ時期を延期できないか)と提案している。それに加えて、「高齢者向け定食の対象基準を見直す」「ライスのお替りを有料にする」「水やおしぼりをセルフにする」などの実用的かつ建設的な提言を試みていると理解していただきたい。(あくまで食堂のたとえ話であるが・・・)

 要するに、持続可能な財政に転換するために現状の制度を改善することは、一時的な抵抗感があったとしても、どこかで誰かがやらなければならない、それが今なのである。そういう理屈は頭ではわかっていても感情では受け入れにくいものであるが、このような感情的反発が政治利用され不毛な足の引っ張り合いに陥った時、シワ寄せを押し付けられ迷惑を受けるのはいつも庶民ではないだろうか。

 公明党議員団は、市長に対して「見える化」と「透明化」をより進めていくべきと口を酸っぱく提言している。1人でも多くの市民に改革の重要性を理解していただき、「何とかして乗り越えていこう」との思いを共有して、実際の意味で「市民協働」を進めていくために不可欠だからである。説明責任を果たして初めて、市民参加の民主市政が本格的に始動すると確信し、市長と議会による「二元代表制」を機能させてまいりたい。

 その上で、「国との連携」を今まで以上に拡充する必要がある。公明党は参院選に向けて発表したマニフェストで、「経済の成長と雇用・所得の拡大」「誰もが安心して暮らせる福祉社会」を掲げた。「平和外交」「防災立国」「デジタルで拓く地域社会」「感染症に強い日本」への施策も明確に示している。自公の安定政権で矢継ぎ早に進める1つ1つの政策と連動して、現場の最前線を活性化することが、京都市の財政立て直しに直結すると確信する。

 「見える化」を進めて市民と協働し、「国との連携」を拡充して先手を打つ。この2点を基調としてブレずに、前へ前へと進み続けることこそ、財政危機克服の王道ではないだろうか。

 「さあ、出発しよう! 悪戦苦闘を突き抜けて! 決められた決勝点は取り消すことができないのだ」(ホイットマン『草の葉』) 

 | HOME |  Next »