吉田たかおのよしだッシュブログ

京都市会議員 (公明党)・吉田孝雄が日々感じたことを綴ります。

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決算特別委員会市長総括質疑

2018.10.17 (Wed)
10月17日、私・吉田たかおは京都市会本会議場で開催された決算特別委員会の市長総括質疑で、門川市長への質問に立ちました。

181017総括質疑

 
市民の皆さんからお預かりした貴重な税金の使い道をシビアに検証し、京都活性化への政策へと推進するため、真摯な議論を重ねています。経済活性化や観光振興、交通事業や上下水道事業を所管する第3分科会での質疑を基調として総括質疑に臨みました。

下記に質問原稿と、答弁の主旨を掲載させていただきます。長い文章で恐縮ですが、関心のある方はお読みください。

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決算特別委員会市長総括質疑

                   吉田孝雄(公明党) 

【はじめに】
おはようございます。私は第3分科会で、産業観光局・交通局・上下水道局に質疑しました。

本日は公営企業の決算についてや経済活性化などの事業を総括的にお聞きしたいと思います。よろしくお願いいたします。 

【上下水道局決算概要】
まず、上下水道局の決算についてです。

平成29年度は、10年計画で策定された「京の水ビジョン」の最終年であり、中期経営プランの締めくくりでありました。このプランで定めた「企業債未償還残高」の削減目標が達成したことは評価されるものです。

また、水道事業は3年連続黒字、公共下水道事業は8年連続黒字ということです。とはいえ、データを見る限り、節水型社会の進行によって有収水量や水道料金は山間地域を含めると微減であり、下水道使用収入も前年から1億円近い減少となっています。
純利益も黒字ではありますが前年度から大きく減っています。

その意味で、経営環境の見通しは厳しいと言わざるを得ません。シビアな分析と大胆な決断、実行が重要です。この認識は市長も共有されていると考えます。

公営企業と言っても交通局とは違い、上下水道事業は営業努力がデータの上で単純に反映するものではありません。巨額な予算をかけて何年越しで進めるインフラ整備がほとんどです。そしてそれが、市民の命と暮らしを守るものであります。

だからこそ、老朽化対策という、ある意味受け身の姿勢ではなく、長中期のビジョンが大事ではないでしょうか。災害への対応が自治体経営の大きな課題となっている今、「耐震」と「雨に強い」という2つの視点を明確にしている点を、私は評価し、大きな期待を寄せているものです。

今後の目標はどう設定し、どう事業推進するのか。ご答弁を求めます。

≪門川市長答弁≫
 配水管などインフラの更新率も向上している。山間部対策も一元化した。災害対策など喫緊の課題。これからが大事。改革を断行しつつビジョンを明確にして推進してまいりたい。

【交通局決算概要&駅ナカビジネス】
次に交通局の決算についてお聞きします。

29年度は、市バスは1日当たりの乗客数が前年度5千人増の36万8千人で、運送収益は3億円の増収。経常損益は23億円の黒字でありました。

一方、地下鉄は前年度比8千人増の38万7千人、運輸収益は4億円の増収で、経常損益は3年連続の黒字の2億円という結果であります。経営健全化計画より1年前倒しで経営健全化団体からの脱却を成し遂げたところです。

ただし、いずれも車両更新費に多額のコストが見込まれ、運転手不足も懸念されます。実状は楽観できないということで、今後もシビアな経営判断が必須であることは間違いありません。

局別質疑で、ダイヤ改正や災害対策などを論じましたが、本日は「駅ナカビジネス」を取り上げたいと思います。

10年前、「若者の政治参加」をテーマにして、若者に政治を身近に感じてもらおうという活動がWeb上で展開され、逆マニフェストというユニークなアンケート調査を実施されました。

その中で、若い世代が関心のある政策テーマ100がピックアップされたのですが、そのうち最も多い4分の1、25%が交通政策だったのです。それを発見しまして、自分なりに深めて論じていきたいとの思いで交通水道委員会に志願した経緯があります。

いま改めて、その当時の会議録を検索すると、4月の第1回目の委員会から駅ナカビジネスを取り上げて充実強化を論じています。その後も毎回の質疑で何度も何度も論じ続け、しまいに「今日は駅ナカの質問しないのか」というヤジも頂戴したくらいでありました。

その当時の委員会で様々なアイデアを盛んに論じたことで、新聞でも「提案合戦」と書かれたことも思い出します。

局別質疑で現状の検証をお聞きしたところ、12駅で50店舗を展開とのことでした。中期経営方針で定めた10億円収入を、目標の1年前倒しで達成したのは評価できるものです。関係者の努力に大いに敬意を表したいと思います。

しかしながら、利用客のニーズを的確につかむ必要が課題ではと感じました。成功体験にとらわれてマンネリに陥ったら、飽きられて衰退してしまう懸念があります。ぜひ、店舗の方や利用客からはもちろん、若手職員などなど、様々な方からの声を求め、グレードアップする努力を求めたいと存じます。

烏丸線では9駅で出店しているのですが、東西線は烏丸御池駅を入れても4駅にとどまっています。今後の拡大については、乗降客数から算出して、決して簡単ではないと理解できます。

しかし、小野駅や醍醐駅などでは「ミス小野小町コンテスト」など地域密着の行事もありますし、花見シーズンで醍醐寺周辺が大渋滞になります。繁忙期に地下鉄を利用してもらえるよう、ワゴン販売などの簡易店舗を期間限定で出店するなどの柔軟な発想で、意欲的な展開を検討してはいかがでしょうか。

 10年前、駅ナカに書店を招聘するよう提案したとき「消防法が・・・」と消極的な答弁でした。しかし、現状を打破する意識で1つ1つの壁を打ち破っていったことで、今は書店も設置されています。アニメとタイアップしたスタンプラリーも何度も開かれ、オリジナルキャラクターもアニメ化されています。

 できない理由を探すより、どうしたら実現するのかを前に出して、これからも新しい発想で前進して頂きたい。いかがですか。

≪門川市長答弁≫
 ワクワクできる空間を目指して取り組んできた。若手職員などのアイデアをボトムアップで積極的に求めるなど工夫を重ねてきたと実感。今後も、季節限定での開催など柔軟な発想で魅力を発信してまいりたい。

【市バス混雑対策】
次に、市バスの混雑対策についてお尋ねします。

この問題は今年度の常任委員会でメインテーマとして合意され、様々な場で論じられています。観光客へのおもてなしにも連動する局を超えた全庁的な最重要課題であると思います。

たしかに、観光客が大挙おこしになるのは喜ばしいことなのですが、一般市民がそのあおりでバスに乗れなかったり、乗れたとしてもスーツケースやリュックサックなどが邪魔になって降りる際に困ってしまうとの声が多く聞かれます。市民感情が悪化することは大きな懸念であると申し上げたい。

常任委員会で、京都駅などのターミナルで乗り場の分離を図る計画が大事ではないかと提案しました。また、バスの車内デザインについても、スーツケース置き場を工夫することも重要な視点でありますし、おもてなしコンシェルジュなどを含めた様々な創意工夫で「手ぶら観光」を促進することも喫緊の課題であります。

局別質疑では「バス待ち環境」についても言及しました。観光客の利便向上や市民の高齢化に対応するとの視点で、時刻表を見やすくする必要も大きいと考えます。最新技術を応用するなど、ぜひ前向きに検討して頂きたいと要望します。
ぜひ、様々な視点から具体的に検討していただきたい。いかがですか。

≪植村副市長答弁≫
市バスの対策として、①輸送力の向上、②地下鉄への誘導、③手ぶら観光の推進の3点を進めている。目の覚める特効薬は無いが、今後もデザインの工夫など現場の知恵で積極的に取り組んでまいりたい。

【新たな価値を創造する知恵産業の創出】
次に、新たな価値を創造する知恵産業の創出についてお聞きします。経済活性化のためには、前例主義にとらわれないオリジナリティが活力を生みます。京都の強みは様々にありますが、特に「ベンチャー精神」で新しいビジネスを切り開いていた歴史が大きいのではないかと思います。

産業観光局は、ものづくりベンチャー支援事業で戦略拠点を設け、起業希望者のネットワークを支援してきました。平成29年度も一定の成果があったとのことです。

今後の展開として、学生が多くお住まいで、モノづくりのノウハウが集積する京都の強みを生かす具体策を充実していくべきであります。

学生や若い世代の人が起業するための環境整備に、今以上に力を入れて、優秀な人材が「京都で起業しよう」「京都を本社として世界に打って出よう」と大いなる夢を持ってもらえるようにするべきではないでしょうか。

現状は、京都で学んだ学生が就職して東京や他府県に流出しています。若い子育て世代も、他府県や府南部に引っ越していかれるケースが増えているとの報道もありました。危機感があります。

オリジナリティに溢れた優秀な若者が京都で会社を立ち上げていけば、雇用も創出され、多くの方が市内で家庭を営むという、良い流れを構築することができます。ぜひ、彼らにとって魅力あふれる誘導施策を多角的にスピーディに打ち出して頂きたいと存じます。

危機感をもって強化してもらいたいと申し上げますが、いかがでしょうか。

≪岡田副市長答弁≫
国の政策としても推進しており、京都も高校生のための施策を打ち出している。今後とも、大学と企業などと連携して充実してまいりたい。

【答弁を受けて】
この「価値を創造する」というフレーズは公明党にとってなじみ深いものであります。母体である支援組織は昭和5年の創立から「価値創造」というタイトルの機関誌を発行しており、会の名称の由来となっています。

いずれにしても、21世紀はかつてない激しい乱世と言われています。だからこそクリエイティブな独創性が必要と確信します。これからも、真摯に研鑽を深めて京都活性化に貢献したいと決意しています。

【コンテンツ産業振興】
最後に、コンテンツ産業の振興についてお聞きします。これは、5月市会代表質問で取り上げたのですが、局別質疑でお聞きしたところ、29年度も取り組みは前進したとの手ごたえとのことでありました。

京都マンガアニメフェア通称「京まふ」も、29年度は天候の影響で入場者が少なかったのですが、今年度は大きく前進したとお聞きしました。会場についても、みやこめっせだけでなくマンガミュージアムやロームシアターで開催するなど、単発ではなく点と点をつなぎ面としていく方向性も評価できるところです。

この点も、駅ナカビジネスと同じで、マンネリとなって飽きられないよう、多くの方の意見を積極的に求め活用するべきです。アニメ作品をほとんど脳内で暗記しているくらいのマニアックなオタクの方が、京まふのボランティアとして活動してくれているとのですので、このような方の声は貴重だと思います。

クリエーター育成についても、希望が見えていると評価できます。今後その動きを加速するため、京まふ等でつながりを持てた作家やプロデューサーから知恵も求めることも重要ではないでしょうか。いかがでしょうか。

≪門川市長答弁≫
 「価値創造」のコンセプトは共有していると認識。クリエーター育成では新しい取り組みが功を奏して拠点として機能している。京都の魅力を活かす創造的文化の発展のため力を入れてまいりたい。 

2018年本会議代表質問

2018.05.22 (Tue)
平成30年5月22日、私・吉田たかおは京都市会本会議場で本会議代表質問に立ちました。

100万人訪問調査運動をとおして、庶民の生の声を真正面から受け止め、「子ども医療費支援」「ヘルプカード導入」「インバウンド施策」「コンテンツ産業拡充」など、生活実感にあふれた政策課題を取り上げたのです。  

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嬉しいことに、門川市長はじめ理事者から前向きな答弁を勝ち取ることができました。 市民生活にとって重要な提言であることを証明できたものと、確信しています。これからも現場第一主義でダッシュしてまいります。

下記に質問原稿を掲載させていただきます。16分間の長い文章で恐縮ですが、関心のある方はお読みください。

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伏見区選出の吉田孝雄でございます。この後に登壇する青野仁志議員と共に、公明党京都市会議員団を代表して、市政一般について質問いたします。市長並びに理事者におかれましては、誠意あるご答弁をお願いします。

【知事選挙の総括と今後の子育て支援施策について】
まず、京都府知事選挙の総括と今後の子育て支援について申し上げます。4月8日の知事選挙で、公明党は西脇隆俊氏を自民党、当時の民進党などと連携して支援しました。これは、活力みなぎる京都の未来のため、一党一派に偏らない幅広い政治勢力を包括する首長が議会と切磋琢磨するあり方がベストであると判断したからに他なりません。

西脇新知事の誕生を機に、府市協調が今まで以上に進む「進化」、そして、いっそう深まる「深化」、この2つの「しんか」を求めるものです。そしてそれが、京都活性化の「真価」を発揮して、地方創生の最先端を切っていくと確信し、府市協調を支えていく決意でございます。

西脇知事のマニフェストでは、防災減災、生活の安心安全、共生社会の実現、経済成長、文化振興など重要な課題を提起されています。その中でも社会保障とりわけ「子育て支援」は切実であり、少子化対策の喫緊の課題であります。
公明党は全国3千人の議員が「100万人訪問調査活動」を実施していますが、アンケートに協力していただいた伏見区の子育てママから、「子ども医療費」の拡充を求める声が多く寄せられました。

この点について、我が党は市会と府会が連携して毎年の予算要望で取り上げていますが、特に近年は力を入れています。今年の2月議会でも、府会で小鍛治議員が質問し、山田前知事が京都市との協議の場を設けると正式に表明されました。市会でも湯浅議員の質問に対し、門川市長が「子ども医療費の負担軽減を平成31年度末までの実現を目指す」と具体的に答弁された経緯があります。

西脇新知事は、就任直後の京都新聞のインタビュー記事で子ども医療費助成の充実に意欲を示し、「対象年齢や補助額を手厚くする政策パッケージを打ち出す」と述べられました。大いに期待しています。

先に紹介した訪問調査活動の折りにも、「現行の通院費は1つの医療機関あたり0歳から3歳まで200円が3歳から中3まで一律3,000円となるのは、学齢期前の子育て世代に負担である」との声が寄せられました。平成24年2月市会において全会一致で採択された「子ども医療費支給制度に関する決議」でも、「受診機会の多い低年齢層から支援の拡充を図る必要がある」と明記されています。6歳までの未就学児を対象とした拡充を検討していただくことはできないのでしょうか。

そこでお伺いします。市長と知事によるトップ会談を早急に開催して、そこで「子ども医療費拡充」を第1のテーマとし、市会決議を踏まえた具体的な協議を進めていただきたい。いかがですか。ご決意を伺います

≪門川市長答弁≫(主旨)
子ども医療費制度の重要性を重視し、現場レベルで対象年齢や自己負担額を調整・協議したうえで、西脇知事とひざを突き合わせ検討し、実現してまいりたい。

【ヘルプカードの導入について】
次に、共生社会の実現への施策を提案します。私ども公明党議員団は、本年2月「SDGsの推進に向けた政策提言」を取りまとめ門川市長に提出しました。「誰ひとり置き去りにしない」との基本理念のもと国連が持続可能な開発目標SDGsを明確にしたことを受けて、京都市が本格的な推進に着手するよう提案したものです。

この「誰ひとり置き去りにしない」との理想と相通ずるスタンスで、現在「ヘルプマーク」が浸透しつつあります。ヘルプマークは、義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、妊娠初期の方のほか、発達障害、精神障害や知的障害がある方など、外見からは障害の有無がわからない方々が、周囲に援助や配慮を必要としていることを知らせることで、適切なサポートを受けやすくなるような意思表示のかたちとして、平成24年に東京都が導入したことを皮切りに各地に拡大したものです。

京都府でも平成28年度に導入されるなど、全国20都道府県で推進され、今なお広がりを見せています。ただし、利用者からは「認知度が低い」とか「自治体を越えて移動する際にも使えないか」といった声が上がっていることも事実であり、今後の大きな課題であることは間違いありません。

昨年、長年公明党に期待を寄せて下さっている伏見区の女性からご相談いただきました。この方は障がいのある子を持つ母親で、災害や犯罪被害などの緊急事態に遭遇した際や発作を起こした時などに、自らの障がいの状況や連絡先などを、周囲の人が速やかに理解できる工夫が大事であり、他都市でも導入されている「ヘルプカード」を京都市でも発行してほしいとのこと。

この切実な声を、昨年の教育福祉委員会で紹介し、関係機関とも協議をしていましたが、様々に調査を重ねると宇治市・堺市・神戸市・西宮市・池田市・川口市・宇都宮市・北九州市・熊本市などの自治体でここ数年大きく普及が進んでいることがわかりました。

本年4月5日付の公明新聞にも、茨城県稲敷市の記事が掲載され、障がい児に対し周囲の人が手を差し伸べやすい環境のためにヘルプカードが導入されたとのことで、「小さな思いやりが増えるといいね」とお母さんが喜んでおられたというのです。各自治体では、駅のポスターに掲示したり動画でPRしたり、HPからダウンロードできるよう工夫が凝らされ、着実に前進していると実感します。

京都市では、災害時に自ら避難することが困難な、いわゆる災害弱者といわれる方々への避難誘導などを視野に入れた「安心カード」を消防局が配布してきました。先進的な取り組みではありますが、保健福祉行政との連動を図ることで、国のヘルプマーク制度とのスムーズな融合が実現すると期待されます。

障がいのある方や難病患者さん、妊娠初期の方への支援策として、「ヘルプカード」にグレードアップすることを視野に入れ、局を超えた本格的な検討をすることが、共生社会への本格的な第一歩となるのではないでしょうか。

そこでお聞きします。障がいのある方など援助を必要とする人が安心して外出できる社会の構築を加速するため、周囲の理解を促進する「ヘルプカード」を、京都市においても導入するべきであると考えます。いかがですか

≪村上副市長答弁≫(主旨)
ヘルプカードは大変に有益と認識。障害者などの意見を十分に聞いたうえで、現在の「安心カード」と「ヘルプカード」を統合した「京都版ヘルプカード」を作成する。

【観光振興とりわけインバウンド施策について】
次に、観光振興とりわけインバウンド施策についてお聞きします。昨年12月、キャンパスプラザ京都で開催された「京都から発信する政策研究交流大会」を見学しました。これは、京都の28大学56グループの学生が観光や福祉などの政策テーマを研究した成果を発表するもので、毎年楽しみに参加させていただいています。今年度は、京都産業大学のゼミが「観光で京都がパリに勝つために」とのテーマで研鑽した事例がありました。

私は、「パリに京都が勝つ」というユニークかつ野心的な問題意識に驚き、その心意気に拍手を送りました。そして、そこで大事なポイントと提起された「Wi-Fi」と「外国語対応」という2つについて色々と調べたところ、有意義な着眼点だと気づきました。そこで、私なりにアレンジして提案させていただきたいと存じます。

1点目のWi-Fiについてですが、パリでは空港やホテル、ファストフード店、公園や図書館などの公共施設だけでなく主要観光地でも無料Wi-Fiが利用できるなど普及し定着しています。

これに対し、日本では7年前の観光庁の調査で、インバウンドの声として「Wi-Fiがつながりにくい」との苦情が多いと紹介されていました。こうした状況を重視し、京都では「京都Wi-Fi」が平成24年から実用化され、着実に拡大しています。現在、商業施設約1,500ヶ所のほか、地下鉄駅やバス停約400ヶ所、提携コンビニ119ヶ所、公共施設95ヶ所に設置されていますが、宿泊施設では旅館で31件、簡易宿所17件という実態にとどまっています。

インバウンド受け入れ環境の充実を支援するため、今年度予算で「外国人観光客受入環境整備補助金制度」がスタートしました。京町家の風情を活かす旅館をはじめとする宿泊施設が、京都Wi-Fiを導入する際に助成するなどの支援を行なってはいかがでしょうか。内外の観光客からの要望の多いWi-Fiの普及が、今以上に加速すると期待します。

2点目は外国語対応です。パリでは、「Do you speak Tourist?」という事業を展開し、16ヶ国の外国人観光客への接客マニュアルを整備するとともに、9ヶ国語対応のアプリがダウンロードできるサービスが功を奏しているとのことで、満足度 が94%という高い数字を誇っています。

京都市では、宿泊事業者対象の支援策として「外国語研修」や「5ヶ国語コールセンター」が整備されていますが、よりいっそうの充実が望まれるところです。具体的に提案しますと、旅館や民泊などの宿泊施設やレストランなどの飲食店、お土産屋さんなどの小売店が、タブレット機器などを用いて、メニューや商品のポイントを解説するパンフレットを多言語に対応する際、分かりやすく翻訳する作業に対して助成したり、運用面のサポートを手厚くするなどの制度を検討してはいかがでしょうか。

以上、何点か申し上げました。インバウンドの受け入れを充実強化するうえで、Wi-Fiの整備や外国語翻訳作業への支援など、柔軟かつ具体的な制度設計を構築していただきたいと考えます。いかがですか

≪岡田副市長答弁≫(主旨)
吉田議員の提案をはじめ、外国人観光客のニーズに答える施策を実施して、インバウンド受け入れ環境の整備を充実し、京都経済をけん引してまいりたい。

【コンテンツ産業の拡充について】
最後に、京都の強みを活かした観光振興策としても注目されるコンテンツ産業を取り上げます。文化化庁移転を機に「物づくり」から「物語づくり」への視点を市長が提唱され、経済活性化や地域文化の進化を志向する中、漫画やアニメなどのコンテンツ産業は、多角的なメディアミックス戦略として相乗効果を生むため、きわめて有力であると考えます。

日本アニメの父と言われる政岡憲三が、今から85年前の昭和8年、下賀茂の地に日本初の動画スタジオを設立したことから、京都が日本アニメ発祥の地と呼ばれています。その歴史的意義は計り知れません。

平成18年に開設した京都国際マンガミュージアムは、連日多くの観光客が訪れていますし、京都を舞台にした作品にゆかりある場所をファンが訪れる聖地巡礼も定着しつつあります。毎年開催される西日本最大規模のアニメイベント京都国際マンガアニメフェア・通称「京まふ」も、クリエーターと業界のマッチングに寄与しており、大いに評価されるところであります。

これからがいよいよ本格的な前進の時ととらえ、昨年3月「京都市コンテンツア産業振興に向けた指針」が策定されました。私は、この指針の中で次の3点に注目しています。

1つめはMANGAナショナルセンターについてです。これは、国においてMANGAを文化資源として蓄積し、人材育成や産業振興の基盤として機能を果たす拠点として構想されています。マンガミュージアムを有する京都が有望な候補であり、誘致の成功に期待を寄せているのですが、平成27年の有識者会議報告書で「施設の立地は東京都心が望ましい」と提言されており、心配しています。私は、東京と京都が競合してどちらかが落選するという「二者択一」ではなく、第三の道を模索する方が価値的ではないかと思います。「MANGA二都物語」とネーミングするなど、幅広い世代に受け入れられるよう様々に工夫し、共存共栄する道筋をつくるよう働きかけるべきではないでしょうか。

2つめは、「人づくり」としてクリエーターの誘致や育成に力を入れる方針についてです。有識者会議の報告書でも、「人財」を財宝の「財」と表記するなど、この点を重視しています。京都は精華大や造形芸術大をはじめ芸術系の大学が独自の工夫を重ねてクリエーターを養成する土壌があります。現在も各大学と連携を重ねて、京都国際漫画賞に京都在住や在学の方対象の「京都賞」を新設したり、商品にも雑誌掲載権以外に賞金や京まふ無料券を設定するなどインセンティブを工夫しています。今後も、京都で漫画を学び、プロに挑戦したいと願う学生を積極的に支援し、長期的視野でコンテンツ産業を盛り立てていただきたい。

3つめは、「シティプロモーション」についてです。指針に「体験型の企画」に言及しています。マンガミュージアムにコスプレイヤーが集う「コスジョイ」というイベントが定着していますし、京まふでもコスプレ姿のファンが闊歩しています。外国人観光客が晴れ着や浴衣をレンタルで身に着けておられる姿が増えているように、アニメに憧れて来日した方が自分もコスプレを体験したいと思っておられるのではないでしょうか。アニメのキャラクターだけでなく、忍者や侍、百鬼夜行の妖怪など、京都ならではの魅力を題材にしたコスプレを体験できるプランを検討してはいかがでしょう。

以上、何点か提案させていただきしました。コンテンツ産業の充実は、産業の振興・人財育成など総合的な視点の施策が大事です。指針で示された構想から一歩も二歩も踏み込んだ具体策を積み重ね、グレードアップを進めていただきたいと考えます。市長のご決意を伺います。

以上で私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

≪門川市長答弁≫(主旨)
新たなコンテンツを生み出すに担い手づくり育成や環境づくりを加速し、ものづくり産業や伝統産業、林業などともマッチングした機会創出を図るなど、あらゆる分野と融合する。

決算特別委員会市長総括質疑

2017.10.27 (Fri)
10月26日、私・吉田たかおは京都市会本会議場で開催された決算特別委員会の市長総括質疑で、門川市長への質問に立ちました。

171026市長総括質疑
 
昨年度は予算・決算委員会の主査を務めさせていただいていた関係で、局別質疑や総括質疑は1年ぶり。1年間の熱い思いを込めて質問させていただきました。

下記に質問原稿と、答弁の主旨を掲載させていただきます。長い文章で恐縮ですが、関心のある方はお読みください。

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決算特別委員会市長総括質疑

                   吉田孝雄(公明党) 

【自転車安全教育】-1
自転車政策については、「新自転車計画」策定以降、放置自転車の台数がピーク時から90%削減され、矢羽根を活用した走行環境の見える化が促進されています。さらには自転車保険の義務化など、多角的な政策が目に見える形で着実に前進していると思います。

こうした成果が全国の自転車関係者や自治体の担当者から注目され、本年2月に自転車業界の専門月刊誌「パーキングプレス」という雑誌から取材を受けました。なんと表紙も市役所をバックに私が写っておりまして、巻頭ページに8ページにわたって京都市の自転車政策が特集されたのでございます。自慢のようで恐縮ですが、本市の政策への高い評価の表れとして紹介させていただきます。

決算委員会の局別質疑では、建設局や教育委員会に対して自転車のルール・マナーを進化させるために取り組んでいる「自転車安全教育」に絞って質疑させていただきました。本市の自転車安全教育については、先月にお伺いした金沢市のNGOの方からも「京都が日本で一番進んでいる」と高く評価されていました。来月愛媛県松山市で開催される「自転車利用環境向上会議」においても、この方からの推薦で本市の実状が先進事例として紹介されると聞いています。

今取り組んでおられるライフステージに合わせた自転車安全教育、すなわち、学齢期前から小中学校、高校大学、社会人、高齢者など、各々の世代に合わせた取り組みを一層充実していくべきと考えますが、市長のご所見を伺いたいと思います。

≪村上副市長≫  
自転車は有用なツールであると認識。事故を防止し、マナーを向上するためにも、様々な安全教育を今後も力を入れて取り組んでまいりたい。

【自転車安全教育】-2
今後は高齢者への啓発にも着手していくべきと考えます。また、学校現場においては中学生への啓発が今後の課題です。自転車講習の実施校も22校と30%以下にとどまっています。小学生と比べて中高生は自転車教室にぴんと来ないとか面白くないと感じてしまうことは仕方ないと思います。

昨年度から、スタントマンが実際に自転車と車の衝突事故を再現して危険性をストレートに伝える「スケアードストレイト方式」の講習や、各学校の周辺の画像を駆使して自分たちに直接かかわる問題であることが理解できる手法で好評の「見てわかる教育」が建設局の予算で実施されています。教育委員会もバックアップされていることは理解できますが、今後は中高生や大学生への教育を主体的に推進するべきではないでしょうか。

小栗栖中自転車教室
 
伏見区の中学で「見てわかる教育」を見学しましたが、中学生が食い入るようにスライドを見ていました。現場感覚で工夫を凝らせば大きな効果があると実感した次第です。ぜひ、一部の試行実施で終結するのではなく、全校で継続的に実施するべきと申し上げたい。

今、京都市の小学生が必ず4年生で自転車教室を体験することが定着しています。それと同じで、中学生が必ず講習を受けることが出来る体制を確立していただきたいと思います。専門家の招へいでは不足しますので、教育委員会でチームを発足させて、「交通安全」だけでなく「エコ教育」「性教育」「ネットリテラシー」「薬物問題」「防災」などの重要なテーマを巡回していっていいかがでしょう。ぜひ検討してもらいたいと思います。

そのうえで、今回の質疑で答弁をいただきたいのは、就学前の子どもと保護者を対象とする取組みを重視し、具体的に前進してもらいたいことです。デンマーク式の自転車教室が京都でも大好評であり、マナーアップフェスタなどのイベントで告知した際には多くの申し込みがあるとお聞きしています。横浜市や大坂市でも実施され、私も視察しましたが、大好評でありました。

171026自転車教室 

自転車の乗り方だけでなく、ルール・マナーを楽しみながら学べる機会を「常設」の場で定期的に開催することが重要です。先月の本会議で、大宮交通公園において自転車等を中心とした交通安全を学ぶ環境を整備すべきとの主旨の有識者からの答申があったと副市長が発表されました。ぜひ、京都ならではの、自転車教育の拠点となるサイクルセンターにしていただきたいと思います。ご決意をお聞かせください。

≪植村副市長≫
大宮交通公園の再整備にあたって、常設の「サイクルセンター」を設置する方針である。

【民泊問題】
「民泊問題」は、本日の質疑でも何人もの委員が取り上げられていました。公明党議員団として、本日登壇した2人に続いて私も論じたいと思います。それほど重視しています。

この問題は、どこまでも法令遵守と地域住民との調和が大前提であると思います。28年度の集計では、通報が約2千件、現地調査をのべ2,143回実施し、300施設の営業を停止したとのことです。関係者の尽力に敬意を表するものですが、営業停止後に名義を変えて営業する悪質なケースへの対応も必要ではないでしょうか。

局別質疑で確認しましたが、専用ネット「エアービーアンドビー」に掲載されている5千を超える膨大な情報を精査し、突き止めるのは困難であるということでした。これは理解できるところです。ぜひ、積み重ねたノウハウを分析し今後の対策を図っていただきたい。保健福祉局のセンターの充実とともに委託先の業者との連携を強化するなど、チーム力を向上するテコ入れも検討する必要があります。この点をまず指摘したいと思います。

そのうえで申し上げたいのは、市民からの相談に対する適切な対応が今後も大事であるということです。ある人が窓口に通報した時に、「民泊施設が建つ前に対応することは不可能。建ってからしか当たれない」と言われたとのことですが、これは「市民感覚」から首をかしげざるを得ません。

市が建築確認したものに後から「不可です」と言っても業者側は承服するのでしょうか。どう考えても、業者への対応が後手になってしまうのではないかと思いました。市民から心配されたり誤解されないよう、地域との連携を深めることは当然ですが、保健福祉局や行財政局、都市計画局が縦割りではなく、迅速かつ効果的な対応を進めていくべきです。条例などのルール化にあたって、観光都市京都の市民の声に応えるものにしていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

≪村上副市長≫
各局が情報を共有してチームを組んで実効力ある取り組みを促進してまいりたい。

【自殺対策】
「自殺対策」は数値が減少するなど、様々な施策が実を結んでいると評価できます。この問題は「命の大切さ」を市民1人1人が他人事ではなく自分事とらえ、様々な切実な理由によって自らの命を絶たざるを得ない状況に追い込まれ、それ以外に選択肢を無いという閉塞状態にもがいでいる人に、「生きる勇気と力」を取り戻すための支援です。

第17回の京都市自殺総合対策連絡会の会議録を読みますと、昨年に京都府で424名が自殺され、7割が男性であるとのことです。20歳代で死因の一番が自殺という統計が報告されています。また、救急病院に運ばれた自殺未遂の方に対して専門機関につなげることが重要であるとの意見もあります。

リストカット等を繰り返す未遂者のサインに気づくための情報整理が求められていました。また、電話や対面で相談に乗って寄り添った相談委員が「救えなかった」と自責するケースもあるとのことで、ケアが必要ではとの発言もありました。

自死遺族は精神面で想像を絶する苦しみに直面します。「なぜ救えなかったのか、SOSのサインに気づけなかったのか」と取り返しのつかない後悔の念にさいなまされるだけでなく、周囲の目線にもさらされます。岩波ブックレット「自死は、向き合える」と言う書籍で、補償問題にも直面して困窮する家族の実態が紹介されています。心のケアに携わる相談体制等のサポートの充実に加え、融資等の補助が必要ではないでしょうか。

いずれにしても、「生きづらさ」を克服するためのビジョンが重要であり、「自殺は自己責任」という社会通念の転換が大きな課題です。弱者切り捨てにならない社会を構築していくため、行政の施策展開を一層拡充するよう求めたいと思います。いかがですか。

≪村上副市長≫
自殺対策推進計画を改定して実情に適った改善を進めている。相談窓口の拡充をはじめ具体的な取り組みに力を入れてまいりたい。

【子育て支援のための住宅政策】
最後に「子育て支援」をお聞きします。市長は、子育て環境日本一を目指し様々な施策をスピーディーに進めておられます。昨年発表されたマニフェストで「子育て・若年層世帯への住宅支援」が提示され、少しずつ効果が出始めていると認識しています。

子育て世帯が他都市に転出するのを防ぐとともに、結婚などで出ていった方も市内に戻ってきてもらうことが、京都活性化に直結します。都市間競争が激化している今、京都市が、子育て世帯から「魅力あるまちだ」と実感してもらえるため、目に見える住宅政策が大事だと考え、様々な方々とひざ詰めで懇談を重ねました。

その声を具体的な政策に実現するべく、議会の場でいくつか提案していますが、本年5月市会本会議で「高齢者と子育て世帯の住み替え制度」の拡充を求めました。本日はもう1つ、8年前の本会議代表質問で提案した「二世帯住宅改修助成制度」を申し上げたいと思います。

街を歩きますと、改築されたキレイなお宅の表札が2つ並んでいるケースを目にします。アニメのサザエさんで「磯野」さんと「ふぐ田」さんが同居されているような3世代同居のご家庭では、トイレを2階に作ったり、子ども部屋を増設するような改築が必要になります。こうした改築工事に助成してはどうかというアイデアであったわけです。

現在、京都府の「結婚子育て応援住宅総合支援事業」がありますが、京都市としての実施はまだとのことです。これと連動して、大いに力をいれて京都市としての具体策を練り上げて、子育て世代が京都の魅力を感じる施策となるよう検討していただきたい。いかがでしょうか。

≪植村副市長≫
11月に審議会で話し合っていただき、有識者や関係者の知恵をすり合わせて、効果的な施策を具体化してまいりたい。

【要望:就学時の支援】
時間が少しありますので、要望を申し上げたいと存じます。それは、就学時の支援を検討していただきたいという点です。

少子化対策が「国難」ともいうべき最重要課題であると安倍総理が解散を断行しました。今回の総選挙では、各政党が「教育負担の軽減」を公約に掲げました。この財源については、自民党・公明党は消費税の増税分を充てるとしましたが、他の政党は消費税を凍結すると主張しており、矛盾は明らかです。消費税自体を撤回せよと主張する党もあり、理解に苦しみます。

打ち出の小槌のように国にあれもこれも求める人がいますが、そんな無責任なあり方ではなく、限られた予算を効果的に運用して市民生活に貢献するための工夫を凝らすべきではないでしょうか。

局別質疑で、子育て中のお母さんたちから寄せていただいた「せめて体操服と上履きは自己負担しない制度を」との声を紹介しましたい。今、就学援助対象の児童生徒への支援は充実しているわけですが、それ以外の世帯でも教育費負担は大変です。特に、体操服については、PTAで呼びかけてリサイクルしている地域もあるくらいです。

就学援助家庭への支援をこれからも充実することは、以前から公明党として求めており、西山議員が主張した「入学前の学用品費支給」も実現したところです。そのうえで、それ以外のご家庭も含めた支援も必要ではないでしょうか。

せめて、体操服と上履きだけでも全員実施となれば、子育て支援が充実していると、市民の実感が広がります。1人6,000円から8000円くらい、1万円未満ではないかと存じますので、1億円以内の予算で可能であると思います。ぜひご検討いただきたい。このことを要望いたしまして、終わらせていただきます。ありがとうございました。  

2017年5月市会本会議代表質問

2017.05.19 (Fri)
平成29年5月19日、私・吉田たかおは京都市会本会議場で本会議代表質問に立ちました。

“行動する政策創造集団”として、地域に根を張った草の根ネットワークで集約した、生活実感にあふれた政策課題を取り上げたのです。

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嬉しいことに、門川市長はじめ理事者から前向きな答弁を勝ち取ることができました。 市民生活にとって重要な提言であることを証明できたものと、確信しています。これからも現場第一主義でダッシュしてまいります。

下記に質問原稿を掲載させていただきます。16分間の長い文章で恐縮ですが、関心のある方はお読みください。

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伏見区選出の吉田孝雄でございます。このたび公明党京都市会議員団の副団長という重責を仰せつかりました。京都活性化のため全力で働いてまいります。

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地方分権一括法の施行から17年。東京一極集中を是正し、市民に身近な地方自治体がきめ細かな政策を主体的に推進する重要性が大きくなっています。地域に根を張った草の根ネットワークに基づいた市民目線の政策が求められている今、諸先輩が築いた伝統を受け継ぎ、公明党議員団のさらなる飛躍を誓うものでございます。

本日は、この後に控える大道義知議員と共に、議員団を代表し市政一般について質問いたします。市長並びに理事者におかれましては、誠意あるご答弁をお願いします。

【子どもの貧困問題】

まず、子どもの貧困問題についてお聞きします。今年度から子ども若者はぐくみ局が新設され、この5月から各区役所・支所に子どもはぐくみ室が設置されました。子どもの成長に応じた切れ目のない支援が充実し、子育てを暖かく見守り支えあう地域づくりがいっそう推進されると、各方面から大きな期待が寄せられています。

これまでは、子育て支援の施策が分散しており、局を横断する課題に対応できにくい実態がありました。区役所などでも市民が窓口を回らなければならないケースも少なくなかったので、総合的かつ専門的な窓口の設置によるワンストップ化が実現されることで、今まで以上にきめ細かくスムーズな支援が実現されるものと確信するところです。

私は、子ども若者はぐくみ局が生まれたことで、ここ数年クローズアップされている「子どもの貧困問題」への対策が大きく進むと期待しています。この問題は、過去に例を見ない人口減少の超高齢化時代における喫緊の課題であり、希望あふれる京都の未来のために対策を強化するべきであると、かねてから議会などの場で発言すると共に、子ども食堂など貧困家庭への支援に貢献する方々と意見交換を重ねたほか、大阪や京都で開催されたシンポジウムに何度か参加するなど、現場の生の声を聴いてきました。

昨年8月に実施されたアンケート調査で、貧困などの困難を抱える家庭では、親子関係が希薄で周囲から孤立しがちであり、子どもの自己肯定感や学力にも影響があることが明らかになりました。貧困の連鎖を断ち切り地域活性化を促進するべく本年3月に策定された「貧困家庭の子ども・青少年に関する実施計画」では、子どもたちの生活や学習への支援、保護者の不安や負担を軽減するための経済面および就労などの支援、地域や各種機関の連携で支援のネットワークを強化するとの三本柱が示されました。

中でも、生活困窮家庭の子どもへの支援として行われている居場所づくりが、各地域の実情に合わせて継続的に行われるように、子ども食堂などの活動を支援することと、学習面の支援や相談相手になる事業を立ち上げるという施策が計画されています。

意見交換の場やシンポジウムで学んだことは、子ども食堂や学習支援などの活動に取り組む方々を行政などの公的機関がいかに適切にサポートするか、現場の第一線では試行錯誤の段階であるということです。実際に他府県の先行事例の報告では、福祉と教育と若者支援の窓口を右往左往したジレンマが語られていました。情報が錯そうしたり行き違いがあったりすると、市民ぐるみの活動が先細りしてしまいかねないとの懸念を覚えた次第です。

と言っても、貧困家庭への支援活動をしている方々は、企業や自治会組織などのような本部のもとに各支部があるピラミッド型の組織ではなく、緩やかな共同体的な実態があります。

したがって、子どもの貧困問題の活動に取り組んでいる団体に対しては、子ども若者はぐくみ局が様々な情報を集積するターミナル的な場を提供することが大事と考えます。このようなプラットホームを構築するとともに、具体的な相談を専門家につなぐなどの支援策を今以上に充実して頂きたい。いかがでしょうか。ご答弁を求めます。

【子育て世帯を支援する住宅政策】

次に、子育て世帯を支援する住宅政策についてお尋ねします。私は子育て世代が市内から流出するのではなく市内に転入してもらえる誘導策として住宅政策の充実が大事だと考え、平成21年9月市会の本会議代表質問で二世帯住宅改築への助成制度の創設を提案し、27年9月市会でも子育て世帯への総合的な住宅政策の拡大を求める質問をいたしました。それに加え、今回は空き家予防とも連動した提案をさせて頂きたいと思います。

空き家対策は京都市が先進都市として注目を集めており、本年3月に東京で開催された空き家対策セミナーでも、本市が平成22年度からスタートした「地域連携型空き家対策促進事業」がクローズアップされ、地域と専門事業者のつなぎ役として地域ぐるみの対策が進められている取り組みが他都市に先駆けている効果的な事例として紹介されていました。

空き家所有者と地域、事業者をコーディネーターがつないでスムーズな流通を推進するという点で効果は大きいと思いますが、相続問題がこじれて長期化するという懸念を解消するためにも、「空き家予防」の観点が極めて大きくなってくると考えます。その意味で、今後は高齢者と子育て世帯をマッチングする「住み替え制度」は大きな可能性があると考えます。

この制度は、広い住宅に少人数で暮らす高齢者の持ち家を借り上げて、狭い住宅に暮らしている子育て世帯に貸し出すというもので、2階を昇り降りすることが困難な高齢者が家賃収入を元にコンパクトな住宅に住み替えることができますし、子育て世帯は適正な家賃で子育てに適した広い住宅に入居することができるというものです。 

現在、一般社団法人移住・住みかえ支援機構が運営している「マイホーム借り上げ制度」がありますが、現時点ではなかなか認知されていないのが実情です。広報啓発面のバックアップと窓口の簡素化や見える化の充実が必要であると申し上げたい。子育て世代が京都に住みたいと思って頂けるような誘導策としてだけでなく、空き家予防のためにも、住宅住み替え制度は大きな効果があるのではないでしょうか。ぜひ、積極的に強化していくべきと考えるものです。

3月のセミナーでは、空き家対策の第一人者である米山秀隆氏が千葉県流山市などで本格的に実施されている「高齢者住み替え支援制度」を紹介しておられ、終了後に名刺交換した際に詳しく質問したところ、行政の助成制度が充実すればもっと普及するはずと指摘されていました。

この点、先月の参院本会議で可決成立し秋から施行される「改正セーフティネット法」の施策と連動できないでしょうか。ぜひ検討して頂きたいと存じます。同法では、住宅の確保が困難な世帯向けの賃貸住宅として登録した場合、家主が行うバリアフリー工事や耐震改修の費用を国と自治体が最大200万円補助するほか、家賃の債務保証料も支援するという仕組みがあり、単身高齢者の住宅確保として注目されていますが、本市では子育て支援の強化策として、引っ越し費用などを補助するなどのアレンジも検討してはいかがでしょうか。

子育て世帯と高齢者世帯をマッチングする「住み替え制度」をグレードアップするためにも、広報啓発の拡充と窓口の簡素化・見える化を推進して頂きたい。また、国の制度を活用し、リフォーム工事の費用などを助成するなど、京都市独自の補助制度の創設を検討するべきと考えますが、いかがですか。

【自転車走行環境の拡充】

次に、自転車政策についてお聞きします。本年初頭、自転車専門の月刊雑誌「パーキングプレス」の編集部がはるばる京都市役所まで取材に来られました。

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私が手にしているこの2月号では、京都市の自転車政策が6ページにわたって紹介され、不法駐輪が平成20年と比べ10分の1に減少したことが大きく取り上げられました。他にも自転車安全教育や保険加入の義務化など、本市が意欲的に推進した取り組みへの高い関心が寄せられていると実感した次第です。

特に、レンタサイクル観光向けサイトである「自転車よくばり観光ナビ」に反響がありました。「国際観光都市京都」への高い評価であると誇りに思うと共に、今後のさらなる充実を求めたいと考えます。東京オリンピック・パラリンピックをはじめとする様々な国際的イベントが控える今、インバウンドが日本の国際戦略のカギを握ると言っても過言ではありません。その中でも本市は他都市の模範としての役割を担っていると自覚し、今まで以上に斬新な取り組みを積極的に着手するべきであると申し上げるものです。

現在、外国人観光客のレンタサイクル利用が増加しています。トラブル対策等のノウハウも蓄積している段階であると思いますので、これらを精査して外国人向けの観光ガイドブックにも反映して頂きたい。その中でも、特に自転車ルールを徹底する工夫を求めたいと思います。

4月に完成し約6万部発行された日本語表記のリーフ「Enjoy自転車life in Kyoto」は啓発用として要を得たものですが、16頁もあり外国人向けでは分量が多いのではないでしょうか。中京区が独自に製作した英語版もあります。これらを参考にして、この中間のサイズで中身をコンパクトにした複数言語の外国人向けのリーフを製作して頂きたいと存じます。まずこの点を要望しておきます。

私は、昨年から今年にかけて、東京や大阪の自転車団体の関係者と意見交換を重ねています。これらの方々は、自転車走行環境の充実が不可欠であり、京都市の整備事業が中途半端にならないようにと注目されています。断続的・場当たり的にならず、ネットワーク化を忘れてはならないと申し上げたい。

本市では、平成27年5月に自転車政策審議会の走行環境整備ガイドライン部会を立ち上げ、第一線の学識者や専門家などを招聘。これらの方々のご意見を反映したガイドラインを策定し、都心部を中心にベンガラ色の矢羽根による自転車走行推奨帯を設置する工事が本格的にスタートしました。

170519代表質問用自転車レーン

私も先日、河原町から烏丸までの丸太町通りで施されたピクトグラム型の路面標示を実際に視察しましたが、矢羽根に逆行して右側を走る自転車が無かったので一定の効果はあると感じました。しかしながら、歩道を走行するケースが少なくなく、一層の広報周知が必要ではないかと痛感したところです。同時に、今後の実状に合った整備の拡大に向けて、推奨帯を設置した効果をシビアに観測する調査も必要ではないかと思います。

そこでお聞きします。自転車走行推奨帯の啓発を強化充実すると共に、設置の効果を測定するアンケート調査を実施して頂きたい。いかがですか。同時に、自転車を利用する外国人観光客がどの道を通って観光スポットを周遊するのか、レンタサイクル事業者などの協力を得て調査を行い、今後も走行帯の整備を推進し、より実効力あるものとして頂きたいと思います。いかがでしょうか。市長のご答弁を求めます。

【伏見観光の充実強化】

 最後に、伏見観光への誘導策について質問いたします。昨年12月にキャンパスプラザで開催された「第12回京都から発信する政策研究交流大会」を傍聴しました。これは、京大や府立大、同志社や立命館などの政策学部で学ぶ学生の代表が「観光」「防災」「経済」「福祉」「環境」「交通」などの政策を研究した成果を発表するもので、ここ数年連続して見学に伺い、刺激を受けています。

今年度は9大学83グループ307名の斬新かつユニークな発表がありましたが、中でも観光振興の分科会では11グループが「夜の観光へのシフトチェンジ」や「外国人をリピーターへ」などという観点で論じておられました。

特に「伏見へ観光客の流れをつくるには」とのテーマの京都橘大学の発表は、市内中心部の観光スポットへの案内が充実しているのに対して、京都駅以南への誘導が弱いのではないかとの問題意識をもとに現地調査を重ね、観光案内所の整備や案内板の充実などを提案。頼もしく思うと共に嬉しい気持ちに包まれました。

私は、先月から今月にかけて伏見稲荷大社や御香宮、大手筋商店街などの伏見区が誇る観光スポットを訪れました。多くの外国人観光客や修学旅行生で賑わっていましたが、そこから次の観光スポットへの誘導という部分では改善の余地があるのではないかと感じたのも事実です。

伏見の観光振興に20年以上尽力されているNPOの方と意見交換させて頂きましたが、そこで痛感したのは2点あります。1つは、京都観光の中で伏見をクローズアップして頂きたいということ、もう1つは、伏見全体の観光振興の上からも各々の観光地を点から線へ、そこから面へと拡大するコーディネートの重要性です。

本年は寺田屋事件で有名な坂本龍馬が亡くなって150年。来年は鳥羽伏見の戦いから150年という歴史の節目でもあります。伏見観光の飛躍を期する絶好のチャンスととらえ、今まで以上に力を入れて頂きたい。と共に、区内の観光スポットを回遊するキャンペーンを官民共同で実施するべきと考えますが、いかがでしょうか。

 以上で私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

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【答弁】

門川市長
まず、「子供の貧困対策」については、今年度を「はぐくみ文化の創造と貧困家庭の子どもへの支援の元年」と位置付け、子どもの居場所づくり事業開設への助成制度やアドバイザー派遣事業などを実施してまいりたい。

次に、「自転車政策」については、昨年10月に策定したガイドラインに基づく自転車走行環境整備を、来年3月まで京都御苑周辺をはじめ約33Km実施すると共に、市民や観光客の自転車利用状況の実態調査も行っていまいりたい。

岡田副市長
 「伏見観光の充実」については、歴史的な節目を迎える伏見の奥深い魅力を発信し、地元や民間事業者と連携してPRを強化する。伏見区内の回遊性を高め、観光客の流れを伏見全域に広げてまいりたい。

植村副市長
 「子育て世帯への住宅政策」については、本年秋に「マイホーム借上げ制度相談窓口」を開設する。住宅セーフティネット法改正を受け、リフォーム工事等への補助制度の創設についても研究してまいりたい。 

2016年9月市会本会議代表質問

2016.10.01 (Sat)
平成28年9月30日、私・吉田たかおは京都市会本会議場で本会議代表質問に立ちました。

“行動する政策創造集団”として、地域に根を張った草の根ネットワークで集約した、生活実感にあふれた政策課題を取り上げたのです。

160930代表質問

嬉しいことに、門川市長はじめ理事者から前向きな答弁を勝ち取ることができました。 市民生活にとって重要な提言であることを証明できたものと、確信しています。これからも現場第一主義でダッシュしてまいります。

下記に質問原稿を掲載させていただきます。21分間の長い文章で恐縮ですが、関心のある方はお読みください。

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【はじめに】

伏見区選出の吉田孝雄でございます。大道議員に続いて、このあとの川嶋議員とともに、公明党京都市会議員団を代表し、市政一般について質問いたします。市長並びに理事者におかれましては、誠意あるご答弁をお願いします。

前後半2回に分割して質問しますが、まず前半は、今年度くらし環境委員会に所属しておりますので、地球温暖化対策およびスポーツ振興についてお聞きします。

【地球温暖化対策について】

まず、地球温暖化対策についてでございます。昨年12月、COP21・国連気候変動枠組条約第21回締約国会議が、新たな温暖化対策の枠組み「パリ協定」を正式に採択しました。

我が国は2030年までに温室効果ガスの排出量を13年度比で26%削減するという高い目標を掲げていますが、COP3京都議定書の舞台であった京都市は、平成16年に地球温暖化対策条例を制定。22年には2030年までに40%を削減する目標を掲げる条例改正を断行するなど、意欲的に取り組んでいるところです。

特に、この条例改正では、大規模排出業者に対する計画書の評価制度や、環境マネジメントシステムの導入など先進的な規定が盛り込まれており、一定の成果を上げていると評価するものです。

しかしながら、福島第一原発の事故によって、地球温暖化問題を取り巻く状況が大きく変化し、削減目標の達成は極めて困難な事態に直面しています。それに加えて、毎年のように大型台風や集中豪雨など異常気象に起因する被害が全国いたるところで発生しており、気候変動への政策は、これまでのようにCO2削減だけにとどまらない、複眼的な視点が求められていると考えます。

公明党は、本年4月、「地球温暖化対策推進法改正案」を審議する衆院本本会議で真山衆院議員が、省エネへの国民の理解を深めるため環境教育の更なる充実が不可欠と論じるとともに、再生可能エネルギーとりわけ水素エネルギーなどの普及促進を提言しました。

本年3月に環境省が発表した「アクションプラン」に、公明党が長年主張してきた温室ガス排出に課税する炭素税や排出枠を売買する排出量取引制度の検討が盛り込まれています。本格的なステージに差し掛かった今、私たち公明党は100年200年先を志向したダイナミックかつ緻密な施策展開を積み重ねる重要性を痛感し、京都市挙げての温暖化対策に貢献してまいりたいと決意しているところです。

来年は京都議定書より20年の節目を迎えます。パリ協定を機に加速する国の温暖化対策をけん引する京都市の使命は大きいと申し上げたい。現在、見直しを進められている京都市地球温暖化対策計画はいつまでに改定されるのでしょうか。今後の方向性を含め、温暖化対策に対する門川市長のご決意をお伺いいたします。いかがでしょうか

【スポーツ振興について】

次に、スポーツ振興についてお聞きします。国において、平成23年に半世紀ぶりに「スポーツ振興法」を全面改正した「スポーツ基本法」が制定され、スポーツは人と人との交流を促進し、地域の一体感や活力を醸成するものであり、人間関係の希薄化などの問題を抱える地域社会の再生に寄与し、社会の活力と国民経済の発展への大きな原動力となることが再確認されました。

リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックでの日本選手の活躍は、私たち国民に大いなる希望と自信を与えました。4年後の東京オリンピック・パラリンピックへの期待が高まる中、文化首都を標榜する我が京都市がスポーツ振興に力を入れることは大きな意味を持つのではないでしょうか。

今年度、私の所属するくらし環境委員会は、横大路運動公園を実地視察しました。また8月の他都市調査でも建設中の北九州スタジアムを訪れ、地元の担当者の説明をお聞きするとともに、委員同士でも活発な意見を交わしました。

京都市のスポーツ施設の多くは高度成長時代に建設されて老朽化が進んでおり、施設のハード面の改修は膨大なコストと時間を要するものです。今年3月に改訂された「京都市市民スポーツ振興計画」においても、こうした点を直視し、スポーツ施設の長寿命化計画を策定するなど、計画的な拡充と維持管理を進めていくとされており、しっかりと取り組んでいかれるものと期待しています。

一方で、スポーツ振興を京都市の希望溢れるシンボリックな施策として機能していくためには、ソフト面の振興策を欠かせることはできません。おりしも、東京オリンピック・パラリンピックの翌年には、京都を含む関西一円で生涯スポーツの世界的な祭典である「ワールドマスターズゲームズ」が5万人規模で開催されることが決定しており、さらなる振興策が不可欠であると認識しております。

平成24年、我が公明党議員団は「京都におけるスポーツ文化の向上に向けて」と題した政策提言を市長に提出しました。そこで、関西経済同友会による関西スポーツコミッション構想と連動する「京都スポーツコミッション」の創設や「スポーツ推進キャンペーン」の実施、「京都マラソンの更なる展開」などのソフト面の施策を提言したのですが、特に「スポーツボランティア制度」と「市民スポーツサミット」という新しい提案を紹介したいと思います。

「スポーツボランティア制度」は、地域にお住いのスポーツ選手や経験者あるいは大学生などをボランティアとして登録して、大規模な大会や地域のスポーツイベントなどに出動してもらうという仕組みで、現在のスポーツ推進指導員さんのなり手不足などを解決する糸口の1つになるのではないかと考えます。

もう1つの「市民スポーツサミット」は、体育協会や体育振興会など現在のスポーツリエゾンという仕組みを拡充し、プロスポーツチーム関係者やスポーツ関連のNPOにも参画して頂いて、意見交換や情報共有するスキームを構築するというアイデアです。

京都市は、豊かな自治の伝統が息づき、市民が主体的にまちづくり活動に取り組んでおられます。スポーツの分野においても、各種競技団体のみならず、体育振興会やスポーツ推進指導員の方々が地域を拠点として自主的な健康づくりの活動を展開し、スポーツの魅力を伝え、地域の絆づくりの原動力となっておられます。

一方、スポーツの意義や役割も進化しつつあります。「する」スポーツのみならず、「見る」「ささえる」スポーツとの観点から、福祉や教育・観光・環境など様々な分野との結びつきが広がっています。現に、NPOをはじめ様々な形態でスポーツの振興に取り組む組織も増えてきています。多様な世代や組織のつながりを融合する京都ならではのスポーツ振興の在り方が見出せると期待できると考えます。

そこでお聞きします。京都市はじめ関西各地で開催されるワールドマスターズゲームズを5年後に控え、これまでのスポーツ振興の在り方から一歩前進して、我が公明党議員団が提言した「スポーツボランティア制度」や「市民スポーツサミット」など新たな施策展開を加速させていくべきと考えますが、いかがでしょうか。以上2点のご答弁をお願いします。

≪門川市長および副市長の答弁≫ (要旨)
2030年までに温室効果ガス40%削減という、国と比べて高い目標を設定しているが、あくまでこれを堅持し、将来世代に持続可能な社会を引き継ぐための温暖化対策に全力で取り組む。地球温暖化対策計画は今年度中に策定する。スポーツ振興は公明党議員団の政策提言を十分に踏まえて、スポーツボランティアや市民サミットなども取り組んでまいりたい。

160930代表質問原版

【自転車政策について】

(再登壇) 後半は、自転車政策と避難所運営、児童館について取り上げます。

平成22年に京都市自転車安心安全条例が議員提案で制定されてから6年。本市の自転車政策は大きく前進しました。まず、これまでの審議会の在り方が大きく変わり、条例が改正されて従来の「自転車等駐車対策協議会」が総合的な自転車政策を議論する「自転車政策審議会」としてグレードアップする事が出来ました。

また、昨年3月には様々な識者や市民、自転車愛好家の方々にご協力いただいて「京都新・自転車計画」が策定。自転車安全利用促進啓発員の設置や市立小中学校での交通安全教育完全義務化、学生や若者への啓発活動、商店街の安全対策、Webサイト「京都よくばり自転車観光ナビ」の開設など多角的に前進しています。自転車安全講習会の参加者も増加し、マナーアップフェスタも多くの子供連れでにぎわい大好評です。

自転車走行環境整備も、市内のメインストリートである御池通り、烏丸通りの他、大学や高校の周辺などで着実に整備されています。昨年度は、専門家を交えたガイドライン部会を定期的に開催して意見交換し、これらを踏まえた実証実験を2回にわたって実施しているところでもあり、さらなる環境整備が進むものと大いに期待しているところです。

こうした画期的な前進は全国的に注目を集め、30を超える自治体の関係者が視察に来られただけでなく、本年1月には「自転車利用環境向上会議」が本市で開かれ、約270名もの方々が一堂に会して、新時代の自転車政策の在り方をディスカッションされました。

過日、私のもとにオファーを頂き、全国の自転車愛好家や関係団体、企業などが定期購読されている「月刊パーキングプレス」という雑誌の「全国自転車議員ネットワークリレー」という特集記事に寄稿させて頂きました。大変に光栄なことで恐縮するばかりではありますが、改めて本市の自転車政策が全国から期待されていると実感した次第です。

さて、2月市会の本会議代表質疑で門川市長が「シェアサイクルの実現へ努力する」と表明されたことが、内外の自転車関係者から少なからずの反響を呼んでいます。翌日の新聞で「4年以内の導入」と時期を明記して報道されたため、新しい観光レンタサイクル事業を行政が立ち上げるかのように受け止められたからです。

シェアサイクルという事業は、市民や観光客の利便性向上、あるいはマイカーの抑制と渋滞緩和の対抗策としてだけでなく、自転車マナー向上や道路環境整備促進の起爆剤となると期待する人は多いと思います。伏見区のらくなん進都地域で行われている「レンタサイクル社会実験」の動向に注目し期待しているところです。社会実験で明らかになった課題をしっかりと精査して、今後につなげて頂きたいと思います。

しかしながら、観光客へのサービスを含めた大規模なシェアサイクルを展開するとなると、様々な課題に直面することは否めません。世界中から関心を集めているパリ市の「ベリブ」では膨大な赤字が指摘されていますし、欧米諸国と比べても高い自転車保有率を占めるわが国では、運営費用や設置場所の確保、既存の観光レンタサイクル業者への影響を考えると、都市交通政策における位置づけが曖昧なままの安易な本格的導入はリスクが大きいと心配するところです。

京都市の自転車政策に長年貢献してこられた識者の方は、シェアサイクル導入を前提とする姿勢は拙速ではないかとの懸念を表明し、自転車走行環境の整備や損害賠償保険の普及、マナー向上への施策をスピードアップするべきであると助言しておられます。このご意見には私も全面的に賛同するところです。

それに加え、これからの自転車政策の前進にあたっては、交通管理者である警察との交渉が大きなウェイトを占めることを重視しなければなりませんし、庁内においても各部局を横断する施策推進が不可欠です。縦割りの弊害を克服する局を超えた「司令塔」を確立することが不可欠ではないかと申し上げたい。これは、我が公明党議員団が本会議や総括質疑などの場で一貫して主張している課題であります。ぜひ、前向きなご検討をお願いしたいと思います。

シェアサイクルの今後の方向性を含め、自転車損害賠償保険の普及促進や走行環境整備の前進、さらなる啓発活動の充実など、京都市の自転車政策の充実強化への方向性と施策展開についてご所見をお伺いいたします。

【避難所運営について】

次に、防災とりわけ災害時の避難所運営について質問いたします。8月23日に東京で開催された自治体議会政策学会主催の「自治政策特別講座」で、「いざという時に役立てる~避難所運営HUG の紹介と体験」とのテーマで、静岡県地震防災アドバイザーの倉野康彦氏が講演されました。これには我が会派の曽我団長が参加して、話を聞くだけでなく実際にワークショップで「HUG」を体験しました。

「HUG」とは、H(hinanzyo避難所)、U(unei運営)、G(gameゲーム)の頭文字を合わせたもので、避難してこられた方を優しく「ハグ」するように受け入れるイメージと重ね合わせて名付けられました。平成19年に静岡県が開発し、現在は授産所の製品として製造・販売しておられます。考案者の倉野氏は県庁を定年退職した今、防災アドバイザーとして全国各地を回って普及に努めているとのこと。

ゲームと言いましても、避難してきた人の年齢や性別、国籍などなど、千差万別の具体的な事情が書かれたカードを、避難所の体育館や教室に見立てた平面図にどれだけ適切に配置できるか、また避難所で起こる様々な出来事にどう対応していくかを模擬体験する、きわめて実践的なシュミレーションです。

参加者は、次々と出てくるカードを手に、災害時要援護者への配慮をしながら部屋割りを考えたり、炊き出し場や仮設トイレの配置など生活空間の確保、あるいは視察や取材への対応といった1つ1つの出来事を題材にして、思いのままに意見を出しあったりしながら、ゲーム感覚で避難所運営を主体的に運営するノウハウを学ぶことができるのです。

5年前の東日本大震災では、その前年に「HUG」を研修した仙台市の複数の地域で、大混乱にならずに冷静かつ的確な避難所運営が実施されたという事実で大いに注目されました。まさに、ゲームを直接体験することで避難所のイメージが具体化し、いざという時に役立つと期待されています。

神奈川県平塚市では、「HUG」を全市の55カ所の避難指定場所で実施したところ、参加者の9割以上が「よかった」と評価したとのこと。京都市でも静岡まで足を運んでワークショップに参加し、実地体験をした職員もいると聞いています。このほかにも、ゲーム感覚で主体的に参加するスタイルの防災教育教材として「クロスロード」や「DIG」というものもあるとのことであります。

本市では、万一の災害時における適切かつ円滑な避難所運営を目指して、「避難所運営マニュアル」を各地域で作成し、それに基づいた防災訓練を実施しているところですが、それに加えて、本日紹介した「HUG」を取り入れるなど、様々な訓練手法を積極的に活用して住民意識の向上を図るべきと考えます。いかがでしょうか。

【児童館職員の待遇改善について】(要望)
最後に、児童館職員の待遇改善について要望いたします。待機児童問題が大きな波紋を呼び、このほど、国として保育士の待遇改善を進めるとの方針が明らかとなりました。素晴らしいことであり、大いに期待するものですが、その中で児童館職員が置き去りになっていないかとの懸念が否めません。

平成26年度までは児童館に登録している児童数は3年生までであったため、京都市では障がいのある4年生を含め9,819名でしたが、27年度に6年生まで拡大したことで、今年の4月で12,701名と、実に1.3倍に急増しました。新しい制度に対応するため、職員の人件費を3.9%増額したとはいえ、関係者に取材しますと20代後半の正職員の給与でも月20万に届かない方も少なくないのが実態とのことです。

確かにゼロ歳児や1歳児を抱える保育園と比べて、小学校の終わる時間帯からが本格的な勤務となる児童館とは負担の度合いが違うとの意見もありますが、児童館のスタッフは乳幼児を育てるお母さんたちの憩いの場である「子育てサロン」や「ママカフェ」などの子育て支援の新しい取り組みも担っておられるのですから、保育士の待遇が見直されようとしている今、児童館もさらなる改善が必要ではないでしょうか。

子育て環境日本一を目指す本市として、国と連携して児童館職員への待遇改善を図って頂きたい。このことを強く要望して、私の代表質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

≪市長および防災危機管理監の答弁≫(主旨)
世界トップレベルの自転車共存都市を目指し、走行環境整備や保険加入促進義務化の方向性をとりまとめる。議員のご指摘の通り「シェアサイクルありき」では決してない。京都ならではのレンタサイクルの実現を目指したい。避難所運営についてはマニュアルをもとに訓練を実施し、見直しを重ねている。「HUG」を自主防災会を中心とした市民の代表に研修教材として提供する計画である。 
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